日本海縦貫新幹線?

1週間ほど前ですが、読売新聞のネット配信に気になる記事がありました。

タイトルは、「「奥羽新幹線」「羽越新幹線」早期実現へ沿線6県が初調査、整備の妥当性を確認」。

奥羽新幹線・羽越新幹線

奥羽新幹線は、奥羽本線とほぼ同じ、福島から山形を通って秋田まで。奥羽本線と違って青森までではないのは、羽越新幹線があるから。羽越新幹線は、富山から新潟、山形県の鶴岡、秋田を通って新青森まで。

という壮大な計画です。

とはいっても、降って湧いた話ではなく、昭和48年に基本計画が作られた、半世紀も前からある計画です。

実現の可能性は

同じく、昭和48年に策定された計画の一つに「中央新幹線」があります。これは、リニア中央新幹線として事業中ですから、あながち計画倒れ、というわけでもなさそうです。

昭和48年11月15日 運輸省告示第466号 によると、

路線名起点終点主な経由地
羽越新幹線富山市青森市新潟市附近、秋田市附近
奥羽新幹線福島市秋田市山形市附近
中央新幹線東京都大阪市甲府市附近、名古屋市附近、奈良市附近

となっています。他にも山陰新幹線や、四国新幹線など、各地域で開業に向けて頑張っているけれど、実現まではまだまだ遠い路線が大半です。中央新幹線が例外中の例外ですね。

そんな中、

「奥羽新幹線」と「羽越新幹線」の早期実現に向け、山形県など沿線6県で構成する「関係6県合同プロジェクトチーム(PT)」は21日、予想される所要時間の短縮や両新幹線の費用対効果に関する初の調査結果を発表した。

https://www.yomiuri.co.jp/economy/20210622-OYT1T50128/

ということです。

気になる時間短縮効果ですが、

 調査による所要時間では、現在、在来線の乗り継ぎが必要な東京―鶴岡間が2時間21分と72分短縮。日本海側では、在来線で3時間23分かかる山形―秋田間が42分になるとした。

https://www.yomiuri.co.jp/economy/20210622-OYT1T50128/

東京から新潟までは、既に上越新幹線が開通していますので、新幹線による効果は新潟~鶴岡だけですから、ある意味、大きな短縮効果ですよね。

対 関西では

関西(個人的には大阪)からすると、奥羽新幹線よりも羽越新幹線の方が、気になる存在です。

富山から青森のうち、既に富山~上越妙高、長岡~新潟は開業しているわけですから、上越妙高~長岡をつなげると、金沢から新潟、かつての特急「北越」のルートが新幹線で結ばれます。

新潟以北の羽越新幹線が全通すれば、北陸新幹線の大阪延伸とを合わせて、新大阪~敦賀~金沢~富山~上越妙高~長岡~新潟~鶴岡~秋田~新青森と、新幹線での日本海縦貫線が出来上がります。

この区間の時短効果は明言されていませんが、かつて、特急「白鳥」が走った大阪~青森が、乗り換えなしで結ばれる日が来るのかと思うと、楽しみです。(若干、他人事ですが…)

奥羽・羽越新幹線の開業は2045年とされています。もちろん、現状では計画でしかなく、その通りに実現する保証もないですが、北陸新幹線の大阪延伸も2046年と言われています。

それより15年も早くに北海道新幹線の札幌延伸開業の予定ですから、北陸新幹線の大阪延伸開業で、新幹線が新大阪~札幌間を走る「可能性」が出てくるわけです。

夢を見るのはタダですからね。25年後まで、せいぜい楽しませてもらいましょう。