大屋根リングと鉄道模型
大阪・関西万博3回目の訪問と、221系エキスポライナー、と、2回続けて万博関連の記事なりましたので、今回も万博関連の話を書きたいと思います。小ネタですけどね。
世界最大の木造建築物 大屋根リング
テーマは、大屋根リング。

その規模感を1枚の写真で表すのは難しいですが、公式サイトでの紹介では、内径が約615m、外形が約675mとのこと。内径で計算すると円周は1,932m。およそ2kmにもなります。
最大の木造建築物として、ギネス世界記録に認定されました。
これまでの3回の訪問で、途中で下りることなく、ぐるっと一周したのは一回だけですが、随所で写真を撮りながら40分ほど掛けて歩いたことを記憶してます。
Nゲージスケールだと…
で、2回目の訪問の時だったか、大屋根リングに上って、緩やかに円弧を描くスカイウォークを眺めながら、「このカーブ、意外と鉄道模型向きかも」なんて、変なことを考えてしまったんですね。
直径がおよそ600mですから、1/150のNゲージスケールなら直径4m。
さすがに4m四方のスペースは自宅には無いですから(家具を全て片付けたリビングでも無理です)、いつものステージ、廊下で一部分だけの再現ならできるんじゃないか、と。
直径4mということは、半径で2m=2000mm。TOMIX流に言えば、C2000のカーブレールが必要、ということになります。もちろん、そんな商品はありません。
恐らく、TOMXIで製品化されているものでは、「築堤付カーブレールC1641-5-EM」が最大だと思います。
それ以上だと、フレキシブルレールを使用しての自作ですね。
でも、今回は、フレキシブルレールは使いません。
あくまでも「小ネタ」なので、短い直線レールでカーブを作るとどうなるか、というチャレンジです。
直線レールでカーブ作成?
以下、メーカー(株式会社トミーテック)が示している用法とは異なる使い方をします。ジョイント部(ジョイナー)に負荷がかかりますので、接合部が広がる可能性があります。(いないとは思いますが…)実施する場合は、自己責任でお願いします。
本来は、道床部は隙間なく、まっすぐにつなぎ合わせて使用しますが、このように、隙間を設けると、いくらか角度を付けることが出来ます。

道床部のジョイナーとレール部のジョイナーは、もちろん共に直線方向で接合しようとしますので、道床を近付ければ近付けるほど、線路はまっすぐになります。逆に離せば離すほど角度が自由になりますが、当然ながらレールとしての役目は果たさなくなり、脱輪の原因となります。
なので、連続したレールとして成り立つギリギリのところが、上の写真のような状態です。
で、実際のところ、どれくらい曲げれば、大屋根リングと同じくらいの円弧になるの?
ということでちょっと計算してみました。
といっても、ChatGPTによる計算ですけどね。
ChatGPTへの依頼は、あくまでも「14cmの(幅の無い)直線」で直径4mの円弧を作るとどうなるか、ということですが、実際、上の写真からも判る通り、レールの中央部を接することは不可能ですので、この計算通りにはならないですが、「直進延長の先端と4.012°傾けた先端の2点間距離」は有効です。
先の写真では、道床の上端を床の継ぎ目に合わせていますが、右側のレールの上端が、床の継ぎ目から9.8mmだけ離れる角度、が求めるものとなります。
なので、ちょっと微妙ですが、これくらいの角度を付けながらレールを延ばしていくと、大屋根リングの円周に近い線路になるはずです。
とはいえ、さすがにレールごとに9.8mmを厳密に測るのは誤差が心配なので、廊下に設置できる限界(余裕は見てます)の幅80cmで円弧を作るとどうなるか、を計算しました。
幅80cm、長さ320cmの長方形を目一杯使ってカーブを作ると、作ることが出来る、ということですね。
というわけで、5mメジャーを使用して、マスキングテープで、壁際に320cmの目印と、その中心(160cm)から反対側の壁に向けて80cm延ばしたところの3点に目印を付けました。
この3点を結べばよい、ということです。
が、両端の角度が気になるところ。理論上、3点を通る円弧は一意になりますが、なんせ、それぞれの角度は「感覚」で決めてますから、せめて両端の角度を決めておくと、整いやすい(大きくは外しにくい)のでは?ということです。
というわけで、両端に乗っかるレールは320cmの長さ方向に対して約53°(45°よりちょっと垂直寄り)に傾けるとちょうどいい感じになる、ということが判りました。
やっぱり、ChatGPTはいいですね。逆三角関数を使った演算なんて、どう頭を振ったって出てきませんから…。

…。改めて俯瞰した写真を見ると、もう少し線路の数を増やして、両端のエッジを立てないといけなかったような気がしますね。
でも、140mmレールを使用すると、曲げられる角度に制限があるので、これくらいが限界です。
というわけで実際に走行を
まずは、DD51を使用して試運転。
D.C.フィーダーは画面手前の右側に1箇所だけ設置してます。
つまりは、反対側まで、きちんとジョイナーを介して通電できている、ということになります。多少、走行にぎこちなさは残りますが、直線レールだけでこのような半径2mのカーブが作れる、というのが面白いと思います。
それと、通常以上にレールの隙間が空いているので、レールジョイント音が大きく響くのが小気味いいですね。
続いては、本番。キハ58系2両編成を走らせました。
いくつかの高さから撮影した動画を編集しています。

外周のスカイウォークから見下ろした内周の雰囲気と似ているのではないでしょうか。
最後に、前面展望の動画で締めくくりたいと思います。
前半の時計回りでは、車輪の異音が聞こえますね。脱輪していたようです…。
久々の前面展望。

SONYのHDR-AS300をコキ107に載せて、EF210-300で押して撮影しました。
本当のカーブレールでは無いので、接合部分でのふらつきがありますが、全体としてはよく曲がっていると思います。
というわけで、大阪・関西万博の大屋根リングとほぼ同じカーブをNゲージで作ってみた、という小ネタでした。
それにしても、フレキシブルレールで作成したカーブは、内側線が半径306cmですから、今回の半径200cmよりもかなり緩いんですよね。半径が1mも小さいカーブを、直線レールだけで作るのは、やっぱり無謀だと思います。
いや、70mmレールだと、もう少しきれいに曲がれる?
…しませんよ。さすがに。。