今週の詐欺メール(2025年2月第2週)
最近は、詐欺メール・迷惑メールも巧妙になってきていて、面白みに欠けるものが増えています。
ここで言う「面白さ」は、「こんなのでひっかからないだろう」というものを言い、悪質さが高いから面白い、というわけではありません。日本人ならクスっと笑えるもののことです。
それが減ってきている、というのは決して良いことではありません。迷惑メール全体が減っているのなら良いのですが、巧妙さが増している、ということですから。
そんな中でもいくつかはありますので、ご紹介しましょう。
【重要】異地でのPayPay利用に関する確認のお願い
気になるのはタイトルだけなんですが、「異地」って、何だ?
です。日本語の辞書を調べても、「異地」では検索できません。
メール本文には、
お客様のPayPayアカウントにて、通常とは異なる地域でのお支払いが確認されました。
セキュリティ保護のため、以下の内容をご確認ください。
とありますから、普段とは異なる場所で利用された、ということだとは分かるのですが、「異地」が気になります。
日本語じゃなかったら、あの言語、ですよね。
中国語では「異地」は、「异地」と書き、「異郷」を意味しますが、直接英訳すると「different place」ですので、「異なる場所」ってことですね。
ちなみに、「取引を確認する」のボタンのリンク先は、 https://lessubstituables.com/paypay-login-uptade でした。(訪問されませんように)
<JACCS>2025年2月度お支払い金額確定のご案内
続いては、JACCSから。失礼、JACCSを名乗る組織からのメールです。
だって、差出人が、「株式会社ジャックス <jaccs3.mail-lquwhafxb@service.qkah.cn>」なんですもん。
.cn って。。
メールヘッダ―には、
Received: from service.qkah.cn (service.qkah.cn [192.3.60.203])
とありますし、
X-mailer: Foxmail 6, 13, 102, 15 [cn]
製造(送信元)も中国なんでしょう。
表示されるフォントに違和感があるので気付くことが出来ると思います。
が、最後のURL。一見、https://www.jaccs.co.jp/(以下略) と、正規のURLを指しているように見えますが、これはHTMLメールで、このURL部分をクリックすると、 https://jaccs-tenuery.cuetn.cn/icmclub-icm_login/ ここに飛ぶようになっています。(訪問されませんように)
HTMLだからこそ、URLの手口がわかりにくいんですが、逆にフォントではわかりやすくなる、ってことですかね。お気を付けください。
※ 重 要 ※ 電気料金請求書には、まだ支払いが完了していない金額があります
続いては、東京電力エナジーパートナー株式会社を名乗るメール。
大変失礼いたしました。
このメールは、未払いの電気料金についてご連絡させていただくものです。
お手数ですが、以下の内容をご確認いただき、早急にお支払いいただけますようお願い申し上げます。
から始まるメール。
これは、違和感ありでしょう。この書き出しで始まるメールは、見たことがありません。
何を参考にしたんでしょうか。。
ちなみに、私は大阪に住んでいて、東京電力管内で請求されるような契約は一切ありません。
不正利用の可能性があります
こちらは、PayPayを名乗るメール。
以下の取引が、お客様の通常のご利用地域と異なる場所で検出されました。
さきほどの東京電力とは逆に…。
ご利用情報:
・日時: 2025年02月07日 19:05
・金額: ¥8,900
・店舗: Osaka Duty-Free Store
・地域: 大阪府中央区
大阪府って、生活圏内ですけど。
いや、これ維新の会の「大阪都構想」を先取りしてましたね。大阪府中央区、って。。
これに続くのが…
きな金額の決済がありました
なんだこれ。「大」が抜けてるんでしょうね。
同じくPayPayを名乗るメールですが、
ご利用情報:
・日時: 2025年02月04日 16:40
・金額: ¥78,500
・店舗: Kyoto Luxury Department Store
・地域: 京都府中京区
こちらも、「京都市」が抜けてました。
最大100,000円プレゼント!PayPayの特別イベント
最近は、やたらとPayPayの「何かが当たる」系の、要は、○○しないとお金(権利)を失う、ではなく、○○すれば得をする方のメールが目につきます。
でも、本文は割と問題のない日本語なのに、このタイトルはダメでしょ。

なぜ、中国語がそのままに…。
PayPay福袋キャンペーン!豪華特典で新年をお祝い
もはや、何も言えないですね。日本人はこの時期に「新年」なんて言わないですから。
そういえば、こんな文面のメールもありました。
春の訪れを祝して、特別なキャンペーンを実施中!PayPayを使って最大30,000円分のポイントをゲット!
春の訪れ、かぁ。先週末の豪雪もありましたし、現代の日本人としては2月上旬は「冬」ですよね。節分を過ぎて「暦の上では春になりましたが」のような表現は見ますが、「春の訪れ」は無いです。
春節と言えば、メールの内容そのものでは無いですが、ちょっと面白い現象が起こってました。
2月11日17:00現在の速報値ですが、私の手元に届いた迷惑メールの数に注目です。
2月11日(火) 83通(17:00現在)
2月10日(月) 105通
2月9日(日) 104通
2月8日(土) 115通
2月7日(金) 109通
2月6日(木) 108通
2月5日(水) 104通
2月4日(火) 70通
2月3日(月) 26通
2月2日(日) 15通
2月1日(土) 14通
1月31日(金) 3通
1月30日(木) 6通
1月29日(水) 9通
1月28日(火) 16通
1月27日(月) 24通
1月26日(日) 76通
1月25日(土) 95通
1月24日(金) 97通
1月23日(木) 20通
1月22日(水) 138通
1月21日(火) 75通
1月20日(月) 79通
と、いわゆる大晦日にあたる除夕の1月28日から、春節(旧正月)の1月29日、日本で言う三が日の1月31日まで、詐欺メール・迷惑メールの数が激減。
てっきりツールによる自動配信かと思っていたら、意外と手作業だった、ってことですかね。
ちゃんとお休みも取ってるようですし。
日を遡って行って、1月23日が木曜日なのに激減していたのは、どうやら旧暦12月24日の小年という祝日だったようです。その代わりに、前日が倍増しているのは、「祝日前に頑張る」という、なんだか頑張る社会人みたいになっちゃってます。
というわけで、文面はAIかもしれませんが「人」が作って送信してるんだなぁ、と妙な感想を持った今日この頃でした。