ドライブレコーダー(TZ-D001)のファームウェアアップデートと時刻設定

2021年2月23日

トヨタ プリウス(50系)に乗り替えて、もうすぐ5年。2回目の車検が間近なのですが、新車購入の時に取り付けてもらったドライブレコーダーが今年から「変」になったので、そのあたりのお話を。

ドラレコのファイル保存

皆さんは、ドライブレコーダーの映像って、保存されてますか?

私は5年前に取り付けたのが初めてのドラレコだったので、その良さが判るまでは、普通の方々と同じようにSD容量内で古いファイルから上書きとローテーションしていたんですが、旅行に出かけて帰ってきたとき、ふと、「これ、旅の記録にいいんじゃない?」と思ってしまったんです。Full HD画像ですし、夜間はともかく、晴天の日の海岸沿いのドライブなど、めちゃくちゃ綺麗な動画が記録されてました。

なので、それからは上書きで消されないように、複数枚のSDカードを常備して、満杯になりそうな時間の前にSDを取り換える、という地味な作業をして、ドラレコカメラが見た映像を保存し続けてます(データ量は膨大になるんですけどね。。)

取り付けている機種は、セルスター工業製のTZ-D001というもの。販売が「トヨタ部品大阪共販」ということで、大阪トヨタでプリウスを購入したときに、選ばせてもらうでもなくこの機種を取り付けてます。

他の機種はよく知らないんですが、この機種は、通常、1分ごとに1つのAVIファイルが作成されます。通常、というのは、エンジンOFF(プリウスなのでPOWER OFF)時は1分に満たないファイルが出来る、というのと、事故などのイベント時は、1ファイルの時間が異なることがあります。

PCでファイルを見ると、通常のAVIファイルとして再生できますので、動画編集にも使えます。ファイルのタイムスタンプは更新日時が、ドラレコ内蔵時計の日時になるようです。で、問題はここから。

内蔵の時計が1日ずれた…

昨年は12月30日が乗り納めとなり、今年は1月2日が乗り始めだったんですが、2020年12月30日乗車分のファイルは、更新日時も12月30日(時刻は5分ほどずれてます)で、1月2日乗車分が、なぜか1月3日に。時刻は5分ほどのずれのままなので、まる1日(24時間)、ずれてしまったわけです。

このファイルのタイムスタンプが2021年1月3日でした

毎日乗っていれば、どこでずれたのかも判るのですが、12月31日か1月1日がカウントされてなかった、くらいしか答えが見つかりません。組込み機器の2021年問題とかも聞いてないので、「なんでそうなるの?」という感じです。

面白いのは、この機種、同時に付けた同社製の TZ-R001というレーダー探知機と相互通信を行っていて、GPS情報は、レーダー探知機が取得したものがドラレコに使われています。ですので、ドラレコ画面にインポーズで表示される位置情報、時刻情報はレーダー探知機から得られたものなんです。

ですので、ドラレコ内蔵時計がどれだけずれていても、事故等の際にドラレコ映像を見たとしたら正確な時刻が表示されているんです。

「あれ?」ですよね。GPSという極めて正確な時計情報を、映像の中に取り込んでいるのに、自身の内蔵時計はずれたまま、って。。

時刻合わせも不可解な仕様

全自動ではなくても、レーダー探知機から時刻補正する手段があれば嬉しいのですが、ありません。

説明書にも「内蔵の時計がズレる場合、専用ビューアソフトの設定で日時を調整してください。」

とあります。

で、その調整方法は、というと、

まず、Windows PCで、ビューアを立ち上げます。

次に、上の設定ボタン(歯車マーク)をクリックします。

この「日時」で設定できます。が、ドラレコに入っているSDカードがないと、この設定画面は開きません。

で、もう一つ、最大の謎が、SDカードには「適用ボタンを押した時刻」が記録され、そのSDカードを挿入して次回ドラレコを起動したときに、ドラレコの内蔵時計が「適用ボタンを押した時刻」で更新されます。

マンション住まいなんで、パソコンから駐車場まで、軽く3分はかかるんですけど。。

つまりは、「正確な時刻に合わせたければ、車に乗ってドラレコにSDを装着してエンジンONする時刻」を設定しておく必要があります。

ノートパソコンを車内に持ち込んで設定するならまだしも、デスクトップPCしか無ければ、駐車場までの道中で想定される障害を考慮した時刻を設定しておかなければ、「あぁ、過ぎちゃった」となります。

ちなみに、1秒単位で合わせるのは、ほぼ不可能です。

というのも、車のエンジンON(POWER ON)がドラレコの設定タイミングではなく、ドラレコにも起動準備時間がありますから、それを見越してエンジンONする必要があります。何回か調整して、うちのプリウスの場合は、設定した15秒前にPOWER ONすると、だいたいいい感じに設定できます(笑)

ファームウェア更新もやってみる

この24時間ずれるという不思議な現象、公式サイトに記載がないかと調べてみると、TZ-D001に、「本体ソフトウェア更新プログラム」がリリースされていたことを知りました。

バージョンは 0.7.3b です。

が、いま、どのバージョンが入っているのか、知りません(笑)

SDカードにあるファイルの中身から、バージョン0.7.2っぽいことがわかったので、せっかくなので、とアップデートしてみました。

ダウンロードした圧縮ファイルを解凍すると、

tzd001fw.bin (580KB)
tzd001fw.dat (5,651KB)
tzd001fw.srb (1KB)

という3つのファイルが出来ます。これをSDカードのルートに収め、駐車場へ。

ちなみに、binファイルのタイムスタンプは2016/8/19 でしたから、購入直後にリリースされ、以降更新されていないようですね。バージョンが古い状態で5年間使っていたようです。。

説明書きにもある通り、Power OFFの状態で、レーダー探知機との通信用コード(電源兼用)を外します。

その状態でアップデートファイルを書き込んだSDカードを挿入します。

で、エンジン(Power)ON。

本体背面にあるLEDのうち、最も右の「画質LED」が赤点滅を開始します。これがアップデート中を意味します。ファイルサイズの割に時間がかかるかな、という印象ですね。

でも、ご安心を。

途中、3段階くらいで、点滅のインターバルが早くなってきます。一定周期の点滅がずーっと続くと不安になってきますが、こういう変化があると、「進んでるな」という安心感がありますね。

結局、終了して自動的に再起動がかかるまで、4分強かかったでしょうか。無事にアップデート完了です。

でも。。

説明書きに、最後の工程として書かれてました。

「9. 専用ビューアで、本体の時計を再設定します」と。

また、自宅との間を往復か。。

確かに、2014年1月1日になってましたので、放っておくわけにはいかないですね。もう1往復、頑張りましょう。

時計設定ファイルってどんなもの?

専用ビューアで日時設定を行った際、SDカードに「timeset.txt」というファイルが新規作成されます。

中身は、バイナリファイルです。「テキストちゃうんかい!」って、つっこみましたけど、案外単純なフォーマットです。

2021年2月20日16時55分00秒に設定した timeset.txtファイル

先頭に 0x00 が16個連なり、あとは、unsigned short型(2byte)で 年・月・日・時・分・秒 のようです。リトルエンディアンですね。

0x07E5 = 2021 / 0x0002 = 2 / 0x0014 = 20 / 0x0010 = 16 / 0x0037 = 55 / 0x0000 = 0

ですので、設定時刻そのままです。

パソコンを持ち込まなくても、このファイルを生成できれば、時刻設定できるのかな?なんて思ってみました。が、そんなしょっちゅう必要なもんでもないですし、自宅まで往復しましょうか。