まだまだ現役 M-241 (GPSロガー)

2009年の秋にHOLUX社製の M-241C を購入して、かれこれ11年以上になります。それが現役というわけではなく、初代M-241Cが壊れて同型機(2代目)を購入。それが壊れてM-241を購入したのが、2018年4月。

今使用してるのは3代目にあたるM-241で、まもなく3年になります。

M-241Cとは

M-241Cとは、HOLUX社製の小型GPSロガーです。

126km/hで走る「サンダーバード」の車内で
サイズ長さ:32.1mm
幅:30mm
高さ:74.5mm
重量39g (電池を除く)
大きさと重さ

重量の「電池を除く」がポイントで、単3乾電池1本で公称約12時間測位できるのが売りです。最近の多くのGPSロガーはUSB端子を通しての充電式となっています。充電しながらの測位が出来る機種もありますが、このM-241Cは、バッテリーが切れても、どこにでも売っている単3乾電池で復活する、という安心感があります。もちろん、充電式のニッケル水素電池でも問題なく動きます。予備バッテリー(電池)も気軽にたくさん持ち歩けます。

この11年間、他のメーカーのGPSロガーは使用していないので、測位性能を比べることは出来ませんが、自動車や列車などの、比較的高速な移動での測位は、GPSを検知できないトンネルや地下区間はともかく、道路や線路から外れることなく正確にトレースできます。最近はまっているウォーキングなどの徒歩(4~6km/h)では、道路から外れることも多々ありますが、他の機種のログを見ても同じような感じなので、悪くはないと思います。

ただ、大きな問題があって、このお気に入りのGPSロガーの製造元である台湾のHOLUX社が現在、どのような状況なのかが分かりません(ネット上でも正確な情報が掴めていませんが、 www.holux.com にアクセスできないことから、存続していないと考えるのが妥当かと思います)。ですので、新たにM-241Cを取り寄せるのはかなり難しくなっています。また、それに伴い新たなサポート(M-241Cのファームウェア・PC上のツール類のアップデートを含む)が受けられない状態が続いています。PCに吸い上げたデータを、地図上に表示させるHOLUX製のアプリ「ezTour」が使えなくなっても、そのフォローはされませんでした。

M-241とは

M-241は、M-241Cに、Bluetooth機能を持たせた上位機になります。ただのカラーバリエーションではありません。

肥薩線をゆっくりと走る「いさぶろう」の車内で

M-241CもM-241も、ミニUSBポートを備えていて、そこからデータをPCに吸い上げることが出来ます。Bluetoothを使用できるPCならそれでも可能なのですが、いつPCと接続されるかわからないため常時Bluetooth機能をONにする必要があり、無駄にバッテリーを消費してそうな気がして機能をOFFにして使用しています。

2018年4月に買い替えた時、市場からM-241C/M-241ともに在庫が少なくなりつつあり、値段の逆転現象が生じていました。(最安値がM-241の方でした)

ですので、M-241で買い替えた、ということです。

問題は、メーカーの話だけではなく、2019年4月に発生した、いわゆる「GPS週数ロールオーバー問題」が決定的になりました。

本体で表示されるべき時刻が表示されなくなったんです。それまで、時計画面を見てGPSを測位しているかどうかを判断していましたので、完全に「壊れた」と思いましたね。同時に付属ソフトの「ezTour」でのデータ吸い上げもできなくなり、お手上げとなりました。

ところが、実は内部ではきちんと測位し、記録が出来ていることが判りました。ネット上での情報を参考に、それまで使用していた「ezTour」ではなく、読み出すアプリを変えたところ、無事にデータ吸い上げが出来たんです。

というわけで、それから2年近く経つ今も、大きな問題なく、使用できています。

現在の使用アプリ

現在、データの吸い上げに使用させて頂いているアプリは、フリーソフトの「MTK GPS Logger download Utility」です。

ダウンロードはこちら。それと、こちらも使用しています。

前者が「MTK GPS Logger download Utility」で、後者が「NMEA to KMZ file converter」です。連携して使用することで、Google Earthで読み込める KMZファイルへの変換が出来ます。

M-241からのデータ読み込み方法

M-241をUSBケーブルでPCと接続し、MTK GPS Logger download Utilityを起動します。

M-241がCOMポートとして認識できていることが条件となりますが、もしも出来ていなければ、Silicon Labs社のドライバーを使用してみてください。

認識できていれば、ドライバーを入れ替えたりする必要はありません。

Com Port(M-241が接続されているポート) と、Baud Rate(38400) を設定し、「OPEN」ボタンをクリックします。

正常に接続されると、M-241の持つ、リアルタイムな測位データが画面上に反映されます。(個人情報が含まれますので、キャプチャ画像は掲載しません)

次に、上部にある「Log Download」タブをクリックします。

「NMEA」と「NMEA2KMZ」にチェックを付け、「Download」ボタンをクリックします。

プログレスバーが動き出します。

M-241からの読み込みが完了すると、ファイル保存するフォルダ指定を求められます。

ファイル名は、読み込んだ測位データの、最も若い日付時刻が自動的にファイル名として設定されます。

続いて、NMEA to KMZ file converter が起動します。初回は、このexeがどこにあるかを指定する必要があります。(設定は ini ファイルに記録されます)

これで、測位データの、csvファイル、nmeaファイル、kmzファイルが作成できました。

軌跡を見る

Google Earht Pro がインストールされていれば、作成されたkmzファイルを開くことで、Google Earhtに軌跡が表示されます。

測位ポイントに方向を示す矢印のアイコンが付きますが、全部表示させると画面更新も遅くなりますし、適宜ポイントの表示を外す、などしてください。

上の画像は、Trackだけを残し、Pointのチェックは外したものです。

歩いた時のサンプルとして掲載しました。

ほぼ、道路をトレースできていると思います。設定は、5秒ごとの記録となります。

画面右側で道路から外れているように見えますが、これは、とある神社を参拝した時の記録ですので、境内を歩いている様子がきちんと捉えられています。

なぜか突然に復旧した…

この記事を書こうと、MTK GPS Logger download Utility を最新版(Ver 3.30)に更新して、M-241に接続したところ、これまで表示されていなかった時計が表示されるようになりました。M-241のファームウェアは、Ver.1.00のままです。

アプリの Ver 3.26の変更履歴に「1. GPS時刻のEOWロールオーバーの自動修正を可能にした(バッテリー消耗で元に戻る)」 とありますので、これが効いているのかもしれませんが、前日まで使用していたのがそれよりも後の Ver 3.28でしたので、なぜに!?という感じです。

これで、最大の問題も解消できたようですので、まだしばらくは、M-241で頑張りたいと思います。