「バニラな毎日」ロケ地を歩く

現在(2025年2月)、放送中のNHK 夜ドラ『バニラな毎日』。1月20日(月)から放送が開始されて、先週2月20日(木)の放送で20話目となりました。全32話(8週)ですので、半分を少し過ぎたところです。

月曜日から木曜日まで、夜10時45分から11時までの1話15分。毎夜楽しみに放送を見ています。

あらすじは、NHK公式サイトから。

白井葵(蓮佛美沙子)は、パティシエとしての修業を積み、大阪で、夢だったこだわりの洋菓子店を開いた。しかし、経営はうまくいかず、店を閉じることに・・・。そこへ現れたのは、クセの強い料理研究家、佐渡谷真奈美(永作博美)。閉店した白井の店の厨房で、“たった一人のためのお菓子教室”を開くという。渋々、協力する白井。不思議なお菓子教室にやってくる生徒は、それぞれに心に痛みを抱えた人たちだった。お菓子を作り、味わう時間が、孤独な心を優しく包み込んでいく・・・。
NHK公式サイト「バニラな毎日」

この「夢だったこだわりの洋菓子店」。賀十つばささんの原作では東京が舞台ですが、ドラマでは大阪市城東区の蒲生四丁目、通称「がもよん」に実在する「patisserie Tea shot」という洋菓子店がロケ地となっています。

このお店だけでは無く、屋外での撮影の多くが城東区内で行われているようで、白井葵(蓮佛美沙子さん)と佐渡谷真奈美(永作博美さん)が歩道橋を歩くシーンを見ながら、「ここ、知ってる。ってか、今日歩いた…」なんていう、かなり私自身の生活圏内で撮影されているドラマですので、より興味を持って見ている、ということなんでしょうね。

そんなわけで、3連休の真ん中 2月23日に、記憶に残っているロケ地をぶらぶらと歩いてみました。

放出駅~寝屋川歩道橋

出発はJR学研都市線の放出駅。

駅北側の出口(橋上駅舎ですので、北側の階段を下りたところ)から歩き始めます。

駅前の通りを左手にずーっと歩きます。内環状線(国道479号線)の高架をくぐり、道なりに歩き続けると、放出駅から0.8kmほどで平野川分水路に当たります。高い壁の向こうの川(水面)は見えませんが川を越える橋のための階段が目立ってます。

川沿いの道を写真奥方向(北)に向かって歩き続けます。途中、道幅が狭くなる区間もありますが、川(分水路)沿いなので、迷うことも無いと思います。

しばらく(約0.6km)歩くと、目の前に、大きな歩道橋が見えてきます。これが寝屋川歩道橋です。

歩道橋の上で、自転車を押して歩いていたシーンが映る通り、自転車が上ることのできるスロープが付いています。

上まで登って振り返るとこう見えます。

佐渡谷真奈美と自転車を押す白井葵が並んで歩いていましたよね。奥の方の橋を、JR学研都市線やおおさか東線の電車が走るのも映っていました。

この歩道橋を先(北向き)に向かいます。

写真でも判る通り、この歩道橋は道路や線路を横切る歩道橋では無く、寝屋川を越える橋になります。

この先、右下に降りる階段があるんですが、このコーナーで撮った写真がこちら。

結杏(和合由依さん)親子が住んでいる?と思わせるような川沿いの風景が映っていましたが、これに近い画角だったように思います。

寝屋川歩道橋~南今福橋~今福中橋

歩道橋は終端で右に折れて東に向けて階段を下ります。下りきったところでくるりと方向転換。

西に向けて歩道を歩きます。歩いてきた歩道橋をくぐるとすぐに、大きな水門が見えます。

東西に流れる寝屋川と、ここから北へと流れる城北川との合流点になります。

この水門の右側に続く歩道を、今度は城北川沿いに北へと歩きます。

150mほど歩くと車道との交差点があります。信号が無いのでアンダーパスを歩きたいところですが、ここは、直進。この交差点が撮影スポットです。

車道まで進むと、

この左手に見えるのが、南今福橋です。

このあたりから西を向いて撮影したのがこちら。

ドラマでは夜でしたが、秋山静(木戸大聖さん)が写真右側の手すりに寄りかかりながら、自転車を押す白井葵と語っていた場所ですね。

歩いたのは昼なので分からないですが、写真中央あたりに見える背の高いビル。

京橋近くにある大阪ビジネスパーク(OBP)の双子ビルTWIN21です。高層ビルのため、夜には屋上近くの赤い照明が定周期で光りますので、ドラマ中でも目立ってました(って、気にするのはツインビルを知っているから、でしょうかね)。

橋から川沿いの歩道に戻り、ほんの少し歩くと、川に向かって下りる数段の階段があります。

階段を下りて撮影してしまったので、ドラマのシーンとは、ちょっと違って見えてしまうかもしれませんが、3週目に白井葵と秋山静が、夜に語り合っていたシーンで使われています。

Googleマップのストリートビューの方が、ドラマの雰囲気を出してるでしょうか。

Googleマップ ストリートビュー からトリミングして引用

再び南今福橋を背にして、城北川沿いを北に向かって歩道を歩きます。

ほんの100mほど歩くと、二つの橋が見えてきますので、二つともくぐります。

二つ目の橋(今福中橋)をくぐって坂を上ります。

ここで、右に見える歩道へ、折り返すように曲がると、二つ目にくぐった今福中橋の袂に出ます。

そこから撮影した写真がこちら。

1週目、白井葵が壊れた自転車を自転車屋まで押し歩きし、その自転車を取りに歩いていた坂道に見えたのが、この橋ですね。内科クリニックの特徴的な看板が見えていました。ドラマでは看板の下が橋に隠れていたので、かなり下からのアングルだったのでしょう。

今福中橋~patisserie Tea shot

橋を渡り、クリニックの方へと0.5kmほど歩きます。

ローソンストア100 城東今福西店が見えるので、そのまままっすぐ行ってもいいんですが、ちょっとだけ寄り道。

三郷橋稲荷大神のある道路角に、「大坂冬の陣 古戦場 今福 蒲生の戦い跡」の碑があります。

夜ドラとは何の関係も無いですが、徳川軍の命を受けた秋田の佐竹義宣さたけよしのぶ軍がこの今福・蒲生あたりに、米沢の上杉景勝うえすぎかげかつ軍が、鴫野あたりに陣を構えて豊臣軍と激戦を行った場所です。豊臣軍の反撃で劣勢になった佐竹軍は上杉軍の応援で合流し、豊臣方の追撃を食い止めた、という大坂冬の陣最大の激戦と言われているそうです。

「愛」の兜で有名な直江兼続も上杉景勝らと共にこのあたりで戦っていたのかと思うと、やっぱり大阪は歴史のある地だな、と改めて思います。

三郷橋稲荷を右に見て、突き当りを右に曲がります。すぐの三叉路を左へと進み、最初の丁字路を左へ折れます。

ほどなく商店街のアーケードが見えますが、商店街は歩かずに、そのまま突き抜けます。今里筋という大きな道路に出ますので、ここで信号を渡ります。ここで渡っておかないと、patisserie Tea shotには、ちょっと遠回りになります。

信号を渡って、今里筋を北へと歩きます。100mほどで、大きな交差点が見えてきますが、その直前にある左向き一方通行の道を入ります。

左折してすぐに見えてくるのが…

古民家を改修して造られた洋菓子店「patisserie Tea shot」さんです。ドラマでは「Pâtisserie Belle Blanche(パティスリー ベル・ブランシュ)」として登場したお店です。

公式サイトはこちら。

ドラマとは色合いが違いますが、重厚なドアや、その横の横長の窓ガラスなど、そのままですね。

白いドアが洋菓子店の「patisserie Tea shot」、左にあるえんじ色のドアが、併設する古民家カフェ「salon de the Tea shot」の入り口になっています。この2店舗は店内でもつながっていますので、「patisserie Tea shot」でケーキを選んで、「salon de the Tea shot」でそのケーキを頂く、ということができるわけです。

というわけで、お店へ。

店頭でケーキを選んでから、隣接するカフェへと案内されました。

手前が「デリス・ショコラ」、奥が「ピスターシュ」。セットで頂いたティーは、アールグレイとダージリン。

詳細はこちらをご覧ください。

店内は他のお客さんも多くいらっしゃったので写真は撮っていないんですが、こちらを見て頂くと判るかと思います。

アンティーク家具で揃えられた店内は、そもそもが古民家ですので非常に落ち着いた雰囲気で、優雅な非日常を楽しめる空間でした。

もちろん、ケーキも大満足です。もっとも、味に関しては私のボキャブラリーが少ないので、美味しかったとしか言えないんですが。。

ドラマで登場する「Opéra」や「Mont Blanc fromage」はありませんが、どのケーキを選んでも間違いはないと思います。

ケーキセットを頂いた後、カフェ内で精算を済ませて、あえて洋菓子店の方へ。

お店の方に許可を頂いて、例の窓ガラスを内側から撮影させてもらいました。

この撮影をしていると、お店の方が「ドラマを見られて来て頂いたんですか?」と。そんな方も多いんでしょうね。そしたら、こちらも見て行ってください、と、指さされたのが、永作博美さんと木戸大聖さんのサイン色紙。

さすがに大人の事情でここには載せませんが、いいものを見せて頂きました。

お店の前には、NHKから贈られたのかお祝いの花が飾られていました。

というわけで、「バニラな毎日」を歩く旅はここでおしまい。

ここから大阪メトロ蒲生四丁目駅はすぐそばです。

JR放出駅からおよそ3km。ロケ地を巡る散策でした。

放送の方は残り3週間ですが、楽しみに見続けたいと思います。