失うことの恐ろしさ ~ Googleマップ タイムラインが意図せず全消去された日

先に結論を書きます。

今現在(2025年3月11日22時)、過去10年近くにわたって記録し続けていたタイムラインが、3月6日以前のもの全て、閲覧できない状態となっています。解決策は見つかっていません。

タイムラインの仕様変更

昨年(2024年)の秋くらいからだったかと思います。

「タイムラインを保持するか、2024年12月8日 までにご判断ください」というタイトルから始まり、「再度のご案内: タイムラインは 2024年12月8日以降に削除されます」というタイトルで、何度もメールが来ていました。

タイムラインの仕組みが変わって、デバイスで管理するようになるので、保存済みの訪問履歴と経路を保持する場合は2024年12月8日までに設定して欲しい、という内容です。

赤字で「ご対応いただけなかった場合、2024年12月8日を過ぎると訪問履歴と経路が削除され、タイムラインの設定も無効になります。」との記載もあったんですが、設定をした時点から、スマホでしかタイムラインを閲覧できなくなる、というのが嫌で、ギリギリまで先延ばしにしていたんですね。

とはいえ、さすがに残り1週間近くになった頃、不測の事態(直前になってスマホが使えなくなったり、事故にあって入院したり)に備えて、切り替えを決意。

手順そのものは簡単だったように思います。でも、作業は慎重に。

もちろん、自動で削除されない設定にしたことは十二分に確認しています。

その結果、「お使いのデバイスにタイムライン データが移行されました」メールが届いています。

これで、過去(2015年くらいからあったはず)のタイムラインも、スマホのみですが、無事に閲覧できるのを確認したと同時に、PCのブラウザ上では見れなくなっているのも確認しました。

便利だったタイムライン

それまで、訪問先などこまめに修正していて、日常(会社からの退社後の寄り道先)から、旅行での観光地、道の駅などへの立ち寄り先など、移動に関するライフログとなっていて非常に重宝していたんですが、特定のスマホに集約されるようになってからは、魅力は半減以下に。

PCのブラウザ上では、車や徒歩での移動ルートは非常に細かく補正が可能でしたので、歩いた道は筋が一本違っても補正したりしてました。(←変質者じみてますが、ウォーキングの記録のためです。。)

ですが、これらの補正はスマホでは全く参照されず、訪問した場所の間が荒い線で結ばれるだけ。もちろん、表示だけでなく、補正手段もありません。

さらにはスマホ自体が最新機種ではないから、という理由もあるんでしょうが、各種の変更操作で恐ろしくもっさりするんですね。

そんなわけで魅力はガタ落ちだったんですが、どこをいつ訪れたのかくらいは判るので、ないよりはよっぽどマシと、この3か月間、数日に一度くらいは訪問先の確定などをして、将来に備えてたんです。

衝撃の消失

で、9日の日曜日。

ちょっと出かけたので、忘れないうちにと訪問先の確定をしようとGoogleマップを立ち上げたら、3月6日以前の日付が全て斜線(閲覧不可)となっているじゃありませんか。

3月11日にキャプチャ
5年前も全滅

3月7日もお昼12時頃までがデータが無い状態。

何が起こったのかとネットで調べてみると、同じような目に合っている(数日前までのデータが全部消えている)人が相当数いそうな感じです。

でも、基本的にはデータは取り戻せていない模様。

「基本的には」としたのは、「消えるまでのバックアップが残っている人」はセーフの可能性ありだから。

私のスマホでは、気付いた時点では既に最新のバックアップが、データが消えた後に実施されていることを示しています。

バックアップを復元しても消えた後の状態にしか戻せません。

…呆然としながら、こんな妄想をしました。

自動削除までの期間は、設定できる最短が3ヶ月だったでしょうか。

Googleマップの仕様が変わって、初めて自動削除されるその3ヶ月目の日、全ユーザに対して、「現在の日付」から「自動削除までの日数」を引いた日付以前のデータを削除する処理が走ります。

で、「自動削除しない」とした人の「自動削除までの日数」パラメータに0が入っていたとしたら。。

考えただけでも恐ろしいソフトバグです。

(妄想はここまで)

まぁ、さすがそんな愚かなことはないでしょうけどね。

ソフト開発を生業としている私は背筋が凍る思いです。

これまでも、大事なデータを、自身の過失で失ったことは何度かあります。

そのたびにバックアップの大切さを再確認し、より堅固なバックアップ体制を築いてきました。

ところが今回は違います。

自動で削除されない設定にしていましたし、定期的にバックアップも取る設定になっていました。

それが、勝手に削除され、バックアップも裏目に出るという泣くに泣けない状況です。

ただ、失ったデータの大きさ(重要性)と、その不意さを考えたときに、14年前の今日、突然、大事なものを奪われた方々が遭遇した出来事に比べれば、なんてちっぽけなんだろうと、冷静になれた気がします。

そんなことを考えた3月11日でした。