「へし合ったこと」ありますか?

先日、ニュース番組でアフガニスタンの情勢が報道されていました。

人々が殺到する空港の映像が移されていて、それにニュースの音声が重なります。

「国外への退避を求めて、押し合いへし合いで大混乱」と。

「へし合い」って何だ?

「押し合いへし合い」。昔からよく聞く言葉ですし、何の疑問も抱かずに使ってもいます。

でも…。

「押し合い」は、すぐに理解できるんですが、「へし合い」って何なんだ?と疑問に思ってしまったんです。

「押し合い」の動詞は「押す」。「合う」は、動詞の連用形に付いて「互いに相手に対して同じ動作をする意を示す。」(ウィクショナリー日本語版)

人々が互いに押している状態ですね。

同様に、「へし合い」の動詞は「へす」。人々が互いにへしている。なんなんだ。。

普段は使わないですね。動詞の「へす」。

ただ、漢字を見るとなんとなく納得できます。「圧す」です。

押さえつける、というような意味ですね。

「押し合い圧し合い」で、互いに押し付け、押さえ付け、という感じでしょうか。言葉としては「文字通り」ということになります。

動詞「圧す」

「押さえ付ける」という連用語での言葉がありますから、「圧す」という単独の動詞は、使うことが少ないですね。

ただ、よく耳にする「圧す」もあります。

棒を両手でつかんで、親指に力を込めて、ぐいと折った状況を表す動詞「へし折る(圧し折る)」。

全然、気付かずに使ってましたね。