683系 特急「サンダーバード」

今年の秋で、鉄道模型の趣味を久方ぶりに再開して3年になります。

この間、いくつもの車両を購入して来ましたが、その多くが客車の夜行列車です。今後もその傾向は続くと思うのですが、今回のテーマは電車です。しかも、昼行特急。さらに言うなら、まだ、現役で走っている列車です。

購入した車両のうち、コキ104や106、107、タキ1000等の貨物を別として、現時点で乗客を乗せて定期的に走っている車両としては、今回の購入まで、たったの3編成。285系の14両を1編成として数えれば、わずかに2編成だけです。

夜行列車がことごとく廃止されたいま、そうなるのは必然ではあるんですが、昼行の特急が嫌いなわけでは無く、「昼行の電車にまで手を出したら、財政的に収拾がつかなくなる」という理由で抑えていただけです(笑)

子供の頃の憧れだったブルートレインの24系25形、14系15形、14系14形、それに最近購入した24系24形と一通り揃い、そろそろ他に手を出してもいいかな、と思い始めたのが、ここ最近のこと。

特に思い入れの強い381系を手始めに、異色の283系と続いて、今回の683系に至った、という状況です。

特急「サンダーバード」

実際のところ、北陸方面への旅行には車で走ってしまうことが多く、言うほど「サンダーバード」に乗車しているわけでは無いんですが、特急の列車名基準で言うと、「のぞみ」に次いで多いんじゃないでしょうか。「雷鳥」時代を含めてですが。。

ところが、リニューアル車両に限ってみると、0番台への乗車が無いんですよね。

なので今回は、実はあまり縁のない車両の購入になってしまったんですが、まぁ、いいでしょう。

その「サンダーバード」。前身の「雷鳥」時代を含めると、その歴史は、実に60年前に遡ります。

1964(昭和39)年10月の東海道新幹線開業のダイヤ改正の直後、12月から481系で大阪-富山間を1往復で走り始めたのが「雷鳥」の始まりです。

2年後の1966(昭和41)年3月改正で急行「加賀」の1往復が「雷鳥」に変更され2往復に。

その後もダイヤ改正ごとに「雷鳥」は増え続け、1975(昭和50)年3月の改正では12往復にまでなっています。この改正では、主な優等列車が米原駅経由から湖西線経由に変更となっていますが、その湖西線も今年2024年でちょうど50年を迎えたんですよね。

1978(昭和53)年10月改正では「雷鳥」が16往復となり、うち4往復が583系での運転に。

https://try-widely.com/limited-exp-suisei-2/ より再掲

その583系での定期運用も1985(昭和60)年3月改正まで。

JR発足直前の1986(昭和61)年12月からはキハ65形「ゆぅトピア」を使用した大阪-和倉温泉間直通の「ゆぅトピア和倉」を併結する運用も始まっています。

1989(平成元)年3月からは最高速度を130km/hに引き上げた「スーパー雷鳥」も走り始め、1991(平成3)年9月からは七尾線電化に伴い、「雷鳥」「スーパー雷鳥」として和倉温泉直通が開始となっています。

翌1992(平成4)年からは681系を用いた「雷鳥」が臨時列車で走り始め、1995(平成7)年4月には量産化された681系を用いた「スーパー雷鳥(サンダーバード)」という名の列車が走り始めます。この時点で「雷鳥」11往復、「スーパー雷鳥」4往復、「スーパー雷鳥(サンダーバード)」8往復という体制だったそうです。

1997(平成9)年3月の改正で、正式名称として「サンダーバード」が登場します。

683系による運用が始まるのが、2001(平成13)年3月の改正。このときに、金沢より東側(富山・和倉温泉)発着の列車が「サンダーバード」計15往復、金沢発着の列車が「雷鳥」10往復となり、新潟発着の「雷鳥」が消滅しています。同時に青森発着の「白鳥」も廃止となっています。

2009(平成21)年10月改正で683系4000番台が運用を開始。これにより「雷鳥」3往復が「サンダーバード」となり、翌年3月にはさらに4往復が置き換わり、「雷鳥」は1往復となります。

2011(平成23)年3月にはついに「雷鳥」が廃止となり、「サンダーバード」へと統一となりました。

2015(平成27)年3月の北陸新幹線金沢開業で富山・魚津発着の「サンダーバード」はなくなり、大阪-金沢・和倉温泉間と運転区間を縮めています。

同年秋から始まったのが、683系・681系へのリニューアル工事。

手前(左)がリニューアル前・奥(右)がリニューアル後 2024年3月16日 大阪駅にて

外観上の違いは大きいですが、内装もリニューアルされています。

「サンダーバード」車両の全車リニューアル工事完了は2018(平成30)年度末に完了した、となっていますが、写真の通り、つい最近まで「サンダーバード」として旧塗装の車両を見ることが出来ました。が、この681系V12編成も、今年の7月に、廃車のために吹田へと送り込まれたようですね。

そして、今年2024(令和6)年3月。北陸新幹線敦賀開業で、「サンダーバード」全列車が大阪-敦賀間の運転に変更。北陸本線は、わずかに近江塩津-敦賀の14.3kmを走るだけの列車になっています。「ライチョウ」の棲む北アルプスの遥か手前までの運転区間となりました。

フリーゲージトレイン(FGT)が実現していれば、大阪-敦賀-金沢-富山間を「サンダーバード」が走ったのか「つるぎ」が走ったのか名前までは判りませんが、FGT開発断念で683系「サンダーバード」は短距離ながら生き残っています。

KATO 10-1959 683系 0番台 「サンダーバード」 (リニューアル車) 6両基本セット

先述の通り、683系0番台のリニューアル車には乗車していないのに買ってしまったのは、683系がやっぱり身近な存在だったから、ですかね。大阪駅に行けば結構な確率で目にしますし、愛着があります。

で、手元に届いたKATOの10-1959 683系 0番台 「サンダーバード」 (リニューアル車) 6両基本セットと、10-1960 683系 0番台 「サンダーバード」 (リニューアル車) 3両増結セット。

6両基本セットの方は、ブックケースで、3両増結セットの方は、

このように4両用の発泡スチロールのケースに収められています。

では、さっそく、取り出してみます。

右が1号車 クロ683-5、左が6号車クモハ683-1505です。

1号車のグリーン車マークは印刷済みです。

左の2号車サハ682-12から、3号車モハ683-1006にかけての車両をまたぐサンダーバードのシンボルも、よく表されています。

付属品は、この通り。

左から電連、連結器カバー。下に行って列車無線アンテナ(太い方)と電話アンテナ(細い方)、その右がベンチレーターです。これと、行先表示シールがセットになっています。

行先表示シールは、愛称表示が「サンダーバード」「ダイナスター」「能登かがり火」「らくラクびわこ」。行先表示が「大阪」「米原」「敦賀」「金沢」「福井」「七尾」「和倉温泉」となっています。

ランナーからカットして取り付けるだけなので、さほど難しくは無いんですが、どうもベンチレーターが真っすぐになってくれません。微妙にずれてるんですね。なんとか調整しようとしたんですが、諦めました。。

KATO 10-1960 683系 0番台 「サンダーバード」 (リニューアル車) 3両増結セット

手前右側が増結セットの7号車、クハ682-505です。左は同9号車、クハ683-705です。

さきほどクロ683-6を置いていたレールで左側を進行方向として通電していますが、このクハ682-505は、ヘッドライト・テールライトの点灯はありません。

この3両増結セットを「能登かがり火」として運転させる場合は2号車のモハ683に別売の 683系「サンダーバード」用動力装置(リニューアル車対応) を使用する、と書かれていたので、ライトはどうするの?と思っていたんですが、この動力装置にライトユニットも同梱されているんですね。

増結セットの付属品はこの通りです。

左から、電連、連結器カバー、前面ドア(2組)、列車無線アンテナと電話アンテナ、前面ホロ(2組)。これと行先表示シールです。シールは基本セットと同じものとなります。

クハ682には列車無線アンテナと電話アンテナの両方が付きます。

連結器カバーと電連の取り付け前

連結器カバーと電連の取り付け後

ひとまず、基本セット・増結セットの9両編成で走らせたいので、末端となる9号車のクハ683に連結器カバーと電連を取り付けました。

6号車、7号車の連結部分はともにKATOカプラー密連形#2 新性能電車用が取り付けられていて、ここに連結器カバーを取り付けると連結できないわけですから連結器カバーは取り付けないんですが、電連ってどうなんでしたっけ?連結前提で付ける?付けない?

とりあえずは付けない、という選択をしてしまったんですが…。

先頭・最後尾を飾るにはいいですね。

続いては、前面ドア。

前面ドアを取り付けるのは、285系に次いで2回目。

ランナーから切り取って前面ドアにはめ込むだけです。

これを、両面テープで貼り付けます。

連結を急ぐあまり、貼った状態での写真を撮り忘れてました。。

…ん?

連結できない。。

前面ドアのホロどうしがぶつかって、カプラーの長さが足りないんです。

いやいや、そんなことはあるまい、と2つの車両を持ち上げて先に連結してからレールに戻したのがこの写真。

これ、どう考えてもカーブで脱輪するパターンです。

ホロが密接しているのはリアルでいいんですが。

絶対におかしい、と考えること数分。

カプラー受けが後ろに下がったままだったんですね。これを前にずらすと、カプラーの位置が前に出ます。てっきり、これってカプラーを固定するか左右に振れる状態にするかを決めるものだと思ってたんですが、前後にこれだけ移動するんですね。

説明書にも、「●先頭車どうしを連結する場合は、以下の手順で行ってください。」として、カプラー受けを前にずらすよう記載されていますし、「※カプラー受けを出さずに連結すると、脱線や脱輪の原因になります。」と書かれています。

というわけで、無事に連結完了。

真横から見ると前面ホロどうしに隙間がありますが、ちょっと斜めから見ると、

違和感なしです。

で、ここで再び電連の話。

連結すると支障があるんじゃないかと勝手に思って電連は控えていたんですが、改めて説明書を見てみると、

683系「サンダーバード」(リニューアル車) 説明書 より引用

電連を付けた状態で前面ドア・前面ホロを取り付けるイラストになってますね。

今度、試してみます。。

最後に、収納の話。

基本編成のセットには、上下と右に3両分のスペースが設けられています。元の状態では写真だとわかりにくいので、あえて影をつけるようにウレタンをずらせています。

このように、1号車から8号車と9号車をセットで収納することができます。

6号車と7号車は前面ドア・前面ホロ付きですが、窮屈さは感じずに収まっています。285系はギチギチでしたからね。

というわけで、走らせてみます。

下り「サンダーバード」

まずは動画から。

光の当て方次第で、シートのブルーが映えます。

ブルートレインや旧客の夜行列車と違って、走らせる速度を上げても全く違和感が無く、さすがは電車特急ですよね。疾走感がよく出ていると思います。

走りはいいんですが、ちょっとだけ、モーター音が大きいかな、と感じました。そんなもんですかね。

写真を何枚か。

駅がJR西日本では無く、完全に国鉄時代なのでアンバランスですがそこは仕方がないですね。。

4000番台の方が多い今、683系を代表する顔かどうかは意見が分かれそうですが、特徴的な顔立ちです。

連結部分も自然な感じです。

続いては、カーブで。

この顔に違和感が無いのも4000番台の方が多い、という現実ですかね。683系全体をみると貫通型先頭車の方が多いわけですし。

普段、列車を走らせて撮影するときは、同時代に同区間を走った車両を同時に走らせることが多いんですが、このリニューアル車が登場したのは2015年の秋以降のこと。既に「日本海」も「きたぐに」も廃止になったあとなので、選択肢が無いんですね。EF510あたりを持っているとコンテナ車を走らせるのも面白かったかもしれませんが、持っているのはEF210。JR京都線を想定するならOKですが、それなら283系もアリ?と色々考えた末に、単独でいいか、と。

孤高な感じにしてみました。

上り「サンダーバード」

何が違うんだ、と言われそうですが、大阪に向かう上り「サンダーバード」はクロ683が最後尾になります。が、それだけではない面白さがあるんです。

6号車、クモハ683のヘッドライト/テールライト消灯スイッチを点灯側にしています。

動画のキャプチャでは映りが悪いので写真で。

7号車側のヘッドライトが点くことはありませんが、ちょっとだけ、注意喚起のヘッドライト点灯の雰囲気を味わえるかな、と。

下り「サンダーバード」だと、テールライトが点灯してしまうのでそれは避けたいですが、こういう楽しみもアリかな、と思います。

というわけで、今回は683系「サンダーバード」を楽しんでみました。

宿題もいくつか残りましたので、また、そのうちに。。