QNAPのOS QTS 5.0.0.1828 Build 20211020 リリース

QNAPのQfinderを開くと、QTS 4.5.4.1800 のNASへ、バージョンアップの通知が付いていました。

ログインすると、意外なバージョンへのアップデート案内でした。

QTS 5.0.0 へのファームウェア更新

それが、これ。

5.0.0.1828 Build 20211020 へのファームウェア更新の案内です。

少し意外でした。

というのも、TS-228Aは既に生産終了となっているモデルですし、システムメモリが1GBから拡張も不可ですし、QTS 5.0 は、非対応になるのではないか、と「勝手に」思ってました(特に根拠があったわけでは無いです)。

それだけに驚きだったんです。

QTS 5.0 とは

では、QTS 5.0 とは何かというと、QNAPのサイトの見出しが、これ。

https://www.qnap.com/qts/5.0/ja-jp/

一番の「売り」が「強化されたデータセキュリティでデジタル資産を保護」なのでしょう。

QTS 5.0は更新されたシステムカーネルおよび最適化されたユーザーインタフェースを備え、デジタル資産を守る強化されたセキュリティ手段、アプリケーションを最適化する向上したシステムパフォーマンスを実現、AIマシンラーニング搭載により画像認識およびドライブ故障予測機能が強化されています。QTS 5.0は、急速な技術革新に対応するための最先端の機能を備えており、データのセキュリティ、パワー、インテリジェンスを提供します。

https://www.qnap.com/qts/5.0/ja-jp/

Linux Kernel は、5.10。現状の QTS 4.5 のカーネルは 4.X ですね。https://www.qnap.com/ja-jp/release-notes/kernel を見ると、 x86 系は 4.14.24 、ARM 系は 4.2.8 なのかと思います。

ブラウザでの管理画面もかなり変わっているようですし、印象は大きく変わるようですね。

セキュリティの強化が大きな変更点なんでしょうが、ユーザー目線からすると、大事ではあるものの「見えにくい」ものではあります。

とはいえ、セキュリティの強化は、大きなメリットですし、なにより、TS-228Aにも適用可能ということなので、導入してみるのも良いかと思います。

前バージョンとの違いは?

QTS 5.0 系の前バージョンは、QTS 5.0.0.1808 build 20211001 となります。

そこからの差異をリリースノートで確認してみたいと思います。

機能強化としては、

Storage&Snapshots

・Storage & Snapshots now displays NAS model pictures in a new style.

・Users can now enable guaranteed snapshot space during storage pool creation and set a snapshot schedule during volume creation.

Storage&Snapshots で、新しいスタイルでNASモデルを表示するようになった、ということ。デザインが変わった、ということですかね。

スナップショットスケジュールをボリューム作成中におこなえるようになった、ということでしょうか。

現状、自宅のNASではスナップショットを有効にしているものが無く、実際のところ運用上の問題点などを実感できていないのですが、ここ最近、仮想マシンの構築などを通してスナップショットの有効性を感じているので、次のNAS導入時には、検討してみたいと思っています。

ただ、当然のことながらその分のスペースが必要なわけですから、大容量のHDD導入が前提となりそうですし、いろいろと事前の検討は必要だと思っています。

次に、バグフィックス。

・When a non-administrator user took a snapshot, System Event Log would still display “admin" as the user who performed this action.

管理者以外のユーザーがスナップショットを作成しても、システムイベントログには「admin」による実行と表示される、と。

他には、

・Users could not upgrade SSD cache when updating QTS from 4.5.4 to 5.0.0.

4.5.4から5.0.0へ更新した際、SSDキャッシュがアップグレードできなかった、とか、

・Administrators could not edit domain user settings.

管理者がドメインユーザー設定を編集できなかった、とか。

5.0へのシステム更新で、いろいろと問題は発生しているようですね。

他に気になる点としては、

Known Issues(既知の問題)として、例えば、

・Some applications cannot access the NAS when secure connection and TLS 1.3 are enabled. This is due to a known issue in the applications. We will fix this issue in upcoming app releases.

セキュアな接続と TLS 1.3 が有効になっている状況では、一部のアプリケーションがNASにアクセスできないようです。これは、アプリケーションの既知の問題で、今後のアプリケーションのリリースで問題が修正される見込み、と。

WindowsやAndroidのアップデートでも、アプリがOSの変更に追い付かないことはありますよね。

そういうような、OSの不具合とは言えない動作上の問題が、しばらくは残るかもしれません。

その他、QTS 5.0 に絡む既知の問題は、結構な数が列挙されています。

それらを踏まえて、4.5系から5.0系へ、アップグレードすべきかどうか、判断して頂ければ良いかと思います。