QNAPのOS QTS 5.0.0.1932 Build 20220129 リリース

2022年1月29日に、QNAPのOS QTS5.0.0.1932 Build 20220129 がリリースされました。

QTS 5.0.0 の正式リリース 1808 Build 20211001がリリースされて以来、長くても3週間くらいのペースでリリースが続いていましたが、安定してきたのか、前回リリースから1ヶ月の期間が空きました。

期間が空いたのは、年末年始を挟んだから、というだけかもしれませんが…。

変更内容は?

前回のリリースは、QTS 5.0.0.1900 Build 20211221。

ただ、このバージョンは、機種限定のため、実質的には QTS5.0.0.1870 Build 20211201 になりますでしょうか。

では、今回の改修内容を確認してみたいと思います。

まずは、セキュリティアップデートですね。

Security Updates

– Fixed SMB CVE-2021-44142 and some security issues.

CVE-2021-44142 というのは、Sambaのヒープ領域内において境界外読み取り/書き込みが可能となる脆弱性( https://blog.trendmicro.co.jp/archives/30131 )とのことで、この脆弱性が悪用されると、攻撃者は、Samba がインストールされたシステム上で任意のコードをリモートで実行することが可能となるとのこと。結構な脆弱性ですね。まぁ、今回、その問題が解消された、と。

バグフィックスの方は、13個ほどの修正内容が列挙されています。

最も気になったのが、これでしょうか。

– Storage & Snapshots would not rebuild a RAID 1 group after users replaced a failed disk if the other disk was in the “warning" state.

RAID1で、HDDに障害が出て交換した際に、「もう一方のディスクが」警告状態にあれば、再構築をしなかった、とのこと。

RAID1のメリットが失われているわけですが、状態が「警告」ですからね。通常に再構築できなくても仕方ないような気がしますが、これが不具合として修正されているようです。

こういうのもあります。

– Users could not create storage pools or volumes with the M.2 SSDs installed on the QM2 expansion card.

QM2拡張カードに装着されたM.2 SSDを使用して、ストレージプールまたはボリュームを作成できませんでした、と。

もともと、SSDはキャッシングに使用してNASの高速化を図るものかと思っていたんですが、ストレージとしても使用できるんですね。それが出来なかった、という不具合ではありますが。

もっとも、自宅で使用しているTS-230等々には拡張カードなど無縁の話ですけどね。

ちなみに、QM2拡張カードに取り付けるSSDは、自動階層化ボリュームとしても使用できる、とのこと。

NAS全体を効率的に高速化できるので、技術的には素晴らしいと思うのですが、ホームユースのNASで、このあたりの恩恵が受けられるようになるのは、当分先のことでしょうね。

他にもいろいろな不具合が修正されています。

特に「その修正を待っていた」というものはないんですが、アップデートしておきたいと思います。

自動アップデートの現状

自宅で稼働させているNASは、1台がTS-230、2台がTS-228Aの、計3台です。

TS-228Aの1台は、リリース案内があれば手動で早めに更新し、後の2台は「自動更新の運用」を行っています。

2台はいずれも「推奨バージョン」での自動更新を、毎日所定の時刻にチェックするようにしています。

というわけで、これまで何度か実際に自動更新によりアップデートされていますので、今後も見守っていきたいと思っています。