三条大橋から石山詣・旧東海道を歩く(その5)

京都・三条大橋から東海道を歩いて近江国石山寺への石山詣。

大津、膳所と過ぎ、御殿浜の琵琶湖畔に近付いたところからとなります。

御殿浜までの様子はこちら。

御殿浜~石山

湖岸のそばまでやってきました。

北を向いた写真です。膳所と草津とを結ぶ近江大橋が見えます。

橋の左側で緑色にこんもりしているところが膳所城跡公園ですね。

その反対側、南側の瀬田川方向がこの写真。

大津港のあたりから、一部区間を除いて湖岸には遊歩道が整備されていて、南側も、琵琶湖が瀬田川へと出るあたりまで、遊歩道を歩けるようです。

予定では、琵琶湖を眺めた後、東海道に戻るつもりにしていたんですが、三条大橋から東海道を完歩することを目的にしていたわけでもなく、実際、何か所も中抜け状態になっていますし、きれいな遊歩道があるので、こちらを通って石山寺を目指したいと思います。

打出浜から御殿浜までは東海道を歩いて来ましたが、そもそも三条から石山寺を目指そうと思ったきっかけとなった平安時代の石山詣は、打出浜から船に揺られて石山寺へと向かったわけですし、琵琶湖・瀬田川を眺めながら歩く方が、当時の雰囲気を味わえるかも、ですしね。

湖岸を700mほど歩くと、徐々に琵琶湖の対岸が近付いて来ます。

手前に見えるアーチ橋は道路ではなく瀬田川共同橋という水道管、ガス管、NTTのケーブル用の橋。その陰になってしまっていますが、JR東海道線(琵琶湖線)が走っています。どちらの橋も、すでに瀬田川ですね。

写真の右側にある大きな箱状のものがこれ。

かつて、東海道沿いに松並木があって、晴れた風の強い日に、嵐のように松葉がざわめく姿を現した言葉がこの「粟津の晴嵐」なんだそうです。

右の案内には「現在は、当時の面影はほとんど残されていない」とあるので、こちら(湖岸の遊歩道)を歩いて良かったかもしないですね。

もう少し先へと進みます。

一旦遊歩道が無くなり、道路(大津湖岸線)の歩道を歩きます。そこで見かけたのがこちら。

奥にちらっと水面が見えていますが、ここから左(北)側が琵琶湖、右(南)側が瀬田川という境界となります。

JR東海道線をくぐります。ここから右手(西)方向に300mは石山駅があります。いよいよ石山エリアです。

石山~瀬田の唐橋~石山寺

滋賀中央信用金庫大津支店のある松原町交差点を左折し、再び水面のそばへ。

既に琵琶湖ではなく、瀬田川です。

湖岸に比べると、狭くなりますが、遊歩道が続きます。

先に見える橋は、国道1号線のものです。

国道1号線と言えば、逢坂山のあたりを歩いた後に旧逢坂山隧道の手前で別れて以来ですね。そこから国道1号線ではおよそ6km。車なら10分ほどの距離ですが、徒歩では東海道を遠回りしているので、ほぼ2時間かかりました。

川の中に、中州が見えてきます。建物も建っているので川中島と言った方が良いでしょうか。大阪人のセンスからすると中之島ですが。

この先に、見えるのが、この橋。

「瀬田の唐橋」です。

瀬田川の西側を歩いているので、中之島との短い部分しか見えませんが、川幅の広い東側は長さもあり、立派なもののようです。歴史的にも有名な橋ですが、現在は2車線道路ですし、特に橋上に上がるでもなく、くぐり抜けて先へと進みました。

ここから瀬田川の下流に向けて4km区間が「瀬田川ぐるりさんぽ道」と名付けられた遊歩道になります。4km先というのは南郷洗堰で知られる南郷公園のエリアですね。

石山寺はそれよりもかなり手前、ここから1.6kmほどのところです。

京都の三条大橋からの距離は90%を過ぎてますね。あと一息です。

東海道新幹線と名神高速道路をくぐって300mほど歩くと京阪石山坂本線の終点、石山寺駅の前に出ます。

びわこ浜大津駅から来ると終点感が強いのですが、路線名の通り、この石山寺駅が起点だそうです。

石山寺駅から石山寺までは、およそ1km。ゴールは目前です。

ここから石山寺までの区間では、駅から歩く人、参拝を終えて駅に向かう人も多く、歩く方々の姿が多く見えますが、さすがに三条大橋から歩いてきた人は少ないでしょうね。

というわけで、ついに石山寺です。

三条大橋からおよそ19km。休憩を挟みながら5時間半。休んだ時間を差し引くと、だいたい時速4kmくらいのペースになったでしょうか。

境内に入り、緩やかな坂道を上っていくと、本堂への最後の試練が…。

この階段で、一気に脚に来ました。長旅を終えた後なので一足一足が重いです。。

が、本堂を石の上に仰ぎ見るこの景観を見ると、疲れも消えますね。

本堂は、写真の左手側にあります。

本堂全景の写真は無いんですが、如意輪観世音菩薩に手を合わせ、この旅の無事を報告しました。

石山詣のあとに

下から、硅灰けいかい石で形作られた石の山の上に見えた多宝塔。

源頼朝が寄進して造られたといわれる日本最古の多宝塔だそうです。

ここには後白河上皇の行幸の際に建てられたといわれる月見亭があります。琵琶湖と瀬田川を眺められる場所、ということですので現在見える風景を撮影。

手前が瀬田川、いくつかの橋を挟んで琵琶湖が見えます。

北側を眺めることになるので、奥に見える山は、比良山系の山々ですね。

橋は、手前から名神高速道路、東海道新幹線(架線柱と架線だけ)、瀬田の唐橋、国道1号線、JR東海道本線、瀬田川共同橋(アーチ橋)、それに、近接して見えますが結構離れた近江大橋です。

こうして見ると、結構な高さまで歩いてきたんだな、と思います。

さらに奥へ上へと登り、豊浄殿を通って光堂へ。

ちょうどいい光が差し込んでました。

歴史を感じる建物ではあるんですが、平成20(2008)年の建造です。とはいえ、鎌倉時代に存在したといわれる「光堂」を復興したものだそうですから、歴史を想うには良いかもしれないですね。

ここから少し歩くと、紫式部像があります。

石山詣で『源氏物語』の着想を得たといわれる紫式部の銅像です。まさに、今回の徒歩旅のゴールに相応しい場所かも知れません。

境内をぐるりと一周した後、石山寺境内の明王院で開催されている「光る君へ びわこ大津 大河ドラマ館」を楽しんできました。

大河ドラマ館の中でも、撮影OKのスポットがいくつかあります

石山寺からは、1kmほどの道を歩いて京阪石山坂本線の石山寺駅へ。そこから2両編成の電車に乗ります。

最後の1kmを加えると、完全に20km以上を歩いたことになります。その頑張りへのご褒美に美味しいものを食べて帰ろう、と、坂本比叡山口駅行の電車をびわこ浜大津駅で下車します。

石山寺駅で改札を入った後、発車を待つ間にネットで調べたお店なんですが、Pitapaで乗車しているので、その辺は自由ですね。

やって来たのはびわこ浜大津駅から歩いてすぐの「近江牛ステーキとがぶ飲みワイン ニクバルモダンミール 大津店」。旧大津公会堂の1階にあるお店です。

写真は、オーダーした中の一品、「近江牛三種盛り合せ」。近江牛生ソーセージステーキ、近江牛赤身ステーキ、近江牛花咲ステーキが豪快に盛り合されています。

サングリアを飲みながら、他にも牛タンのカルパッチョや、近江牛入りすぎコロッケなどを頂きました。美味しかったです。一日の疲れも吹き飛びますね。

驚いたのが、この一連の記事を書くために、撮っていた写真・映像を見返していた時のこと。

追分から大谷、逢坂の関へと向かう途中で、こんな広告を見かけてたんですね。その時の映像には特にこれについての会話は無かったんですが、頭の中には何か残ってたのかも。。

最後の写真は、やっぱりこれですかね。

石山寺の物産館で購入した「走井餅」。帰宅後に美味しく頂きました。基本の白と、抹茶がそれぞれ5個ずつ入っています。

京に着く直前、走井茶屋で旅人のエネルギー源としてもてなされた走井餅。徒歩旅のお土産としてはぴったりですね。

というわけで、京都の三条大橋から(主に)旧東海道を歩いて石山寺へと訪れた徒歩旅のご紹介でした。

20kmほどを歩いて、(最後の最後に石の階段にやられましたが)平地であればまだ歩ける気力・体力はありましたので、15~20kmくらいの徒歩旅、今後もまたやってみたいですね。

ちなみに、今回の徒歩旅のきっかけとなった住友生命の「Vitality Run&Walk Challenge」。運動ポイントとして、15km完歩での600ポイントが加算されていましたが、この詳細はまた別に書いてみたいと思います。