自作パワーパックの検証とリニューアル

2ヶ月ほど前に、PWM制御のパワーパックを自作したことを書きました。

手持ちの動力車のすべてではないですが、いろいろな車両を走らせてみて、やっぱりPWM制御がいいなぁと思うことが多々出てきました。

メリット① 低速での安定性

そもそも、パワーパックを自作してみようと思ったのは、KATOのEF81が低速で走り出すことが出来なかったから。

これを、自作のPWM制御パワーパックで操作すると、発車時は気持ちよく低速で始動し、停止時も急ブレーキにならずに停止してくれるようになりました。

この現象については、キハ58でも同様でしたので、取り上げています。

手持ちの車両は、いまのところ客車の割合が多いので、ゆっくりとした発車・停車が理想ですから、今ではほぼPWM制御の自作パワーパックで運転しています。

メリット② 照明のちらつき解消

室内の照明については改めて記事にしたいと思っているのですが、今のところ、お試しで12系客車6両と、スロ54(つまりは急行「きたぐに」の座席車)に、自作のLED照明を加工して搭載しています。

この12系車両は急行「ちくま」っぽい列車を走らせたときに撮った動画に映っています。

この列車が走行している線路に電力を供給しているのがPWM制御の自作パワーパックです。

非PWMコントローラーの場合

LEDは、動作電圧 12V用 のLEDテープを使用していますので、TOMIXの純正パワーパック 5001を使用するとちらつくのは覚悟の上でした。

が、LED搭載の客車のみを線路に乗せると、つまみが最小に近くても安定して光るんですね。

TOMIX 5001で客車のみを線路上に配置

一瞬暗くなるのは、つまみをOFFにしたときです。

とはいえ、鉄道模型は走らせてこそ値打ちがありますから、動力車(DD51)を同一線路上に配置しました。

車両が動くと見にくくなるため、客車とは切り離した状態で、単独で走らせます。

TOMIX 5001で客車と動力車を同一線路に配置

すると、この状態です。線香花火並みですよね。時々消えて見える、というレベルでは無く、時々点いて見える、です。

PWMコントローラーの場合

同じように、自作PWMパワーパックでも試してみます。

自作PWMパワーパックで客車のみを線路上に配置

何度か、OFF/ONを繰り返しています。それほど「徐々に暗くなる」感じは無いですね。

では、同一線路に動力車を置いて、走らせてみます。

自作PWMパワーパックで客車と動力車を同一線路に配置

光量も安定しています。OFF直前はさすがに暗くなりますが、光量がPWMで制御される、という感じではないですね。

というわけで、動作電圧12VのLEDテープを使用するなら、PWM制御は必須、といえるのではないでしょうか。

メリット③ コンパクト

手元にあるTOMIXの5001と比べるのはフェアではないですね。

自作のパワーパックは、一見コンパクトですが、ACアダプターは別です。一方の5001は、AC100Vを入力していますから、比較するなら、それらを合わせたサイズで見るべきです。

ただ…。

前回作成のパワーパックが思いのほか良い結果を出したのと、普段から複線での走行を行っているので「もう1台作らないと」と思っていたところなんですが、「同じのをもう一つ作るよりも、複線用にまとめちゃえば?」と思って作ったのが、これ。

2系統制御用のパワーパックを作る

2系統制御用のPWM制御パワーパックです。

実際には、写真左側を上向き(向こう側)に、写真右側を下向き(手前側)にして操作します。

後ろ側はこんな感じです。

前作では、12V入力とPWM出力が同じソケットなのでどちらか判らない、という問題がありましたが、2系統にすることで、入力側(1口のみ)が右側、出力側(2系統)が縦に並んだ左側、というのが一目瞭然になります。

全体では、こんな感じになります。

ACアダプターを共通の入力として、出力側にはTOMIXのD.C.フィーダーを2系統分、用意しています。

ちなみに、ACアダプターはOUT/DC12V(2.5A)のものを使用。前回と同じく、外付けHDDで使用していたものです。合計で2.5Aを使用できますので、2系統の運転でも支障ありません。

2系統制御の回路

内部の結線は、基本的には1系統と全く同じ。

12V入力用のソケットから、+側端子、-側端子、それぞれに2本のケーブルを接続し、1本を1つ目のPWMコントローラーに、もう1本を2つ目のPWMコントローラーにつないでいるだけです。

1系統の結線(概略)写真を再掲

右端の入力用ソケットの+端子、-端子に2本ずつつながる、というわけです。

これらをコンパクトなケースに収めます。

肝心の入力用ソケット部分が見えにくいですが、上に記載の通りです。

単純に、前回作った1系統用のコントローラーを、2系統分に増やしてケースに収めた、というだけですね。

なにより、複線の線路を敷いてもパワーパックを2台用意しなくても済むのが、非常に楽です。

コンセントも1口で済みますし。

後ろで紫色に光っているのが自作PWM制御パワーパック

これを作るまでは、複線のうちのいずれかは非PWMのパワーパックでしたから、EF81やキハ58を運転できない(運転するときはパワーパックを付け替える)という状況だったので、随分と自由になりました。

メリット④ 破格のローコスト

今回の2系統PWM制御パワーパックですが、製作費は、前回のほぼ2倍弱です。ダイソーで購入したケースと、入力側ソケットが一つで済むくらいで、あとはそれぞれの系統に同じだけ必要となります。

それでも、合わせて1,500円くらいなのではないでしょうか。

ACアダプターを別途購入したとして、2,000円~2,500円ほど、というところです。

デメリット① 壊れても保証がない

これが重要なのですが、万一故障しても車両のメーカーから「一切の保証を受けられない」と思っておいた方が良いでしょう。

動力車に、メーカーが想定していない方法で電圧を加えるわけですから、車両が壊れても自己責任です。

「壊れる想定で自作パワーパックを使っているのか」と聞かれると、「大丈夫なんじゃない?」と答えてしまいそうですが、パワーパックを作ってみたい、と思われる方は、何が起きても全て自己責任、ということを承知の上で製作して頂きたいと思います。