QNAPのOS QTS 5.1.0.2444 Build 20230629 リリース

Qfinder Pro を立ち上げると、稼働中のNASに、バージョン更新の通知が出ていました。

常時稼働しているのは上側の3台で、TS-220は、データ保管用に一時的に電源を投入しています。

QTS 4.3.3系は既に機能改善などのサポートは終了しているはずですのでセキュリティ更新なのだろうと思います。

QTS 5.0.1系の3台のバージョンがバラバラなのは、自動更新の状況を確かめたかったからなんですが、なぜかバラバラ。最も大事なデータを格納している TS-230 は、セキュリティを高めたいために手動でアップデートしましたから、最新(6月15日リリースの 5.0.1.2425)になっていたはずなんですが、アップデートの通知が付いてますね。

5.0.1の最新?

どんな更新なのかと公式サイトを訪れてみました。

が、このページを見る限り、5.0.1.2425 build 20230609が最新のように見えます。

https://www.qnap.com/ja-jp/release-notes/qts/overview/5.0.1 より引用

5.0.1.2425 build 20230609 というと、1ヶ月ほど前に記事として書いたバージョンになります。

あれ?と思って 5.0.1.2425 の TS-230 の管理画面にアクセス。

[コントロールパネル] > [システム] > [ファームウェア更新] 画面から「更新の確認」を実施すると…。

あれ。5.1.0系が更新の候補になってるんですね。

というわけで、リリースノートを確認してみました。

QTS 5.1.0とは

5.0.2 への進化ではなく、5.1.0です。

5.0.x から 5.1.x への変更内容は、公式サイトを見て頂いた方が良いかと思います。

ざっくり言えば、File Station の機能向上と、システム全体のセキュリティ強化、といったところでしょうか。

Sambaのマルチチャネルのサポート、SMB 署名の AES-128-GMAC アルゴリズムのサポート、NASへのユーザーごとのロール変更の改善、ログイン時のセキュリティ強化、File Stationの機能強化(最近のリード・ライト・削除を見やすくしたり、ファイルコンテンツ検索を容易にしたり)、その他いろいろ。

これまでのリリース履歴を見ると、

3月29日リリース:QTS 5.1.0.2348 build 20230325 パブリックベータ版
5月23日リリース:QTS 5.1.0.2399 build 20230515 リリース候補
6月7日リリース:QTS 5.1.0.2418 build 20230603 リリース候補 2

と来ての、今回の QTS 5.1.0.2444 build 20230629 リリースだそうです。正式リリースの初回ということですね。

なので、前回からのバグフィクス情報などはありません。

とはいえ、新機能(変更機能)が盛りだくさんなので、今回も、ARMモデルのNASを使用する私が個人的に気になる内容だけをピックアップして紹介したいと思います。

先に挙げた主要項目ももちろん気にはなりますが、実際のところ、どれほど便利になるのかはまだわかりません。

Qsirchを統合したというファイルコンテンツ検索は気になるところですね。そもそもQsirchを使ってないのですが、Qsurchは、「2GBのRAMを搭載したNASで使用可能」とのことですから、1GBのTS-228はアウト。2GBのTS-230は辛うじてセーフなのですが、新 File Stationの要件が気になります。(アップデートの通知が来てるので、何とかなるんですかね)

  • The automatic firmware update settings have been streamlined with the following changes: (1) The selectable options for automatic firmware updates have been greatly simplified. Users now select one of three firmware types to automatically update their system with: quality updates, critical updates, or latest updates. (2) “Security updates" are now “critical updates". Critical updates include security fixes as well as critical system issue fixes. (3) “Quality updates" now include security fixes and critical issue fixes in addition to bug fixes. (4) “Feature updates" are now “latest updates" and include quality and critical updates in addition to new features, enhancements, and bug fixes. (5) Update notifications no longer need to be enabled separately for each firmware type. Notifications are now either enabled or disabled for all firmware types.

自動ファームウェア更新が、大きく変わりそうですね。

ファームウェア更新タイプは、これまでの「セキュリティ更新」「品質更新」「機能更新」から、「重要な更新」「品質更新」「最新アップデート」と役割を変えるようです(日本語訳は、まだ見ていないので定かではないです)。

「重要な更新」は、重要なシステム問題の修正とセキュリティ修正。

「品質更新」は、「重要な更新」に加えて、バグ修正。

「最新アップデート」は、「品質更新」に加えて、新機能・拡張機能が盛り込まれます。役割分担が明確になりましたね。

ここで書いた疑問も解消できそうです。

2023/7/16 追記

さっそく更新してみました。

ファームウェア更新オプションは、大きく変更されています。

3種類のチェックボックス(優先順位を悩ませた「セキュリティ更新」「品質更新」「機能更新」)は無くなり、下記のオプションに集約されています。

  • Improved File Station performance and enhanced file browsing experience.

File Station のパフォーマンスが向上し、ファイルの閲覧エクスペリエンスが強化される、と。実際に体感できるくらいに向上するなら、ありがたいことです。ARMモデルで、どれくらい向上するのか、気にはなりますが。試してみるしかないですかね。

  • Added support for Western Digital Device Analytics (WDDA) for Western Digital (WD) disks. To view WDDA information, go to Storage & Snapshots > Storage > Disks/VJBOD > Disks, select a WD disk, and click Health > View Details.

Western Digital 製のHDDを使用している私には気になるところ。ですが、 Western Digital Device Analytics (WDDA) を使用できるのは、比較的新しいHDDなんでしょうかね。

ただ、ネット上ではWDDAによって、3年経過した時点で新品HDDへ交換する提案が出るNASがある等、ちょっと面倒な扱いも受けてるようなのが気になります。

その他、様々な変更があるようです。

せっかくなので、自動更新を待たずに、手動で更新してみようかと思います。

TS-228の2台はどうしましょうか。特にハードウェアによる5.01→5.1.0の制限は記載されていないので、アップデートはできるようですが、2台のうち、1台は上げてみたい気がしますね。

※ちなみに、TS-228が示しているファームウェア更新、
 現在 5.0.1.2376 の方は、

 と、5.0.1.2425を飛び越しての5.1.0への案内でしたが、現在 5.0.1.2346 の方は、

 でした。

自動更新を待ってみましたが、5.0.1.2346 のリリースからそろそろ4ヶ月なので、セキュリティ的にも手動でのアップデートも検討しないといけないですね。