楽天ひかりのメールが送受信できなくなった話

2022年2月15日のこと。

父から「メールが使えなくなった」と連絡がありました。

SANNET 時代からのユーザー

高齢の父から、「(PCの操作で)○○が出来なくなった」という連絡は、たまに来ます。その多くが、誤ってとか、無意識のうちにとか、実は設定を変えてしまっていることが多く、今回のもその類のものと思ってました。

そもそも、父がなぜ「楽天ひかり」のメールを使っているかというと、はるか昔に、三洋電機系列の会社が提供していた「SANNET」の契約をして、それを使い続けていたから。

元は、私がかつて住んでいた実家でインターネットを始めるにあたってプロバイダとして契約したのが始まりで、私自身も他人に教えるメールアドレスは、 @sannet.ne.jp のものでした。その後、父がPCでネットを使うようになった時には、当然のように sannet.ne.jp でメールアドレスを作成。父が単身赴任で名古屋で暮らすようになった時にも、安心感のあったSANNETでプロバイダ契約をし、東京に移ってからも、関西に戻ってからも、同じメールアドレスを使い続けている、という次第。

現在、両親が住む実家は、地元ケーブルテレビのインターネット回線を使用しているため、プロバイダとしてのSANNETは既に使用していないのですが、かれこれ20年以上使っているメールアドレスは多くの人に連絡手段として伝えているため、メールサービスだけ、月額数百円で使い続けてました。

そのSANNET。2020年春に、運用が終了。

「SANNET メール専用プラン」で契約していた父は(って、実は私もその時点では同じなのですが、その後すぐに解約しました)、自動的に楽天モバイルが運営する「楽天ひかり」の利用者となったわけです。

運営主体が変わっても、「○○@sannet.ne.jp」でのメールアドレスは引き続き使用できます。実アドレスは「○○@r.sannet.ne.jp」と、楽天の(?) 「r.」が入りますが、他の人からは「r.」なしで届きますし、父からのメール送信元が「r.」付きにはなりますが、そのアドレスで返信をもらっても(受信した人が新しいアドレスを使い続けるようになっても)、当然届くわけですから、使用する側にとっては、あまり負担にはなりません。

もちろん、メール送受信に使用するサーバは、楽天のものに変わりますから、2020年3月、実家を訪れ、メールサーバの設定変更を行っていました。

不調は突然に

それから2年。メールに関しては大きな問題は無かったのですが(Windows Live メールを使い続けていて 2020年12月頃のWindows Updateが原因で使えなくなったので、Thunderbirdに乗り換えた件くらい)、今回の連絡となりました。

話を聞くと、サーバの認証エラーのようで、パスワードを求められているそう。

何のパスワードを使えば良いかが判らないようです。

クレジットカードのように、数回失敗してパスワード失効、ということは無いでしょうが、下手に動かれて事態を悪化させるのは避けたいので、訪問を約束しました。

実家は隣県にあたり、まん延防止等重点措置が適用されている大阪から実家への移動は極力避けていたのですが、いわば非常事態ですし、マスクを着用して訪問。父が3回目のワクチン接種を終えていたことが救いでしょうか。

それはともかく、父のPCを確認。

キャプチャや写真を撮っていないので、記憶を頼りに、ですが、受信サーバの認証エラーというのは間違いなさそうです。

用意してもらっていた、2020年春に楽天モバイルから送られていた設定資料に記載されているパスワードを入力しても、認証エラーは同じ状態のまま。

念のため、送信の確認をしても、同じように送信サーバの認証エラーとなります。

次に、Thunderbirdの「アカウント設定」を確認。

サーバ名、ユーザ名ともに間違いなし。というか、そういうところは普段は触りませんよね。父に聞いても「初めて見る画面」とのこと。

設定を変えてみる

ということは、サーバ側の設定が変わった、と考えられます。父に、何か連絡が来てなかったか、と聞いても、記憶にないとの答え。「来ていない」との断言ではありません。興味のないメールには関心を向けない人ですから。。

詐欺メール対策としては悪くないのですが、関心が無くても関係があるメールには目を通してもらいたいもの。

というわけで、このご時世ですから、「セキュリティ設定」が「なし」になっていることを疑いました。これを「SSL/TLS」に変更。この変更で、ポート番号は自動的に変わります。

「受信」操作で、もう一度パスワードを聞かれましたが、正しいパスワードを入力することで、2月15日から受信サーバに溜まっていたメールが続々と受信され始めました。

同じように、送信サーバの設定も、「セキュリティ設定」を「SSL/TLS」に変更。こちらも、先ほどまで送信エラーとなっていたメールが送信可能となりました。

つまりは、サーバ側の設定が変わった、ということです。

変更通知はお見逃しなく

結局のところ、父のメールアドレス宛に、そのようなセキュリティ設定が変更となる通知が届いていたのかどうかは判らずじまいなのですが、楽天ひかりのサイトを見ると、掲載されていました。

一部、引用させて頂きます。

■暗号化(SSL)の設定が未完了のお客様へ

規制の概要は以下のとおりです。
ご利用中のメールソフトに暗号化(SSL)の設定がされているかご確認ください。暗号化(SSL)の設定と異なる場合はメールソフトの設定変更をお願いいたします。

 ・規制実施日
  2022年2月15日(火)14:00以降
  ※非暗号化通信の提供終了日が「2022年2月15日(火)14:00以降」に決定いたしました。(2022年1月17日時点)

 ・規制内容
 ​ 暗号化(SSL)の設定がされていないメールの送受信を規制いたします。

 ・影響
  対象のメールアドレスで送受信ができなくなります。
  ※すでに設定変更済みのお客様に影響はありません。

https://network.mobile.rakuten.co.jp/hikari/information/2021/0121_01/

使えなくなった日が2月15日ですから、まさしく、です。

これ、絶対に通知されてるはず。。

私が今でも、SANNETから受け継いだ楽天ひかりでメールのみの契約を続けていたら気付いたんでしょうが、全く知りませんでした。大事な通知メールは、お見逃しなく。