時刻表復刻版 1968年10月号を購入

先日、JTBパブリッシングが発行した『時刻表復刻版 1968年10月号』を購入しました。

昭和43年10月の白紙ダイヤ改正

1968年、昭和43年10月の国鉄ダイヤ白紙改正号の復刻版です。昭和43年の10月なので、「ヨンサントオ 」と呼ばれる大改正です。

東北本線の複線・電化が完成し、東北地方に特急列車が大増発。それだけではなく、山陽本線の優等列車にも大きな変化がありました。それをもたらしたのが東海道新幹線の増発ですかね。

日本列島の骨格をなしている東海道・山陽・東北の各本線の優等列車が大きく変更となれば、全国に影響が広がらないはずがありません。そういう意味で、画期的なダイヤ改正でした。

昭和36年10月、昭和63年3月とを合わせて戦後・昭和の3大改正とも言われるそうですが、このヨンサントオ の改正は非常に大きなインパクトのある改正だったと思います。(まだ、生まれてませんので、実際のところ、どれだけのインパクトだったかは、わかりませんが…)

時刻表復刻版

ちなみに、JTBパブリッシングの復刻版のシリーズは、「1964年10月号」(昭和39年)、「1964年9月号」「1988年3月号」(昭和63年)が既に発行されていて、今回の「1968年10月号」が第4弾。そういえば、3大改正のひとつ「サンロクトオ」は、まだなんですね。

第1弾、第2弾の1964年モノは、両方購入。今回のも購入していますが、1988年の第3弾は、まだ購入していません。

というのも、昭和63年発行時の時刻表が手元にあるから、なんですね。多少変色はしてますが、かなりいい状態なので、復刻版を買わなくてもいいかな、と。

このシリーズの特徴が、カバーを外すと、当時の表紙が現れる、ということです。

価格 180円が良い味を出してますよね。

現在のJTB時刻表の本体価格が税込み1,205円ですから、およそ6.7倍。本体価格では、およそ6.1倍。物価の上昇を反映してますね。

ちなみに、当時の国鉄の初乗り運賃(2等)が20円で、現在の大阪の電車特定区間の初乗り運賃は130円ですから6.5倍。いい感じで上がってます。

超特急「ひかり」の東京-新大阪間の指定席で3,330円。現在の「のぞみ」が14,720円ですから、4.4倍。物価ほどには上がっていない、ということでしょうか。(昭和50年代あたりでは、物価上昇以上に、いろいろありましたが…)

そういう、「ダイヤ」以外の情報も、当時の時刻表を見る楽しみの一つですね。

ヨンサントオ

子供の頃から、この「ヨンサントオ 」には興味がありました。生まれる前なので、なぜかはわからないですけどね。やっぱり「全国規模の大改正」で、増発される改正は楽しいものです。ダイヤ改正のたびにブルートレインが廃止されたこの十数年とは、改正の楽しさが違います。

子供の頃から好きだった寝台特急「日本海」がデビューした改正だから、かもしれません。後付けですが。

小学生の頃、当時住んでいた東大阪市内の市立図書館に、なぜかこの時刻表昭和43年10月号が貸し出しできる状態で置いてあり、何度か借りて帰った記憶があります。

それから数十年が経ち、ネット上でいろいろな情報が閲覧できる日が来ましたが、「時刻表」という書籍を、そのまま閲覧できるか、というとそれはいろいろな制約で難しいんですよね。各種の権利も絡みますし。

列車単位で時刻が掲載されたりはしてますが、時刻表の形式で見てみたい、と。

そんなときに発行されたのが、洋泉社MOOKの「昭和43年10月改正時刻表を愉しむ本」という書籍です。2010年8月10日発行となってますね。

表紙にも書かれていますが、国鉄特急・急行列車のダイヤや編成表、それと豆知識的な情報が記載されています。

中身は前述の理由で掲載しませんが、時刻表の体裁でダイヤが記載されているものの、何か「リアリティー」が無いというのか、「何かが違う」という気がするんです。ダイヤの情報は見えるけれども、時刻表を開くときのワクワク感を感じない、というか。やっぱり、時刻表には普通列車が載っていてこそ、なんですかね。編成を示す寝台車や食堂車のマークが実は重要なのかも、と思ったりもします。

それから10年、待っていた復刻版が、JTBパブリッシングから、手に届く価格で発売されました。

古本屋で7,000円を超える値段が付いていた発行当時の時刻表が、2,000円を切る価格で、ほぼ同じような体裁での復刻ですから手にしないわけにはいきません。

昭和40年台半ばに、どのような列車が日本中を走り廻っていたのか、ご興味がある方はぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。