小型全国時刻表 2021年8月号を購入

半年ほど前に、(紙の)時刻表はJTBのものを購入している、ということを書きました。

B5判の時刻表と言えば、JTBパブリッシングの「JTB時刻表」か、交通新聞社の「JR時刻表」が二分していると言えます。あらゆるものがデジタル化されている中、今からこのサイズの紙媒体の時刻表に参入するところも無いでしょうから、この両者の体制が今後もしばらくは続くと思われます。

時刻表購入の歴史

先に書いた通り、資料性(何年後かに過去の時刻表を見る)という意味で、紙の時刻表を毎年購入していますが、JTBのものを購入しているのは、単に習慣というだけです。こっちが絶対にいい、などと言うつもりはありません。一度習慣化してしまうと、なかなか他のものに移りにくいですからね。

そもそもなぜ習慣化したか、というと、その昔、現在のJTB時刻表は「国鉄監修 交通公社の時刻表」と名乗っていました。国鉄監修とある通り、公式の時刻表という扱いです。

一方、現在のJR時刻表は弘済出版社が発行していた「大時刻表」からの流れを汲んでいます。名前の通り一回りサイズも大きく、A4サイズでした。こちらの方は、「日本旅行協力」と印字されていました。

交通公社(現JTB) VS 日本旅行、という構図なのかもしれませんが、「国鉄監修」という字面に惹かれたのだと思います。※旅行に持ち歩くにはA4サイズは大きすぎた、というのもあります。。

「大時刻表」が「JR編集時刻表」と改題し、今は「JR時刻表」としてJRグループ公式の時刻表となっていますが、交通公社の時刻表から国鉄監修のタイトルが消えてからも、習慣として「交通公社の時刻表」→「JTB時刻表」を買い続けている、というわけです。

余談ですが「大時刻表」、結構好きでした。誌面後方にある列車の編成表。交通公社の時刻表の編成表が、車両を単なる四角で表記していたのに対して、車両っぽいデザインだったと記憶しています。もう数十年見ていないので記憶があいまいになっていますが、何冊か実家に置いてあるはずなので、時間があれば(+感染拡大が落ち着けば)漁ってきたいと思います。

小型の時刻表

JTB時刻表は資料としても購入していましたが、実際のところ旅行に持ち歩くにはいささか大きく、列車の中で開くには目立つサイズでした。ですので、近年は実際に鉄道で旅するシーズンに「JTB小さな時刻表」を購入することが多かったですね。B6サイズですが、情報量はB5判と互角です。

なので、大型も小型もJTB派となってしまい、交通新聞社の「小型全国時刻表」も購入することは無かったんですが、先日、ふと書店で見かけた小型全国時刻表の表紙に目が釘付けになりました。

ボンネット型の特急車両が表面にデザインされ「長い間ご愛読いただき、ありがとうございました。」とあります。弘済出版社から「総合時間表」として発刊されて以来60年以上に渡り、ポケットサイズの時刻表として親しまれていた時刻表が、2021年8月号をもって休刊となる、とのことで、実質的に最終号になります。

(弘済出版社としての)創刊号である1960年4月号の表紙をイメージした表紙になっています。

ですので、思わず購入してしまいました。

中身はもちろん、復刻版などではなく現在(2021年8月)のもの。普段、JTBの時刻表しか目にしないので(JR時刻表を見るのは駅のみどりの窓口で指定券を購入するときくらい)、誌面の構成が新鮮です。

交通新聞社の小型の時刻表は「全国版コンパス時刻表」があるので、デジタル化での紙媒体からの撤退、というのも違う気がしますが、全体的な流れは縮小方向なのだろうと思います。その分、交通新聞社もデジタル化に力を入れていますからね。

デジタル化の流れで消えていくという意味では、電話帳がそうですね。

これは、デジタル化だけではなく、個人情報保護という社会問題も関連していると思います。

その点、時刻表は公共交通機関の情報ですから一定のニーズはあり続けると思います。いつまでも、指でページをめくって列車のダイヤを追う楽しみを提供し続けてもらいたいと願っています。