QNAPのOS QTS 5.2.6.3195 Build 20250526 リリース
しばらく前から、Qfinder Pro を立ち上げると、稼働中のNASに、バージョン更新の通知が出ているのに気づいていたんですが、対処できない間に、こんなことになってました。

下の2台(いずれもTS-228A)は、現状の 5.2.5.3145から、アップデートありの表示(↓New)があり、上の1台(TS-233)は、なんか既に自動アップデートで更新されちゃっていたようです。
これでこそ、自動アップデート機能、ですよね。
前回、5.2.5.3145のリリースについて書いたのが、6月下旬のこと。
このときもリリース日からかなり空けての記載でしたが、今回も同じようになりそうです。
ところで、あれ? TS-230じゃなくてTS-233になってる、と気付かれた方は相当注意力の鋭い方かと思いますが、今年の春、TS-230をTS-233に置き換えました。この話はいずれ記事にしようと思って伏せていた部分はあるんですが、半年近く経って、今さら感が強くなって、公開した次第です。
設定に注意が必要だったところでもあれば情報共有も大事かと思いますが、非常にスムーズに移行できましたからね。
それはさておき、このバージョン表示が今回の答えでもあります。アップデート後のバージョンは、5.2.6.3195ですね。
変更点は?
まだ、アップデートしていないTS-228Aに、管理画面からログインしてみました。

予想通り、5.2.6.3195 Buile 20250715 との案内が出ていました。
公式サイトを確認します。
ビルド日がバージョン番号にも記載の通り、7月15日で、公式のリリース日が7月30日のようですね。
そんなにほったらかしにしてましたっけ。。すみません。
変更内容ですが、まずはセキュリティアップデートから。
セキュリティ更新
Applied multiple security updates to further enhance system security.
これは、いつもの通りですね。
変更されてはいますが、具体的な内容の記載はありません。
新機能
続いては、新機能。
NFS
- Added support for NFS over RDMA. When used with supported 100G NICs (such as Mellanox ConnectX-6 or QXG-100G2SF-BCM), NFS over RDMA helps reduce I/O latency and CPU usage while improving data transfer performance.
NFS over RDMAのサポートが追加されて、対応する 100G NICを使用することでデータ転送パフォーマンスを向上できるようになった、とのことです。
100GのNICですか。。
まだ、このクラスのNICはデータセンターとかでの使用がメインでしょうし、一般家庭でも使用されるようになるのは、まだもう少し先になるのかとは思いますが、NASのOSにもこのような対応がなされる時代なんですね。
もっとも、自宅のNASには無縁の話ではありますが…。
機能強化
機能強化は2点、紹介されています。
Domain Controller
- Added a new DNS interface configuration option, allowing users to manually select which network interfaces a domain controller’s DNS service should listen on.
新しい DNS インターフェイス構成オプションが追加されて、ドメイン コントローラーの DNS サービスが、どのネットワーク インターフェイスで待ち受け出来るかを手動で選択できるようになった、ということでしょうか。
自宅で使用する分には、あまり影響がないのかな、と思います。
でも、もう一つの方は気になるところ。
SAMBA
- A new option, “Accelerate copying large number of small files", is now available when the kernel-mode SMB daemon is enabled. This feature improves performance when handling large numbers of small files.
カーネルモードSMBデーモンが有効な場合、新しいオプション「多数の小さなファイルのコピーを高速化する」が利用可能となり、多数の小さなファイルを処理する際のパフォーマンスが向上する、とのこと。
これは気になりますよね。
動画ファイルなどの大きなファイルは、それなりの転送速度が出ますが、小さなファイルだと遅くなりがちです。これはNASに限らず、ローカルPC内でのコピーにも言えることですし、どれくらいの改善があるのか、気になるところですね。
バグフィクス
この項目には11個の修正箇所が列挙されています。
いつものように、ARM64系のNASを使用する私が個人的に気になった項目だけをピックアップしてご紹介したいと思います。
- Fixed an issue where users could not delegate roles to user groups with very long names.
非常に長い名前を付けたグループに役割を移譲することができない問題を修正した、という内容。自身のNASに影響するような話では無いのですが、ジャンルは違えど同じソフト開発者として思い当たるところがありますので、自戒を込めて。
設定できる名前の長さと、識別できる名前の長さが違っていたりしたんでしょうか。あるいはもっと複雑な問題かもしれませんが、通常、開発中の動作の確認に、限界に近い長さの名前は使わないと思いますので(極端な話、IDに"A"一文字を使用したりなんてことも…。あくまでも動作確認です。テストではきっちり押さえます)、設計で抜け落ちると、テスト頼みになってしまったりするんですよね。
気を付けます…。
- Corrected inaccurate UI text in File Station.
File Stationの不正確なUIテキストを修正した、とのことですが、どこの文言なのか、どの言語なのかの明言はなし。全般的な見直しかも知れませんね。
- Addressed a rare issue where some users received desktop notifications for issues that had already been resolved.
解決済みの問題に関するデスクトップ通知が行われることがある、という問題があったようです。稀な上に、対象が一部のユーザーですから、遭遇するのは難しいかもしれませんが、そういう現象であっても、きちんと対策されるというのは、ありがたいと思います。
他には、MacOS関連で検索できなくなるといったものや、システムが応答しなくなる類のものもありますが、全般的には表示やログなど、軽微な問題の修正が多い印象です。
SMBの改善を試す
というわけで、TS-228Aのうち1台をアップデートしてみました。
再起動後に、自動で「File Station 5」が V5.5.6.4933にアップデートされたので、ちょっと期待も高まります。
が、 File Station 5.5.5.6.4933 の変更内容は、
[Fixed issues]
– Fixed several minor issues to improve app stability.
– Fixed several security issues.
というものだけですけどね。
アップデート前に、画像が複数入ったフォルダ(300ファイル・計698MB)を当該NASにWindows11 PCからコピー。これが23秒かかりました。2回計測していずれも同じでした。
で、5.2.6.3195にアップデート後、2回計測すると、1回目が21秒、2回目が22秒。
…。誤差程度か。。
時計の秒針で見てますので、さほど正確とも言えないですし。
いや、「小さなファイル」のレベルが違うのか。
また、機会があれば、確かめてみたいと思います。