QNAPのOS QTS 5.2.11.3661 Build 20261023 リリース
QNAP NASのOS、QTSのアップデートの記事は、リリースされてから数週間、下手すると数ヶ月後に記載することもあるんですが、今回ばかりは例外ですね。

Qfinderを見ても、特にアップデートの案内は無く、メール等による通知もありません。
が、この10日間ほど、サーバへの不正アクセスの問題が連日のように報道される中、「NASのデータは大丈夫なのか」という不安がよぎって、アップデートを手動で確認してみた、ということです。
ちなみに、現状のQTS 5.2.10.3577 へのアップデートは2ヶ月弱前の9月上旬に触れています。
記事は9月上旬ですが、リリースはそれより1ヶ月ほど前の8月上旬ですから、アップデートがあってもおかしくない期間ではあります。
というわけで、Webの管理画面を覗いてみます。
通常、アップデートがあるとログインした後に通知のダイアログが開くんですが、それは無し。
手動で、コントロールパネル > システム > ファームウェア更新 へと進みます。
その画面で、「更新の確認」ボタンをクリック。

QTS 5.2.11.3661 Build 20261023 というバージョンへの更新が可能となっていますね。
この「変更ログ」を見てみます。
そこには、当然のことながら QTS 5.2.11.3661 Build 20261023 の紹介があるですが、ちょっと気になって、そのページ左側にある、「QTS 5.2シリーズ」のリンクをクリック。
すると、前回紹介した QTS 5.2.10.3577 の後に、QTS 5.2.11.3652 というバージョンが10月20日にリリースされ、わずか4日後に QTS 5.2.11.3661 が 10月24日 にリリースされているのが判ります。この日付、大事ですよね。

というわけで、まずは、先にリリースされた QTS 5.2.11.3652 の方を見てみたいと思います。
QTS 5.2.11.3652 build 20261014
前回の QTS 5.2.10 から、5.2.11 へと変更されていることから、何らかの機能的なアップデートが行われていることが期待されます。
まずは、セキュリティアップデート。これはいつもの通りで、特に具体的な記載はありません。
機能強化には一つだけ、記載があります。
- Live updates on the TR- and TL-series JBOD devices now notify users of important updates, not necessarily the latest updates.
TRシリーズおよびTLシリーズのJBODデバイスにおけるライブアップデート機能は、最新のアップデートではなく、重要なアップデートのみをユーザーに通知するようになった、とのこと。
TR/TLシリーズというのは、NASではなく、USB接続などで複数のHDDを拡張するための装置ですから、それらを持っていない私には、何ら関係のない内容でしたね。
バグフィクスの方には、18項目が列挙されていますが、いつものように、ARM64系のNASを使用する私が個人的に気になった項目を中心に見ていきたいと思います。
- Fixed an issue where automatic firmware updates would stop working after updating QTS to 5.2.9.3410.
これは、ちょっと怖いですね。QTS 5.2.9.3410 にアップデートした後、ファームウェアの自動アップデートが機能しなくなる問題を改修した、とのこと。
5.2.9.3410に限定した話なのか、それ以降に共通した話なのかは判りませんが、自動アップデート機能が効かなくなるのは放置できない問題ですね。
- Fixed an issue where the Volume Management window would display Size/Files/Folders as 0 after updating QTS to 5.2.10.
QTSを5.2.10にアップデートした後、ボリューム管理ウィンドウでサイズ/ファイル/フォルダが0と表示される問題を修正、と。
そんな不具合あったの?と、ストレージ&スナップショット > ストレージ/スナップショット の画面から ストレージプールを選択して「管理」ボタンを押したときに表示されるフォルダごとの情報が…。

あれ?本当に0になってる。。
これが改修されているようですね。
- Fixed an issue to improve system stability during file transfer via SMB.
Samba経由でのファイル転送におけるシステム安定性を向上させるための不具合を改修したそうです。具体的なことが書かれていないので、アップデート前後の比較は出来ませんが、NASの基本機能だけに気になるところです。
- Fixed a buffer overflow issue to improve system stability.
システムの安定性を向上させるため、バッファオーバーフローの問題を修正したとのこと。これは、サーバ乗っ取りの玄関口になることも多い脆弱性なので、早急に対応したいところです。
その他にも気になる項目がいくつかありますが、詳細は、公式サイトでのご確認をお願いします。
QTS 5.2.11.3661 build 20261023
こちらが、10月24日にリリースされた、10月23日ビルドの「気になる」バージョンです。
まず、セキュリティアップデート。
- Applied multiple security updates to further enhance system security (PHP2Shell: CVE-2026-109618 and CVE-2026-109619).
通常、システムセキュリティをさらに強化するために、複数のセキュリティアップデートを適用しました、とだけ書かれることが多いんですが、今回は、「PHP2Shell: CVE-2026-109618 and CVE-2026-109619」との記載。
これが、まさに、10月22日に発表されたPHPの脆弱性の問題です。
| 脆弱性 | 内容 |
|---|---|
| CVE-2026-109618 | メモリ不足時の異常処理によってメモリ破壊が発生 |
| CVE-2026-109619 | 解放済みメモリへの参照が残り、不正なメモリアクセスが発生 |
いわば、世界中を震撼させた脆弱性、ですよね。
私の職場でも対応に追われました。
…なのに、自動アップデートの対象でもないんですね。。
完全にローカルのみで運用しているなら緊急性は低いかもしれませんが、myQNAPcloudなどでインターネットとつながっているなら、早めの対策が必要なのかな、と思います。
ちなみに、この他の機能強化、バグフィクスは、QTS 5.2.11.3652 build 20261014と全く同じ。
つまりは、PHPの脆弱性対策のためのリリース、と言っても良いかと思います。
なので、10月22日の報道に不安を持たれた方は、自動アップデートを待たずに、手動でアップデートしてみてはいかがでしょうか。
私もアップデートしておきたいと思います。












