続・急行「ちくま」「さんべ」

手元にあった12系座席車と年代モノの20系寝台車とで、急行「ちくま」「さんべ」のような列車を走らせたのが1年半ほど前のこと。

このときは、ナハフ20をナハネフ22に、ナハネフ23をナハネ20に、それぞれ見立てて(思い込んで)、「パッと見」それらしく見える「ちくま」「さんべ」を走らせていました。まだ鉄道模型の趣味を再開して間もなくで、購入した車両も少なかった頃ですね。

が、さすがに、その後に購入したリアルな車両が増えていく中で、現実離れしたこの「ちくま」「さんべ」を走らせる気も失せていました。そこで、もう少しリアリティにこだわって、再び実施したのが半年ほど前。

このときは、もともと持っていたナハネフ23を活かし、ナハネ20を2両追加で購入して、現実に走っていた車両で走らせています。

とはいえ、丸みを帯びた20系らしいナハネフ22さえあればなぁ、と思い続けていたのも事実。

最近になって、ユーズドですがナハネフ22を含むセットが販売されていたのを見かけたので、思わず購入してしまいました。

KATO 10-366 20系 寝台客車 7両セット

それが、これ。

セットされている7両は、下記のとおりです。

  • カニ21-11
  • ナロネ21-129
  • ナハネ20-231
  • ナシ20-5
  • ナハネフ23-6
  • ナハネ20-248
  • ナハネフ22-7

2010年に同型番で仕様変更されているようですが、手にしたのは2006年に生産された仕様変更される前の方。その仕様変更というのが、
○ 機関車連結側のカプラーをKATOカプラーからアーノルドカプラーへ変更
○ バックサインに「出雲」を追加
○ カニ21、ナハネフ22、23のテールライト・バックサインのライト基板をLEDに変更
というもの。影響がありそうなのは最後の項目だけですね。それ以外は影響なし。むしろカプラー交換の手間が省けるというもの。

製品の趣旨としては、基本セットを提供するから、後は単品のナハネ20、ナロネ21を必要な数だけ追加購入して「あさかぜ」や「瀬戸」なんかで楽しんでね、というもの。

が、これ、「ちくま」「さんべ」を走らせたい人にとっては、おあつらえ向きの構成なんですよね。

ナハネ20が2両に、待望のナハネフ22が1両入っています。それに、気分次第で共通運用だったナハネフ23にも交換できる、というのですから。

カニ21、ナロネ21、ナシ20は、当面走らせることはなさそうですが、ナハネ20が複数手に入るなら、新たな活用を考えてもいいかも。

2006年仕様なので、ナハネフ22のカプラーはKATOカプラー。ライトは、LEDじゃないということはムギ球なんでしょうね。なので、バックサインも暖色系の色合いになりそうです。

セットされているバックサインは、「あさかぜ」「あけぼの」「瀬戸」と無地。

無地は用意されているものの、それに貼るシールが添付されているわけではありませんので、別途用意する必要があります。

というわけで、追加で購入したのがこれ。

KATO 11-320 バックサイン 20系客車用セット

現行商品なので、取り付け部のサイズが2006年/2010年の仕様から変更されていたりしないかなぁ、という若干の不安はあったんですが、ダメだったらそのときのこと。

  • 出雲
  • はやぶさ
  • 富士
  • 彗星
  • 北陸
  • つるぎ
  • 北星
  • はくつる
  • ゆうづる
  • 日本海
  • 安芸

と、20系時代を代表する列車の名前が並んでいます。「あさかぜ」「瀬戸」「あけぼの」は、セットに付属のものを、ということですね。

ナハネフ22用とナハネフ23用とが用意されています。

上記に加えて、もちろんあります。今回使用する「急行」が。

フレームから切り離して、車両にはめ込むだけです。接着剤は使用しませんので取り換えも自由ですね。

今回も、引き続き『RM MODELS 6月号(No.333)』の特別付録「映える撮影用背景紙」のお世話になっています。

確かに、暖色系の色合いですね。旧仕様の客車で、白色LEDに交換されている方もいらっしゃるようですが、今のところはこのままで。すぐに交換できる用意も無いですし。

カプラーは、全車両ともKATOカプラー。中間車両はジャンパ付きです。

なので、ナハネフ23を最後尾として走らせると写真のような状態となりますが、今回はお預け。

これで、20系車両は準備完了です。

12系座席車(中間連結部)との連結

20系車両と連結させていたスハフ12(KATO 5304「スハフ12 100前期形 国鉄仕様」)。

ナックルカプラーに替えたナハネ20との連結用に特化させた改造を行っています。

といっても、車掌室側と中間連結側のカプラーを「強引に」入れ替えただけ。なので、現状は車掌室側が密自連形ボディマウントカプラー、中間連結側がナックルカプラーになっています。

とはいえ、上の記事で書いた通り、車掌室側での他の12系車両(車掌室側は全てナックルカプラー)との連結を考えると、こちらを車両に付属の交換用ナックルカプラーにしたいところです。

ひとまず、車掌室側、中間車側ともに元に戻してみました。

車掌室側:ナックルカプラー
中間連結側:密自連形ボディマウントカプラー

前の記事にも書いた通り、交換用のナックルカプラーは全て装着済みなので、予備は無し。

そこで購入したのが、これです。

KATO 28-235 キハ58系 アーノルド/ナックルカプラーセット

この商品は、ボディマウント密自連のカプラーになったキハ58系を、旧製品のキハ58やキハ40等と連結させるために、ボディマウント密自連から、ナックルカプラーやアーノルドカプラーに置換えるためのキットです。

単純には交換できなくとも、何とか加工して使えないかな、と。

前面用、中間連結面用が各2個入ってます。上の写真は中間連結面側1箇所で使用するパーツです。

これを組み立てると、こうなります。

ナックルの形状から判る通り、客車(床面)に面する側が上を向いています。

ここで注目する必要があるのが、床面側の5ヶ所の突起です。

スハフ12の中間連結側は、カプラー外側にある床下ユニット面に向かって伸びる突起部分を受け入れるための穴は開いているのですが、カプラーを組み立てるのに必要な3ヶ所の突起を受け入れるための穴はありません。

なので、こんな感じで切れ込みを広げてあげます。

というのは嘘で、

この中で書いた通り、内側に向かって切れ込みを広げたのは、その時の加工です。汚くてスミマセン。。

今回追加で加工したのは、カプラーを支えるための中心部の棒が引っ掛かるので、1mmの穴をピンバイスで開けただけ、です。

面倒と言えば面倒ですが、こうして、車掌室側、中間連結側ともにナックルカプラーになった、20系客車連結に特化した車両が出来上がりました。

左が加工したスハフ12のナックルカプラー。右がナハネ20のKATOカプラーです。

スハフ12に室内灯を追加

カプラー交換のついでに、室内灯をつけてみました。

KATO 11-212 LED室内灯クリアです。(6個入りの1つ)

設置そのものは簡単に出来たんですが。。

ボディを車掌室側から床下ユニットに被せて、テールライト部を穴に通したと思ってたんですが…。

ぐいと床下ユニットを車掌室側に押しやると、テールライト用のパーツが穴に通っていなかったようで…。

折れました。。

下に転がっているのが、テールライト用の赤いレンズ部です。

まぁ、20系車両連結に特化した車両ですから、この車両が最後尾に来ることは無く、問題ないと言えば問題ないんですが、ショックです。

気を取り直して、走らせましょうか。

急行「ちくま」

まずは、急行「ちくま」として。大阪-名古屋間はEF58に牽引させます。

停車中の列車が、ゆっくりと出発していく様子は旅情をかき立てられますね。

とはいえ、この角度ではせっかくのナハネフ22のバックサインが見えませんので、後ろから。

確かに、もう少しバックサインが白っぽい方が自然な感じはしますね。

名古屋駅でEF58からEF64にバトンタッチ。とはいえ、手持ちのEF64は0番台の2次形なので電暖装置なしの基本的には貨物用。12系なら牽引できるはずなので、代用です。

写真も何枚か、上げておきたいと思います。

まずは、EF58牽引の姿。

肝心の20系車両は後方で見えませんが、EF58が好きなのでEF58+12系というだけでもいいですね。

急行「ちくま」の醍醐味、12系+20系の連結部です。12系と20系の青の風合いと白帯の感じも全然違いますね。

反対側から。

3段寝台が作り込まれているのが判ります。52cmのB寝台、懐かしいですね。

「ちくま」の最後はEF64の姿。

こちらも20系車両は写っていないので「きそ」なのか何なのかよく判らない写真ですが、KATOの機関車なのにヘッドライト点灯のまま停止状態での撮影が出来たので上げてみました。

急行「さんべ」

続いては、オハ12の数を減らして急行「さんべ」として運転。牽引機はもちろんDD51。

前の記事とは違い、ナハネフ22が最後尾ですので下り博多行きです。

先頭がスユニ50でもマニ50でも無いので、米子-出雲市間ですね。

DD51の次位にマニ50を連結してみましたので、浜田以降ですね。

こちらも写真を何枚か。

下りの「さんべ5号」です。

牽引機はTOMIXのDD51で、TNカプラー。マニ50はKATOカプラーNですが、無加工で牽引しています。

こちらは上りの「さんべ6号」。同じDD51で、ナハネフ22のKATOカプラーも無加工。なんだか最近、TNカプラーとKATOカプラーN、ナックルカプラーが案外相性がいいのかな、と思い始めています。KATOカプラーN/ナックルカプラー側に、TNカプラーの突起を受け入れる穴(窪み)を「作らなければならない」と思っていたのに、無加工でもカーブを含む線路を難なく牽引してしまうんです。勾配区間は試してないですけどね。

ところで。

急行「ちくま」は、ナハネ20とスハフ12は、この向きが正しいと思っているのですが、

急行「さんべ」は、この向きの方が長かったようです。

上の方は、1980(昭和55)年10月~1982(昭和57)年11月の頃の編成、

[<スハフ12][オハ12][オハフ13>][<スハフ12][ナハネ20][ナハネ20][ナハネフ22>]
※荷物車は省略

です。で、下の方は、1978(昭和53)年10月~1980(昭和55)年10月と、1982(昭和57)年11月~1984(昭和59)年2月の頃の編成、

[<スハフ12][オハ12][オハ12][スハフ12>][ナハネ20][ナハネ20][ナハネフ22>]
※荷物車は省略

ですね。せっかく「ちくま」用にスハフ12を加工したので「さんべ」でも使いたいと上の編成にこだわってきたんですが、その当時の実際の写真がなかなか見つからないんです。

下の写真なら、特別な加工をしなくてもスハフ12の車掌室側のナックルカプラーとナハネ20のKATOカプラーで連結できますから、こちらの方が、間違いなくお手軽ですよね。

というわけで、意外と「さんべ」は再現しやすい列車だったのかも、というところで、今回の話はおしまいです。

最後に、駅ホームで見かけたら絶対にこんな写真を撮るだろうな、という1枚で締めくくりたいと思います。