QNAPのOS QTS 5.0.0.2055 Build 20220531 リリース

2022年6月9日に、QNAPのOS QTS5.0.0.2055 Build 20220531 がリリースされました。

変更内容は?

前回のリリースは、QTS 5.0.0.1986 Build 20220324。

前回と同じく、およそ2ヶ月ぶりのリリースとなります。今後は、これくらいのペースが続くのでしょうか。

では、どのような変更があるのか、見てみましょう。

セキュリティアップデート

まずは、セキュリティアップデート。

いくつものセキュリティの問題が解消されているようですね。

– Fixed the security issue CVE-2022-0778.

– Fixed multiple security issues (CVE-2021-31439, CVE-2022-23121, CVE-2022-23123, CVE-2022-23122, CVE-2022-23125, CVE-2022-23124, and CVE-2022-0194). 

– Fixed security issues CVE-2022-22719, CVE-2022-22720, CVE-2022-22721, and CVE-2022-23943. 

それぞれ、記載されているコードの問題が解消されているそうです。どのような問題かというのは、QNAPのサイトに記載があります。

例えば、CVE-2022-0778 は、「OpenSSLの無限ループの脆弱性」だそうで、「この脆弱性が悪用されると、攻撃者はサービス拒否攻撃を実行できます。」というような情報が記載されていますので、気になる方は、上記の公式サイトをご覧ください。

ただ、ちょっと気になったのが、これらが対策されたバージョン。

  • QTS 5.0.1.2034 build 20220515 and later
  • QTS 5.0.0.2055 build 20220531 and later
  • QTS 4.5.4.2012 build 20220419 and later

QTS 4.5.4 は、1ヶ月以上も前のリリースで対応されてるんですね。5.0.0 が主流(対策も優先)かと思っていたのに、最も後回しにされた感じがします。。(理由は判りませんけどね)

バグフィックス

バグフィックスも、たくさんあります。

明記されている修正項目だけで20件あります。

いつもの通り、気にる項目をピックアップしたいと思います。

The “hidden" file attribute would be disabled after users copied hidden files from Windows 10 to the NAS.

Windows10からNASに hidden属性のファイルをコピーすると、hidden属性が無効になるとのこと。

あれ?そうでしたっけ?

と、実験。

Windows10でファイルを作成して、属性を「隠しファイル」にして、NASにコピー。

エクスプローラー上で見ると、「隠しファイル」のままですね。それをもう一度Windows10のPCにコピーしても、隠しファイルのまま。何か、発生のための条件があるのでしょうか。

Feature description in “Control Panel" > “System" was not correctly translated into Simplified Chinese.

「コントロールパネル」>「システム」の機能の説明が簡体字中国語に正しく翻訳されていなかったそうです。ふーん、としか感想がないですが、こういう「表示の問題」も、複数のバグの中には含まれています。

QTS would display a message that asked users to disable 2-step verification on the destination NAS of SnapSync jobs even if 2-step verification was already disabled.

2段階認証がすでに無効になっている場合でも、SnapSyncジョブの宛先NASで2段階認証を無効にするよう求めるメッセージが表示されるとのこと。

2段階認証でのメッセージに関してはバックアップツールのHBS3でもアップデートされてましたね。

Static Route would stop functioning after a network adapter was connected or disconnected.

ネットワークアダプタが接続・切断された後、スタティックルートが機能を停止するそうです。このような、ネットワーク絡みのバグが、複数改修されているようですね。

In File Station, users could not delete a subfolder by right-clicking the subfolder on the left pane and then selecting “Delete".

File Stationで、左ペインのサブフォルダーを右クリックして[削除]を選択しても、サブフォルダーを削除できなかった、とのこと。

というわけで、こちらも実験。

あ、ほんとだ。。

左ペインというのは、フォルダのツリー表示のところですね。ここでフォルダを選択して右クリック。メニューには「削除」が表示されますが、クリックしても反応なしですね。気付いてませんでした。

というか、右ペインでは削除できるので、気付いてなかったのかも。

5.0.0.2055にアップデートした環境で試してみると、右クリックの「削除」で、

と出ました。

欲を言えば、ここにフォルダ名を表示して欲しかったですね。

他のフォルダをクリック(フォルダの展開のため)した後、削除したい「フォルダ名の上」で右クリックしてもこの表示が出るので、危うくクリックしたフォルダ(親フォルダ)が削除されかけました。。

こんな感じでいろいろと対策されていますので、アップデートしておくことにします。