QTSのバックアップツール HBS3 のアップデート(19.1.0517)

QNAPのNASで、AppCenterからHBS3(Hybrid Backup Sync)のアップデートの通知がありました。

変更内容は?

ここ数回のアップデートは、19.0.XXXX が変わるだけのものでしたが、今回は、19.1.XXXX。20.0.XXXXではないので、大型アップデートでは無いにしても、機能強化がありそうです。

前回のアップデートは、約2ヶ月前。

2件のバグフィックスだけでしたね。

今回の変更内容は、こんな感じです。

機能強化が6件、バグフィックスが3件のようです。

機能強化

まずは、機能強化から。

Added a popup message to inform users to contact the remote NAS administrator when they fail to enable a remote RTRR server due to 2-step verification having been enabled on the remote NAS account.

リモートNASアカウントで、2段階認証プロセスが有効になっていることでリモートRTRRサーバーを有効にできない場合に、リモートNAS管理者に連絡するようにユーザーに通知するポップアップメッセージを追加したとのこと。

セキュリティを強化していくと、こうなりますよね。

認証の過程を経ずにサーバーに接続できてしまうと、2段階認証ではなくなりますし。いや、でも、なんか違う感じはしますが…。

認証を必要とするサーバをどうにかすることはできないですから、ポップアップメッセージを出して、管理者が判るようにしたということですよね。何ともならないもんでしょうかね。

まぁ、何とかしたいなら2段階認証をしない、という選択肢を取るほか無いんでしょうね。

続いても、同じような話です。

When users create a remote CIFS/SMB server where the remote NAS account has enabled 2-step verification, they cannot retrieve the destination folder list for selection. We added a popup message to inform users they must enter a destination folder name manually.

リモートNASアカウントで2段階認証プロセスが有効になっているリモートCIFS/SMBサーバーを作成する場合に、宛先フォルダーリストを取得することができません。ですので、宛先フォルダをツリー表示から選択することが出来ず、フォルダー名を手動で入力する必要があることをユーザーに通知するポップアップメッセージを追加したとのことです。

別手段で2段階認証後なら行けるんじゃないの?と思いますが、どうでしょうね。(未確認です)

Some files in Google Drive formats cannot be edited offline in a two-way sync job with Google Drive, but they can be edited offline in an active sync job from Google Drive because then HBS 3 can convert the files to Microsoft Office formats. We’ve added a popup message to inform users of this information when they create a sync job with Google Drive.

Googleドライブ対応の一部のファイルは、Googleドライブとの双方向同期ジョブではオフラインで編集できませんが、HBS3でファイルをMicrosoftOffice形式に変換できるため、GoogleドライブからのActiveSyncジョブでオフラインで編集できるそうです。ユーザーがGoogleドライブとの同期ジョブを作成するときに、この情報をユーザーに通知するポップアップメッセージを追加したそうです。

Googleドライブとの双方向同期は使用したことがないので、不自由さを体感してませんが、こういう方法があるよ、という提示をポップアップで行う、ということですかね。変換機能は前からあった、ということでしょうか。

To prevent user confusion, on the “Backup & Restore" and “Sync" screens we removed a duplicate UI selection control in the upper-right More menu for cloning a job. Users can now find the selection control only in the More menu of each job in the left panel job list.

例えば、[同期]画面で、右上にある[その他]メニューに、「クローンジョブ」とあります。

で、ジョブリストのメニューを表示させても、「クローン」があります。

どっちを使えばいいの?という混乱を防ぐために[その他]メニューの方から「クローンジョブ」を削除した、というのが今回の変更のようです。

変更後の画面がこちら。

「クローンジョブ」が唯一のメニューでしたから、[その他]メニューそのものがなくなってますね。

[バックアップと復元]画面の方は、[その他]メニューが、「復元」と「クローンジョブ」から、「復元」だけになっています。

アップデート前
アップデート後

Added an explanation to the advanced setting “Remove additional files in destination folder" that system files are never deleted if the destination is a QNAP NAS.

詳細設定「宛先フォルダー内の追加ファイルを削除する」の項目に、宛先がQNAPNASの場合、システムファイルは削除されない旨の説明が追加されたようです。これは、表記だけの問題のようですね。

Added support for new regions on Oracle Cloud (Marseille, France; Jerusalem, Israel; Milan, Italy; Singapore, Singapore; and Abu Dhabi, UAE).

Oracle Cloudの新しいリージョン(フランスのマルセイユ、イスラエルのエルサレム、イタリアのミラノ、シンガポールのシンガポール、アラブ首長国連邦のアブダビ)のサポートが追加されまようです。日本で使用するには、特に影響は無いのかなと思います。

機能強化は、以上の6点です。

ほとんどが、表示にまつわる変更だったでしょうか。変更された数は多いですが、大規模アップデートでは無さそうですね。

バグフィックス

Fixed an issue where a “Cannot upload to the cloud service" error would appear when running a backup or sync job to Amazon S3 if the destination bucket name contained a period (.).

AmazonS3へのバックアップまたは同期ジョブで、宛先バケット名にピリオド(.)が含まれている場合に、それらの実行時に「クラウドサービスにアップロードできません」エラーが表示される問題が修正されたようです。

Fixed an issue where a one-way sync job to a remote rsync server on a QuTS hero NAS would fail if the setting “Remove additional files in destination folder" was selected, and the source did not have a @Recently-Snapshot folder but the destination did.

[宛先フォルダー内の追加ファイルを削除する]設定が選択されて、ソースに @Recently-Snapshot フォルダーがない場合、QuTS hero NAS上のリモートrsyncサーバーへの一方向同期ジョブが失敗する問題を修正したとのこと。

QuTS hero NAS は、エンタープライズ機種向けのOSなので、QTSで動くホームユース用のNASには、直接は関係ないでしょうかね。

最後がこちら。

Fixed an issue where files deleted in the source were not deleted in the destination in active mirror sync jobs from a OneDrive cloud storage space.

ソースで削除されたファイルが、OneDriveクラウドストレージスペースからのミラー同期ジョブの宛先で削除されなかった問題が修正されたそうです。

環境依存の問題、ということでしょうか。

今回の修正は、以上のようなものになるようです。

機能強化のところでも書いた通り、大きな変更ではありませんが、アップデートしておきました。