QNAPのOS QTS 5.1.3.2578 Build 20231110 リリース

2023年12月9日

Qfinder Pro を立ち上げると、稼働中のNASに、バージョン更新の通知が出ていました。

稼働中の3台が全て 5.1.2.2533 となっているのは、自動アップデートではなく、ログイン時の利便性向上のために手動でアップデートしたため。

アップデート前は、ID入力後にEnterキーを押したときに、パスワード入力欄がアクティブにならなかったので、パスワードの入力前にひと手間必要だったんですが、このアップデートで、ID入力のEnterキー入力に続けてパスワードの文字を入力できるので、かなり便利になった感じです。

変更点は?

Web上の管理画面から、[コントロールパネル] > [システム] > [ファームウェア更新] と進み、「更新の確認」ボタンを押して表示されたのがこちら。

5.1.3.2578 Build 20231110 がリリースされているようです。

前回の 5.1.2 から 5.1.3 に変わってます。

ここ最近は、この3つめの数字が毎回カウントアップされてますね。バグフィクスだけではなく、機能強化もあるということでしょうか。

というわけで、変更内容をチェックしてみたいと思います。

前回と同じように、セキュリティ更新、機能強化、バグフィクスがあるようですね。

セキュリティアップデート

  • Applied multiple security updates to further enhance system security.

セキュリティアップデートはいつもの通り。特に具体的な内容はなく、複数のセキュリティ更新プログラムを適用した、という内容ですね。

機能強化

Login
  • Improved the web login speed for AD domain users.

Active Directory ドメインユーザーの Webログイン速度向上、とのこと。

現状、使用していないので改善効果の確認はできないですね。

もう一つがこちら。

Storage
  • Optimized the RAID group resync speed for NVMe drives.

NVMeドライブのRAIDグループの再同期速度が改善されたようです。って、HDDだけで運用している環境にとっては、残念ながら関わりのない話。NASもNVMeドライブでの運用が主流になりつつあるということなんですかね。

解決された問題

いくつもの項目がありますので、今回も個人的に興味/関心を持った項目だけをピックアップしたいと思います。

  • Users can now successfully upload a folder that contains a very large number of files in File Station.

非常に多くのファイルを含むフォルダを、File Station で正常にアップロードできるようになった、とのこと。逆に、失敗することがあったということなんでしょうね。

というか、Windows環境からNASにファイルを上げるときは、ネットワークドライブでWindows上のフォルダを開いて、エクスプローラー内でのコピーをしてますから、File Station を使用することはほぼ無いんです。

NAS間でのファイルコピーは、ローカルPCを介するよりもNAS間でダイレクトにコピーする方が速いですので File Station を利用しますが、それ以外は利用する機会は少ないですね。

今回の修正も「アップロード」についてのものなので、直接は影響ないようですね。

この他、今回の修正には File Station のものが多く含まれているようです。

  • Adjusting the bottom edge of a window now resizes the window again as expected.

ウィンドウの下端を調整すると期待どおりにウィンドウがリサイズされるようになった、とのこと。これまで違和感を感じたことが無かったんですが、特定のウィンドウで発生する現象だったんでしょうかね。

  • Fixed an issue to improve the stability of system processes.

システムプロセスの安定性を向上させるための修正があったと、さらっと書かれてますが、何が変わったんでしょうか。

ごく稀に、何らかの操作をした後に応答が返ってこないことがあるので、そのあたりが改善されるのであれば、早めにアップデートしておくべきかな、と思います。

  • Windows users can now successfully delete NAS files via Samba even when the file names are very long.

ファイル名が非常に長い場合でも、Windows から Samba 経由で NAS ファイルを正常に削除できるようになった、とのこと。

Windowsはファイル名を含むパスの長さが260文字までに制限されてますので、そもそもそれ以上のファイルパスを持つファイルを操作することは無いのですが、「長いファイル名」がどの程度のものを指しているのか、気になるところです。

他にも、上に記載した項目も含めて37項目の修正が入っています。

詳細は公式サイトを見て頂きたいのですが、システム安定化の修正が入っていることですし、自動アップデートを待たずに、更新しておこうかな、と思います。