QNAPのOS QTS 5.1.6.2722 Build 20240402 リリース

Qfinder Pro を立ち上げると、稼働中のNASに、バージョン更新の通知が出ていました。

前回のリリースでは、上の2台が自動アップデートされていたのですが、今回は「今のところ」、自動ではアップデートされていないようです。

前回の記事を書いたのが3月上旬(リリースは2月下旬)なので、1ヶ月ほど経っています。

このところ、1ヶ月ちょっとでの更新が続いているような感じがします。QTS 5.1.0がリリースされておよそ9ヶ月。機能追加や機能強化も頻繁にありますし、ありがたいことです。

変更点は?

Web上の管理画面にログインして表示されたのがこちら。

前回の 5.1.5 から 5.1.6 へと末尾がインクリメントされています。

今回は、どんな変更なんでしょうか。さっそく見てみたいと思います。公式サイトの案内がこちら。

おや。セキュリティアップデートとバグフィクス、それに機能強化もあります。前回と同じ項目の構成ですが、前回はバージョン末尾がインクリメントされていない(5.1.5 → 5.1.5)更新でしたよね。違いがよく判りません。。

セキュリティアップデート

  • Applied multiple security updates to further enhance system security.

これは、いつもと同じ。特に具体的な内容はなく、複数のセキュリティ更新プログラムを適用した、という内容です。

機能強化

Storage & Snapshots
  • By default, disable the “EPC feature" for specific SATA drives that exhibit an increase in “Load Cycle Count" even when Standby mode is disabled.

内容としては、スタンバイモードが無効になっている場合でも「Load Cycle Count」がインクリメントされるタイプのSATAドライブの「EPC機能」を、デフォルトで無効にする、ということですよね。

文章のどこがどこにかかっているのか、読み間違えてるかもしれませんが、特定のドライブのEPC機能をデフォルトで無効にする、ってことでしょうか。

Load Cycle Countって、省電力化のためにHDDを停止させるためにヘッドを退避させる動作の回数、ってことですよね。スタンバイモードが無効なら生じないような気もしますが、まぁ、そういうドライブがあるということなんでしょう。

この値はHDDとしての寿命を推定するのに役立つとのことで、通常は30万~50万回が寿命とされているそうですから、回数を抑える方が長持ちする、と。もっとも、この回数を減らすために、ヘッドを退避させない = 常時回転状態にする、というのが製品寿命を延ばす解決法なのかどうかは、わからないですけどね。。( ← 一般論です。今回のEPC機能無効がこれを指すのかどうかは判ってません)

ちなみに、「ストレージ&スナップショット」の「ディスク」から「正常性」>「詳細を表示」>「S.M.A.R.T.情報」と進んで表示される、この値。

最も直近に導入したNASのHDD情報がこれ。14,465回です。

が、5年ほど前に導入したNASが…

え? もう、壊れててもおかしくない値です。何故…。

買い替えを検討しないとダメですかね。でもステータスは「良好」って。。

バグフィクス

バグフィクスの方は、個人的に気になるものをいくつかピックアップ。

  • QuLog Center now records log messages for scheduled restarts.

QuLog Center が、スケジュールされた再起動のログ メッセージを記録するようになった、とのこと。これって、前からありませんでしたっけ?

平日は毎日、朝(7:00)から夕方(18:00)まで電源を落としているNASがあるんですが、システム起動ログがあるので、再起動時のログもあるのかと思ったんですが、システム起動と再起動は別、ということですかね。

  • Resolved an issue in HybridMount where uploading a file from a PC file manager to a remote mount via Samba would cause the file modification time to be updated.

PC ファイル マネージャーから Samba 経由でリモート マウントにファイルをアップロードすると、ファイルの変更時刻が更新されるという HybridMount の問題を解決した、とのこと。こちらも、「そうでしたっけ?」という感じです。

もっとも、HybridMount は NAS間でのデータやりとりにしか使用してないので、気付かなかっただけかもしれませんが。。

  • Improved file upload speeds.

おっと。すごいことが書かれてますね。ファイルのアップロード速度の向上、って。

機能強化じゃなくて、Fixed Issues(問題の修正)欄に書かれているのが気になるところではありますが。

何にせよ、改善するのはいいことです。

  • Resolved an issue for some users where after updating the firmware, shutting down the NAS would result in a restart.

ファームウェア更新後、NASを終了させると再起動してしまう問題があったようです。更新後、というのは、更新してすぐを指すのか、更新後最初の終了を指すのか。平日の毎日電源を落としている1台を除いて、基本的には終了させないですから、生じているのかどうか、わからないですね。

毎日電源を落としているNASも、帰宅時には再起動済みなので。。

  • Storage & Snapshots now correctly displays the disk mode for SSDs as “Active" or “Standby" (previously “Active (Spinning)" or “Standby (Spindown)").

ストレージ&スナップショットで、SSD のディスク モードが「アクティブ (回転)」ではなく「アクティブ」に、「スタンバイ (スピンダウン)」ではなく「スタンバイ」にと正しく表示されるようになったそうです。確かに、回転やスピンダウンはHDD向けの状態表示ですね。なんか、時代だなぁ、と思ってしまいます。

  • Fixed a Hungarian translation issue on the desktop dashboard.
  • Fixed a Danish translation issue in QuFTP Service.

ハンガリー語にデンマーク語にと、国際色豊かな話です。多言語対応って労力が要りますよね。

  • Resolved a rare issue for some users where when searching files in a NAS shared folder using Windows File Explorer, the search results might display incorrect file creation and modification dates.

Windowsのファイルエクスプローラーを使ってNAS共有フォルダ内のファイルを検索すると、検索結果のファイル作成日時と変更日時が誤って表示されていたそうです。

そんなことがあるのか、と思ったものの、some users に発生する、rare issue なんで、相当「まれ」なことなんでしょうね。高頻度で発生するなら、大問題になってそうですし。

というわけで、自分自身に関係するかな、と思われるようなテーマや、単に気になったテーマをいくつか選んで書き出してみましたが、印象としては、結構多くの改善が行われているように感じます。

すぐに「改善を試してみたい」と思うものはありませんでしたが、機を見て更新しておきたいと思います。