QTSのバックアップツール HBS3 のアップデート(19.0.0120)

QNAPのNAS(QTS 5.0に最近アップデートしたTS-230)で、AppCenterから、HBS3(Hybrid Backup Sync)のアップデートの通知がありました。

変更内容は?

前回のバージョンは、18.0.1125でした。

メジャーバージョンが、18 から 19 にアップしてますね。

機能的な向上が見られそうです。

というわけで、今回の変更内容。

まず、新機能。

[New Features]

– Added support for Tencent Cloud and Baidu Wangpan cloud storage spaces for backing up and syncing data.

Tencent Cloud と Baidu Wangpan クラウドストレージスペースに対応した、とのこと。

いずれも中国系のクラウドサービスですね。日本の我々が「この対応を待ってました!」となるかどうかは微妙ですが、これが今回の「新機能」です。

次に、既存機能の強化。

[Enhancements]

– Added support for the option to only compare file size and modification date during initial sync for sync jobs using OVHcloud and IONOS cloud storage spaces.

同期ジョブの初期同期中にファイルサイズと変更日のみを比較するオプションがサポートされたということですが、OVH cloud と IONOS cloud を使用する場合の限定的な対応のようですね。

もう一つの機能強化も、

– Added support for a new region on Oracle Cloud (Vinhedo, Brazil).

Oracle Cloud がブラジル南東部(ヴィニェード)地域で利用できるようになったことへの対応のようです。それこそ、私には影響のない機能強化でした。。

というわけで、新機能・機能強化とも、私には直接メリットを感じられなかったのですが、QNAP社のワールドワイドさを見たよな気がしますね。

他には、バグフィックスが10件ほど、記載されていますので、気になった点を挙げておきます。

– Fixed an issue where users syncing a large file to Microsoft SharePoint would fail with an “Exceeded file size limit" message, even though the file size did not exceed SharePoint’s official limit (250 GB).

– Fixed an issue where one-way sync jobs to a Box cloud storage space would fail when syncing certain files.

Microsoft Share Point を使用して大きなファイルを同期すると、250GBの公式制限を超えていなくても「ファイルサイズの制限を超えた」というメッセージが表示されて失敗する、であるとか、Boxクラウド ストレージ スペースで特定のファイルを同期するときに、一方向の同期ジョブが失敗するとか。

修正の多くが、特定のクラウドサービスで発生する問題のようです。多くのクラウドサービスをサポートしていますから、サービス提供側のちょっとした仕様変更等でも問題が発生したりするでしょうから、対応し続けるのも大変ですね。

特定のクラウドサービスに依らなそうなのが、これ。

– Fixed an issue where scheduling a one-way sync job to run at 00:00 would occasionally cause an application error.

一方向同期ジョブを00:00に実行するようにスケジュールすると、アプリケーションエラーが発生することがあるそうです。

日付が変わるときは、いろいろと内部で処理が動くのでしょうね。そんな際どいタイミングを同期のトリガとするのは避けてましたから影響はないですが、「あれ?0:00にするとエラーになる」と思われた方もいらっしゃるんでしょうね。

– Fixed an issue where even though users had deselected the setting “Do not take a snapshot" when creating a backup job, upon editing the job later they would find the setting to be selected.

バックアップジョブの作成時に「スナップショットを作成しない」設定の選択を解除しても、後にジョブを編集すると、選択された設定になっている問題があったそうです。これ、つまりは、どっちに設定しても「スナップショットを作成しない」ということなんですよね。いや、「再設定しなければ解除されたまま」なんでしょうか。

こういう「設定が保存されない」系の不具合、組込みの開発をしている我々にも耳の痛い話です。設定ボタンを押したときだけ保存する、画面が変わったら自動的に保存する、とか仕様もいろいろありますので、詳細設計時の誤りもありますし、保存先の変数を間違っていたりといった明らかなプログラミングミスもあったりするんですが。。

まぁ、ソフト開発にはいろいろあります。

いずれにしても、これらの問題が修正されている、とのことですから、アップデートしておくのがよろしいかと思います。