QTSのバックアップツール HBS3 のアップデート(21.2.0426)

2023年6月12日

QNAPのNASで、AppCenterからHBS3(Hybrid Backup Sync)のアップデートの通知がありました。

変更内容は?

バージョン名の通り、既にリリースから1ヶ月以上が経過しています。

前回、アップデートの記事を書いたのは2月中旬。このときも 21.1.1227 をリリースから1ヶ月以上経過後に書いてましたね。。

今回のは、4月28日にリリースされています。

今回も、個人的に気になる点を紹介してみたいと思います。

新機能

前回の 21.1.xx から、21.2.xx となり、新たな機能が追加されています。

– Added a setting for multi-process support for sync jobs to cloud storage spaces. You can enable this setting in the job creation or editing window under Rules > Policies. Recommended for sync jobs where the transfer speed is at least 1 Gbps.

クラウドストレージスペースへの同期ジョブに、マルチプロセスをサポートする設定が追加されたそうです。少なくとも転送速度が 1Gbps の同期ジョブでの使用が推奨されるようですが、実際、この設定によってどの程度、向上(変化)するのかは確認していません。

というか、クラウドは使用してないですからね。。

機能強化

– Improved the error message for when a job using the FTP protocol fails.

FTPプロトコルを使用したジョブが失敗した場合のエラーメッセージが改善されたようです。

WordPressを運用しているサーバからのバックアップ取得にはFTPプロトコルを使用していますが、そうそうエラーが発生するものでは無いですから、どのような改善があるのかは、判らないですね。

– Users can now reset the RTRR server when it stops responding.

こちらも同様。RTRR サーバーが応答を停止したときにリセットできるようになったとのことですが、RTRR サーバーを使用してのNAS間バックアップを運用して数年になりますが、応答停止は記憶がなく、残念ながら確認が出来ません。

他に、

– When creating a cloud storage space and selecting “Use a proxy server", if system proxy server settings are already enabled on the NAS, HBS 3 now automatically selects these settings by default.

システム プロキシ サーバー設定がすでに有効になっている場合、HBS 3 でクラウド ストレージ スペースを作成するときに、自動的に「プロキシ サーバーを使用する」設定が選択されるようになった、であるとか、

– Removed the character length limit for specifying the server address when creating an S3 compatible storage space.

S3 互換ストレージスペースを作成するときにサーバーアドレスを指定するための文字長制限をなくした、とか、細かな修正(機能改善)が図られているようです。

バグフィックス

– Fixed an issue where two-way real-time sync jobs to BOX would sometimes fail.
– Resolved an issue where automatic backups to an unlocked encrypted external device would sometimes fail.
– Fixed an issue where backup and sync jobs to cloud drives would sometimes fail.
– Fixed an issue where sync jobs to Amazon S3 Glacier would sometimes fail.
– Resolved an issue where restore jobs from an external device would sometimes fail.
– Fixed an issue where creating a WebDAV storage space would sometimes fail.

いずれも、同期ジョブや自動バックアップなどが「失敗することがある」「失敗する場合がある」など、条件によって発生する問題が改修されているようです。

いずれにせよ、アップデートしておきたいと思います。

と、いつもなら締めくくって終わるところですが…。

HBS 21.2.0504 リリース

21.2.0426 リリースからわずか1週間後に 21.2.0504 がリリースされています。

– Fixed an issue in HBS 3 v21.2.0426 where backup jobs to cloud servers would fail.

21.2.0426で発生するクラウド サーバーへのバックアップ ジョブが失敗する問題の改修のようです。修正できていなかった問題への対応なのか、デグレなのかは不明ですが。。

HBS 21.2.0508 リリース

と思ったら、GWが終わるやいなや前回リリースから4日後に 21.2.05058 がリリースされています。

– Fixed an issue in HBS 3 v21.2 where backup and sync jobs to OneDrive would fail.
– Fixed an issue in HBS 3 v21.2 where backup and sync jobs to Amazon Glacier would fail.

OneDrive や Amazon Glacier へのバックアップや同期ジョブが失敗する問題への対応のようです。緊急リリースっぽいので、デグレードですかね。。

HBS 21.2.0510 リリース

そしたら、今度は2日後に 21.02.0510が。リリースは 5月18日ですからビルド日の1週間後になりますが、異例の短期間連続リリースですよね。

– Fixed an issue in HBS 3 v21.2 where backup and sync jobs to Google Cloud Storage using OAuth authentication would fail.

21.2 で発生する、OAuth 認証を使用した Google Cloud Storage へのバックアップおよび同期ジョブが失敗する問題の修正だそうです。

21.2.xx って、かなり大幅な改修だったんですかね。

HBS 21.2.0524 リリース

これで終わりかと思いきや、5月24日にも新たなリリースがありました。

– Fixed an issue where HBS 3 could not start in QTS 5.1.0 Release Candidate due to a bug related to Notification Center. To ensure HBS 3 runs properly, please update both HBS 3 to 21.2.0524 (or later) and Notification Center to 1.6.1 (or later).

通知センターに関連するバグによって、QTS 5.1.0 で HBS 3 が起動できない問題があったそうです。これを改修するには、HBS 3 を 21.2.0524 (またはそれ以降) に更新し、通知センターを 1.6.1 (またはそれ以降) に更新する必要があるそうです。

QTS 5.1.0 は、現行の QTS 5.0.1 の次期バージョン。3月29日のベータ版リリースに続き、先日5月23日にリリース候補版がリリースされたばかり。

このリリース候補版で発生する不具合なので、緊急の修正を行った、ということなんでしょうね。

というわけで、21.2.xxは、初回の21.2.0426 リリースから、わずか1ヶ月の間に4回ものバグフィックスが行われました。NAS内部で閉じた機能ではなく、いろいろな仕様があるクラウドストレージサービスへのアクセスが必要な機能のため、予期しない問題も多々発生するのでしょうが、問題発見のたびに、随時修正してリリースしてもらえるのはありがたいことだと思います。

頻繁にアップデートが必要になるものの、数カ月間既知の不具合がほったらかしになるより、よっぽどありがたいですよね。

というわけで、クラウドストレージをバックアップや同期に使用していないので、直接は関係ないですが、最新版にアップデートしておきたいと思います。