東海道・山陽新幹線の回数券発売終了
2021年8月5日に、JR西日本から「特別企画乗車券の一部発売終了について」と題した案内がありました。
新幹線回数券の思い出
EX予約サービスが普及するまで、新幹線に安く乗車するためには、回数券を購入するのが一般的でした。といっても、6枚綴りの1セットを買うのではなく、チケットショップでのバラ売りの購入です。
時間当たりの本数が「のぞみ」よりも「ひかり」が多かった時代(相当昔のような気がしますが)、大阪から東京・横浜へと行くのに、よく買ったものです。
「のぞみ」の方が多くなった頃だったか、東京方面へと出かけることが多かったこともあって、JR東海でEX予約サービスに入会しましたので、それ以降はチケットショップで回数券を購入することもなくなりましたね。
回数券を購入していた頃、懇意にしていたチケットショップの店員さんと話をしていたときに「(新幹線の)回数券は、1枚売っても利益が何十円ですからね」とボヤいておられたのを思い出すのですが、それでもよく売れていたそうです。
大阪のキタ(梅田周辺)やミナミ(難波周辺)ではチケットショップが林立し、価格競争も激しかったことでしょう。もちろん、我々利用者は、10円でも安い店を探したりしてましたからね。
「ひかり」に乗るなら、JRの窓口で普通に購入すると1万3千円後半で、それがチケットを購入すると1割ほど安い1万2千円前半くらいだったんじゃないかと記憶しています。もちろん、回数券を購入した上で、JRの駅窓口で席の指定を受けますので、今考えると面倒でしたよね。
なので、「のぞみ」の運行本数が「ひかり」よりも増え、EX予約の方が回数券よりも割引額が大きかったことと、何より駅に出向かなくてもパソコンで予約ができることもあって、回数券を買うことが無くなりました。
ついに発売中止へ
ひとり1台のスマホが当たり前の時代になり、手放せなくなった現在、かつての「みどりの窓口」が手元にあるような状態になったわけで、新幹線の予約や、列車の変更などもスマホから自由にできるようになりました。なおかつ、(年会費を除けば)回数券よりも安く乗車できるということもあって、頻繁に回数券を購入していた層はEX予約に移っていったということでしょう。
今回のJR西日本の発表にも、
JR西日本では、東海道・山陽新幹線のネット予約&チケットレス乗車サービス「EXサービス」やJR西日本ネット予約「e5489」、ICOCA定期乗車券による「新幹線乗車サービス」等の非対面・非接触サービスの拡充に伴い、「新幹線回数券」等の特別企画乗車券について、以下のとおり一部区間の発売を終了いたします。
https://www.westjr.co.jp/press/article/items/210805_06_endofsales.pdf
とあります。EXサービス・e5489の利用へのシフトが出来たと見ていると言えます。
そのような時代背景を受けて、「新幹線回数券」は、普通車指定席の新大阪(市内)~博多(市内)など32区間が今年2021年10月31日発売分をもって終了。JR東海の区間を含む東京(都区内)~広島(市内)等々の19区間が来年2022年3月31日発売分をもって終了とのことです。
JR東海のサイトを見てみると、同じく告知がありました。
こちらの方にも、
JR東海では、東海道新幹線のネット予約&チケットレス乗車サービス「EXサービス(「エクスプレス予約」及び「スマートEX」)」を拡充してまいりました。便利でおトクなことから、現在では多くのお客様にEXサービスをご利用いただいております。
https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000041022.pdf
昨今はネット予約へのニーズがさらに高まっていることもあり、2022 年3月 31 日をもって、東海道新幹線の新幹線回数券の一部区間の発売を終了いたします。
とある通り、時代の移り変わりと言いましょうか、必然的な流れで回数券が廃止になったと感じることができます。
普通車指定席用の東京(都区内)~新大阪(市内)等を含む16区間が終了の対象です。
※JR東海の告知は 3月31日付で行われていますので、JR西日本よりも随分と早くにあったようですね。
新型コロナによる非接触への要請が直接のトリガーになったとは思いませんが、ネットによる手続きが普及したことによる時代の変化というのは間違いないと思います。
JR西日本の遅延証明書のネット配信などもその一例ですが、チケット(紙)が電子化していき、ますます便利になることを楽しみにしています。