485系 特急「白鳥」
個人的に、14系以降のブルートレインに次いで好きな(というか、思い入れのあるのが)、485系の特急型電車です。とはいえ、正直なところ古い印象のあるボンネット型はちょっと苦手で、485系でも200番台以降、という限定です。
なので、国鉄時代の485系200番台は、まさに望んでいたところで、2024年末のTOMIX製品の発売を楽しみにしていました。
まずは標準でセットされている「やまびこ」として走らせたのが、こちら。
でも、関西に住んでいると、やっぱりこれ。北陸本線を北へと走る特急「白鳥」です。
特急「白鳥」
特急「白鳥」の名前は、1961(昭和36)年10月改正で生まれています。いわゆるサンロクトオ改正ですね。
このときから大阪と青森との間を走る列車だったんですが、奥羽本線の秋田-青森間の電化は10年後の1971(昭和46)年、羽越本線の全線電化はさらに翌年のことですので、使用した車両はディーゼルのキハ82系。
しかも、大阪-直江津間を、大阪-金沢-直江津-長野-上野と走る編成(こちらも特急「白鳥」)を併結していたのが面白いところです。
北陸と首都圏とを結ぶ特急としての役割もあったので、どちらにも主従が無いというのか(列車番号を見ると青森編成が主なのでしょうが)、青森編成、上野編成ともにキロ、キシを1両ずつ連結するキハ82系の6両編成。大阪から直江津までは12両での運転です。
走行経路で、終盤時と異なるのは、まだ湖西線が開通していなかったので米原経由だった、ということと、新津からそのまま羽越本線に入っていた(新潟駅を経由しなかった)ということですね。
この当時では、関西-新潟県を走る唯一の特急列車ですから、新潟駅を通っても良さそうな感じがしますが(後の寝台特急「日本海」は深夜帯になるため新潟駅を通らないのは妥当だと思ってます)、新潟駅・白新線を経由する距離の増加と、新潟駅での方向転換での時間ロスを減らしたかった、ということなんですかね。
当時のダイヤ(一部駅のみ記載)は、
(下り)大阪 8:05 - 12:16 金沢 12:19 - 15:06 直江津 15:09 - 16:58 新津 17:01 - 20:59 秋田 21:02 - 23:50 青森 (直江津 15:09 - 16:36 長野 16:38 - 20:35 上野)
(上り)青森 5:20 - 8:07 秋田 8:10 - 12:07 新津 12:10 - 14:01 直江津 14:06 - 16:59 金沢 17:02 - 21:12 大阪 (上野 8:50 - 12:35 長野 12:37 - 13:54 直江津)
でした。
編成の変更などがあったものの、この運転形態が4年ほど続き、1965(昭和40)年10月改正で、上野編成が特急「はくたか」として独立。ここまでの話は、
で、触れてましたね。
この改正から特急「白鳥」は大阪-青森間を単独で走ることになり、同時に新潟駅経由となっています(ダイヤは判りません…)。ちなみに、「白鳥」の名前は新潟県阿賀野市にある瓢湖に飛来する白鳥が由来とされていますので、羽越本線、新津-新発田間にある水原駅が最寄りなわけですから、新潟駅経由で遠ざかっちゃったんですね。。
特急「白鳥」、次に大きな変化となるのが、1972(昭和47)年10月の、羽越本線・白新線電化による改正です。これで、ディーゼル特急から、485系の電車特急へと変わりました。ディーゼル時代は所属は向日町運転所でしたが、青森運転所の485系となっています。
この改正でのダイヤの情報は無いのですが、1972年3月改正では下りが14時間40分かかっていたのが、13時間40分と、1時間の短縮となったようです。
1975(昭和50)年3月改正で、米原経由から湖西線経由に変わり、所要時間は12時間47分となったそうです。
TOMIXの「国鉄 485系特急電車(クハ481-200)基本セット」のページに編成例として記載されている「特急「白鳥」(1975年頃)」の通り、編成端寄りにサロ481が2両となる13両編成でしたが、1978(昭和53)年8月にはグリーン車が編成中ほどに1両となり、同じく編成例にある「特急「白鳥」(1978年頃)」の通りとなっています。
1978(昭和53)年10月の改正では、列車そのものには大きな変化はないのですが、鉄道ファンとしての大きな変化がトレインマークのイラスト化ですね。湖を飛び立つ白鳥の姿がデザインされています。
今回は、この頃の「白鳥」を走らせてみたいと思っています。
次の大きな変化は、1982(昭和57)年11月のダイヤ改正。上越新幹線開業に伴う大規模な改正です。金沢-青森間を走っていた急行「しらゆき」の発展的解消で、福井-青森間の特急「白鳥」が1往復誕生しています。大阪発着が「白鳥3号・2号」、福井発着が「白鳥1号・4号」となりました。福井発着の方は、同じ青森運転所の485系ですが、食堂車の無い9両編成だったようです。
この写真は、恐らく1981年頃に撮影した写真です。1982年11月の改正前、というのは確かだと思うので(アルバムの貼付順からの推測なので100%ではないですが…)まだ1往復だった頃ですね。
ただ、見ての通り、貫通扉は無く、つるっとしてます。クハ481の300番台ですね。
この頃、青森運転所のクハ481は、既に200番台は少数派で、300番台で姿を見せる方が多かったのかもしれません。
1984(昭和59)年11月改正で大阪発着の編成からも食堂車が無くなります。翌年3月の改正で、「白鳥1号・4号」は、「北越」「いなほ」に分割される形で廃止に。再び「白鳥」は1往復となっています。
この改正で向日町運転所の10両編成へと置き換わったんですが、翌年1986(昭和61)年11月改正で再び移動。JR移行後を見据えた移動ですね。新潟の上沼垂所属の9両編成へと変わっています。
そのままJR東日本持ちの列車となった「白鳥」ですが、大阪-青森を走る「白鳥」がそのど真ん中ともいえる新潟が本拠地だったのは、大阪-新潟を走る「雷鳥」が残っていたからこそ、でしょうね。
車両がグレードアップ改造されたり、いわゆる上沼垂色と言われるカラーになったりといった変化がありつつ、安泰だった「白鳥」は、1997(平成9)年3月改正で受け持ちが再び向日町へと変更となります。国鉄色のボンネット型、クハ481の100番台での運用が多かったような印象です。
その4年後となる2001(平成13)年3月の改正で、ついに「白鳥」は廃止となってしまいました。「雷鳥」「北越」「いなほ」へと分割、という形ですね。
大阪-青森間を走り続けて40年。その廃止からも今年の3月で24年になるんですが、今でも頭の中(心の中)には、偉大な昼行特急として刻まれています。
トレインマークの付け替え
と、「白鳥」の歴史を振り返ってみると、やっぱり、トレインマークを掲げて、食堂車込みの12両編成で走っていた時代が一番「白鳥」らしいかな、と思います。
そんなわけで、TOMIXの「国鉄 485系特急電車(クハ481-200)」を「白鳥」に仕立ててみたいと思います。
まず用意したのが品番0844の「トレインマーク(485-200系用・イラスト・B)」。
梱包の状態だと、中身が見えないんですね。。
プラスチックの外箱を開けると…。
この通り。
「白鳥」の他に、「あいづ」「ひたち」「かもめ」がセットされています。
イラスト入りのトレインマークは、0840「トレインマーク(485-200系用・イラスト・A)」が、「はつかり」「ひばり」「にちりん」「雷鳥」。0868「トレインマーク(485-200系用・イラスト・C)」が、「やまびこ」「北越」「有明」「しらさぎ」となっています。
「やまびこ」は標準セットのものと被ってしまいますが、基本セットに「いなほ」が同梱されていますので、全部買いそろえると、13の列車名で走らせることができるわけです。もっとも、このトレインマークはクハ489でも使用可能なので、クハ481で全13列車が走ったかどうか、は判りません。
見ての通り、トレインマーク以外は透明なパーツ。それぞれランナーで引っ付いています。
根本側の2ヶ所を切り離す必要があるのですが、支持部が太めな上に素材が硬いので、ちょっと切りにくいですかね。
バリを極力削った方がいいのかな、とは思うのですが、取り付けはかなり削った後に行ったので、「残っていると入らないかどうか」、は未確認です。
面白いのは、トレインマークの取り外し、ですね。
クハ481を裏返します。
ヘッドライト・テールライトのON/OFF切替スイッチのように見えますが、ONからOFFのその先に、「EJT」というトレインマーク取り外し用の位置があります。
このスライドをEJTの位置に押しやると、トレインマークが飛び出す仕組みです。
これは楽でいいですね。
ブルートレインのように、床下ユニットからボディを外して、左右の窓ガラスパーツを外して、前面窓ガラスのパーツを外して…、という作業が必要なく、裏側からスライドスイッチを移動させるだけでこの状態ですから。
ちなみに、外した状態で点灯させるとこんな感じ。
取り付けるときは、EJTに戻しましょう。
このトレインマークのスペースに、「白鳥」を押し込みます。
傷付けないように押し込むと、多少の手応えはありますが、入った感触もあります。
逆さのまま取り付ける必要はなかったのかもしれませんが、このように、きっちりと収まります。
このとき、
物理的にOFFの位置までスライドスイッチが動いているのが素晴らしいですね。
もちろん、この後、ONの位置まで動かしておくことを忘れずに。
いいですね。「白鳥」です。国鉄時代の。
室内灯の取り付け
というわけで、今日の作業は終わりなんですが、これだけだと寂しいので、12両編成中、2両だけ、室内灯を取り付けてみました。ターゲットは、普通車以外の2両。グリーン車と食堂車です。
といっても、ボディを外して、この純正室内灯を取り付けるだけ。
サロ481なら、写真右側の2つ開いた穴に、室内灯の集電スプリングを差し込むように取り付けるだけ。
スプリングの部分は、室内灯のユニットをしっかりとホールドするような機構になっていますので、ズレる心配もありません。床下にある集電板へのテンションも保たれますから、接触不良によるちらつき防止にもなっているのかな、と思います。
サシ481も全く同様です。
座席をしっかりと照らしてくれるようになりました。
残る10両は、そのうち、ですかね。。
「白鳥」の編成
TOMIXのページにある通りなんですが、おさらいを兼ねて。
1978(昭和53)年10月~1982(昭和57)年11月
←4002M 大阪
4001M 青森→
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
クハ481-200 | モハ484-200 | モハ485 | モハ484-200 | モハ485 | サロ481 | サシ481 | モハ484-600 | モハ485 | モハ484-200 | モハ485 | クハ481-200 |
自由席 | 自由席 | 自由席 | 指定席 | 指定席 | グリーン | 食堂車 | 指定席 | 指定席 | 指定席 | 指定席 | 指定席 |
大阪-新潟間 逆編成
4001M、4002Mに限れば、1984(昭和59)年11月まで、同じ編成での運転でした。2往復となったので1982(昭和57)年11月まで、としています。
それと、この編成表、「やまびこ」から流用したので、青森運転所基準での向きです。なので「大阪-新潟間が逆」です。
実は、時刻表1978年10月号の「列車の編成ご案内」を見ていて、「あれ?編成が逆じゃない?」と思ったら、「新潟-大阪間逆編成」の注意書きが。大阪人に陥りがちな間違いですね(笑)
というわけで、走らせてみたいと思います。
走行の様子
まずは、いつものように駅からの発車と通過の様子から。
やっぱり、室内灯のある車両は華やかですね。いずれは、全車に。。
「やまびこ」とは、トレインマークの違いでしかないんですが、思い入れの強い列車は、その「違い」を感じてしまいます。
駅での写真を何枚か。
国鉄時代の電車特急は12両編成くらいが普通の長さでしたから、絵になります。実際の(模型での)ホーム有効長は7両分くらいしかないんですが。。
木製ベンチとコンクリート製の水飲み場は、やっぱり国鉄時代の車両とマッチしますね。
せっかくなので室内灯の点いた車両をメインに。食堂車はテーブルに向かい合った4つの椅子が細かく作り込まれてます。
続いては、カーブでの走行シーン。
いつもより、カメラを動かしてみましたので、違った雰囲気を味わえるかと思います。
後半、すれ違う列車は、羽越・奥羽本線を青森へと向かう急行「きたぐに」。新潟駅で寝台車を切り離した後の日中仕様です。「白鳥」のトレインマークにイラストが入った1978(昭和53)年10月改正以降は、「きたぐに」からグリーン車が外され、ED75-700番台に、オユ10、12系客車6両という編成です。
なので、「白鳥」は上りの大阪行。ですので、前からサロ・サシの順です。
続いて写真をいくつか。
やっぱり485系国鉄色の「白鳥」。いいですね。夜行列車ではなく、昼行特急として最長距離を駆けた貫禄を感じます。知ってる世代だからですが。
S字カーブらしい1枚になりました。
最後の1枚は、ホームでの写真になりますが、こちら。
12系「きたぐに」と。これが撮りたかったので、「きたぐに」が下りだったんですね。どっちがメインなんだか。。
というわけで、485系200番台を子供の頃から好きだった特急「白鳥」として走らせたお話でした。
485系は数多くの車両が製造されただけあって、いくつもの特急に使用されていますので、模型の方でも、もうちょっといろいろと展開させてみたいですね。
最後に、特急「白鳥」のこの編成が走っていた頃の時刻表を「時刻表 1978年10月号」から引用して掲載しておきたいと思います。
【参考】特急「白鳥」時刻表
【下り】
4001M | ||
大阪 | (発車番線) 発 | (11) 1018 |
新大阪 | 発 | 1023 |
京都 | 発 | 1052 |
敦賀 | 着 発 | 1159 1201 |
福井 | 着 発 | 1236 1237 |
芦原温泉 | 発 | 1249 |
加賀温泉 | 発 | 1302 |
金沢 | 着 発 | 1330 1332 |
高岡 | 着 発 | 1402 1402 |
富山 | 着 発 | 1416 1418 |
糸魚川 | 着 発 | 1513 1514 |
直江津 | 着 発 | 1542 1544 |
長岡 | 着 発 | 1637 1638 |
東三条 | 着 発 | 1653 1654 |
新津 | 着 発 | レ レ |
新潟 | 着 発 | 1724 1730 |
新発田 | 着 発 | 1753 1753 |
村上 | 発 | 1819 |
あつみ温泉 | 発 | 1904 |
鶴岡 | 着 発 | 1929 1930 |
酒田 | 着 発 | 1952 1954 |
羽後本荘 | 着 発 | 2043 2044 |
秋田 | 着 発 | 2117 2119 |
東能代 | 着 発 | 2205 2205 |
鷹ノ巣 | 発 | 2228 |
大館 | 着 発 | 2244 2246 |
弘前 | 着 発 | 2319 2319 |
青森 | 着 | 2350 |
11便 | ||
青森(青函航路) | 発 | 010 |
函館(青函航路) | 着 | 400 |
2便 | ||
函館(青函航路) | 発 | 040 |
青森(青函航路) | 着 | 430 |
4002M | ||
青森 | 発 | 450 |
弘前 | 着 発 | 519 520 |
大館 | 着 発 | 554 556 |
鷹ノ巣 | 発 | 611 |
東能代 | 着 発 | 634 634 |
秋田 | 着 発 | 720 722 |
羽後本荘 | 着 発 | 756 757 |
酒田 | 着 発 | 852 854 |
鶴岡 | 着 発 | 915 916 |
あつみ温泉 | 発 | 940 |
村上 | 発 | 1022 |
新発田 | 着 発 | 1047 1048 |
新潟 | 着 発 | 1110 1116 |
新津 | 着 発 | レ レ |
東三条 | 着 発 | 1146 1146 |
長岡 | 着 発 | 1202 1203 |
直江津 | 着 発 | 1257 1259 |
糸魚川 | 着 発 | 1326 1327 |
富山 | 着 発 | 1423 1425 |
高岡 | 着 発 | 1439 1440 |
金沢 | 着 発 | 1509 1511 |
加賀温泉 | 発 | 1538 |
芦原温泉 | 発 | 1550 |
福井 | 着 発 | 1603 1604 |
敦賀 | 着 発 | 1640 1642 |
京都 | 着 | 1746 |
新大阪 | 着 | 1819 |
大阪 | 着 (到着番線) | 1825 (4) |