TOMIX 24系25形「はやぶさ」

2022年の5月下旬、KATO 24系25形寝台特急「富士」のセットを購入した話を書きました。

1985年3月からオハ24-700のロビーカーが連結され、牽引機関車がEF66になるまでの編成です。24系25形のB寝台車を中心に、オロネ25のA個室寝台車、オシ24の食堂車、それにカニ24の電源車からなる14両編成で、いわゆる「ブルートレインブーム」の花形列車ですね。

それから7ヶ月が経過した12月下旬。TOMIXからも、24系25形の「はやぶさ」セットが販売されました。当初予定から1ヶ月ほどの遅れになりますが、クリスマスプレゼントに間に合わせたかのようなタイミングになりましたね。

TOMIX 98802「国鉄 24系25-100形特急寝台客車(はやぶさ)セット」

KATOのセットが1985年3月までの編成に対して、TOMIXのセットは、1985年3月からの編成です。

オハ24のロビーカー、オシ24、オロネ25、カニ24、B寝台のオハネ25、それに2両のオハネフ25(100番台と200番台が1両ずつ)が7両のセットになった商品です。

もちろん、これで満足はしないですよね。やっぱり、当時の編成を再現してみたい、と。

というわけで、同時に購入したのが 98803「国鉄 24系25-100形特急寝台客車増結セット」。これは、オハネフ25が1両とオハネ25が3両の4両でセットになった商品です。これを2組購入することで、1985年3月から1986年11月までの寝台特急「はやぶさ」15両編成を再現することができます。

7両編成のセットはブック型プラケース。4両編成はウインド付紙箱です。

TOMIXの紙箱のセット商品は初めて購入するので、こんなスタイルだと知らなかったんですが、車両型に切り抜かれた発泡スチロールが4つ、上下に並んでいます。てっきり一体かと思ってましたが、4個別々です。

では、さっそく取り出してみましょう。

九州方面行の下り列車で最後尾となるオハネフ25は、TNカプラー。一方、機関車の次位となるカニ24はアーノルドカプラーです。

トレインマークは白飛びしちゃいましたが、「はやぶさ」がセットされています。

KATOのカニ24と違って、初期型のマイクロスカート付きですね。これぞブルートレインの電源車、という貫禄というんですかね、「らしさ」があります。

セットには、カニ24の交換用TNカプラーがセットになっています。

写真には撮ってないですが、もう1両のオハネフ25(200番台)は、アーノルドカプラー。最後尾以外はすべてアーノルドカプラーということですね。

TOMIX 8690「国鉄 24系25-100形特急寝台客車増結セット」

左:基本セットのオハネフ25(最後尾用) 右:増結セットのオハネフ25

前述の通り、オハネフ25と3両のオハネ25がセットになった商品で、そのオハネフ25が上の写真の右側。アーノルドカプラーで、トレインマークも入っていません。

付属品として、好きなトレインマークが選べるシールが用意されています。

これ、見たところ「出雲化」のときに使用した9525「国鉄客車 オハネフ25-0形(前期型・A)」に付属のシールにそっくりですが、シール周囲の文言が変わってますね。

「PRINTED IN JAPAN ver.1 2022」とあるので、今回の商品のために新製されたことは間違いないんですが、気になるのは、商品の型番。セット品番の98802、98803と、9537、9538(いずれも同時に発売開始されたカニ24-100)は判るとして、9523、9525、9527が気になるところ。

9523「国鉄客車 オハネフ25-100形(銀帯)」、9525「国鉄客車 オハネフ25-0形(前期型・A)」、9527「国鉄客車 オハネフ25-0形(後期型)」、いずれも2018年5月に発売された単品車両です。

市場では既に見られなくなった(入手が難しい)単品車両。今回のセットものの金型を利用しての単品再販(リニューアル)もありうる、ということなんでしょうか。

ちなみに、増結セットには、オハネフ25交換用のTNカプラーは入っていません。

基本セットのもう1両のオハネフ25用にもありませんので、中間車はあくまでもアーノルドカプラーで、ということですね。もちろん、0374 密自連形TNカプラーへの交換には対応していますので、中間車でも気にする方はどうぞ、ということでしょうか。

車番へのこだわり?

TOMIXといえば、転写シートでの車番貼付。自分で車番を選択できます。

最初の苦労話はこちらに書いています。

急行「だいせん」「ちくま」や寝台特急「あかつき・彗星」の頃は、そもそも寝台客車そのものが減少していて選択できる車番も限定的だったんですが、国鉄時代の24系25形。まだまだ大量に走っていた頃です。

なので、選択肢も豊富。

オハネフ25-100だけで15種類から選ぶことが出来ます。1両しかないオハネフ25-200用でも7種類から選択できます。

オハネ25は23種類ですね。

しかもそれだけでは終わらず、増結セットには、別の番号が用意されています。

カニ24-100用の車番が入っているは単品カニ24-100と共通だからのようです。

これだけあっても当時走っていた車両全てを網羅はできませんから、予備車体番号として、組み合わせて使える番号が用意されています。これで万全です(が、位置合わせなどが面倒なので、そこまでのこだわりはないです。。)

では、車番に何を選べばいいの?というところですが、なんせ実際に走っていたのは37年近く前の話。インターネットなんて一般的ではなかった時代ですし、当時の車番情報を手に入れるのが難しいんですね。

編成表とかがあればいいんですが、手元にはありません。

なので参考にしたのが、当時の書籍。

1985(昭和60)年7月に発行された「鉄道ジャーナル別冊No.25 ブルートレインⅢ」です。この本については、別記事にしてもいいくらいに懐かしいものなので、ひとまず、今回必要なところだけ。

1つめの特集「はやぶさは征く」。東京-西鹿児島間の乗車ルポですね。

このページの右下にあるのが、昭和60年3月20日、ロビーカーが連結されたダイヤ改正直後の下り「はやぶさ」の編成です。

これを再現できれば…、と期待したんですが、結論としては、下記の通り。

実車転写シート代用
電源車カニ24 22※1カニ24 7
1号車オロネ25 9あり
2号車オハネ25 226あり
3号車オハネ25 128なしオハネ25 127
4号車オハネ25 112なしオハネ25 111
5号車オハネ25 139なしオハネ25 136
6号車オハネフ25 106なしオハネフ25 105
7号車オハネフ25 202あり
8号車オシ24 1※2オシ24 101
9号車オハ24 702あり
10号車オハネ25 122あり
11号車オハネ25 208あり
12号車オハネフ25 118なしオハネフ25 117
13号車オハネ25 114なしオハネ25 113
14号車オハネフ25 128なし ※3オハネフ25 127
※1 セットのマイクロスカート車はカニ24 1~8
※2 セットの食堂車はオシ24 100番台
※3 オハネフ25 128 は、増結セットに含まれているのを見落としていました。。

シールに無いものは、近い番号のものを割り振りました。一応、その番号が1985年4月1日時点で、「はやぶさ」と同じ品川客車区に所属していたことを確認しています。

オシ24-100番台は、オシ14を改造した車両で、0番台は24系用に新造された車両です。ちなみに、オシ24、オシ14ともに、1985年4月1日時点で、全車両共に品川客車区の所属。そりゃそうですよね。当時ブルートレインの食堂車は東京発着の列車しか無かったわけですから。

上記の通り、半分近くが代用になってしまいましたが、かといって、予備車体番号を使って再現するほどでもないな、と。

そんなわけで、全15両の車番を確定。

ちなみに、不覚にも悩んでしまったのが、2号車、11号車に連結された200番台のオハネ25。

オハネフ25-200番台は、車掌室側が半折妻になるなど100番台との違いが見た目にも明らか。

で、オハネ25-200番台?

ネット上を探してもオハネ25の200番台なんていう情報はまったくありません。調べること数十分。得た結論が、オハネ25に200番台なんて、無い。

オハネ25-100番台の製造車両数が100両を超えて、200を超えた、というだけのこと。

オハネ25-208は、オハネ25-100番台の108両目、というだけのことですね。今の時代からは考えられない車両数です。

というわけで、なんとか、車番の転写が完了です。結構かかりました。

やっぱり、車番が入ると雰囲気が変わりますね。

オハネフ25にカプラーチェーン

車番を入れた後は、パーツの取り付け。

左の上から、カニ24用ステップ、その右にカニ24用TNカプラー、ヘッドマーク。その下にある半円形のパーツは電話アンテナ用穴開け治具。右にあるのがオハネフ25-100用前面窓ガラス(トレインマーク印刷なし)、同じくカニ24用前面窓ガラス。

ステップの下がカプラーチェーン。その右にあるのがカニ24用カプラーなし台車枠、その下がオハネフ25-100用台車枠、電話アンテナです。

電話アンテナは、上級者向けのオプションで、説明書には「後年には電話アンテナが取り付けられていました。時代設定に合わせてお好みでご使用ください。」とあります。国鉄時代には無かったものですね。なので、取り付けは見送ります。

というわけで、まずは、カプラーチェーン。

名前だけ聞くと、なんだそれ?ですが、連結器の下にチェーンでぶら下がってる、コレです。

2005年1月 新山口駅にて

説明書には「オハネフ25-100形を最後尾にして走行させる場合、お好みで車掌室側のTNカプラーにカプラーチェーンを取り付けることが可能です。」とあります。ですので、取り付けると機関車への連結が出来ない、ということなんでしょうね。

撮影角度が悪かったのか、そもそも取り付けが悪かったのか、なんか、浮いているように見えるのは調整が必要、ということなんでしょうか。。

カニ24をTNカプラー化

次に、アーノルドカプラーのカニ24をTNカプラー化。付属品との交換です。

まずは、ボディを外し、台車を取り外します。

台車のネジ、思いのほか、固かったです。

次いで、台車(写真右側)から車輪・集電シュー・集電スプリングを取り外します。

それを、カプラーなしの台車枠(写真左側)に取り付けます。

TNカプラーとステップを取り付けた後、台車を取り付け、ボディを戻すとこの通り。

アーノルドカプラーのときとは雲泥の差ですね。

もっとも、オハネフ25にカプラーチェーンを取り付けたので、このカニ24が最後尾となることはしばらく無いでしょうが。。

左:KATO カニ24 右:TOMIX カニ24

KATOのカニ24と、マイクロスカートのTOMIXカニ24を並べてみました。どちらがいい、悪いではなく、それぞれに良さがありますね。

写真撮影

というところで、いつもならばここで走行シーンの動画を載せるところですが、タイムオーバー。

少しだけ線路を敷いて、静止画を何枚かだけ撮影しました。

まずは、夕暮れ時を走る下り「はやぶさ」。

続いては、今回の目玉、ロビーカーのオハ24-700。

カニ24を最後尾にして走る上り「はやぶさ」。

最後は、せっかくのカプラーチェーンを見せるために照明を当ててみました。偶然ではあるんですが、カント付きレールでありながら、チェーンが重力に従って真っすぐ下に落ちているように見えて、なんか、リアリティーのある写真になりました。

さて、みなさん。お気付きの通り、機関車がいません。静止画ですからね。

EF66に牽かせて実際に走らせることができるのは、時間の都合上、もう少し先。年始になるかもしれません。

というわけで、今回はここまで。TOMIXの「国鉄 24系25-100形特急寝台客車(はやぶさ)セット」のお話でした。