EF65形500番台と20系寝台特急「出雲」

ブログの更新におよそ1ヶ月間のブランクがありましたが、各週末にいろいろと立て込んでしまって、この週末にようやく一息つけた感じです。ちょっとだけ余裕が出来た、というところですかね。

EF65形500番台

久々の更新となるものの、前回のマイテ49ほどのインパクトがあるテーマではありません。

私自身、実車と接点が無かった、という意味では共通なのですが、EF65の500番台です。

東海道ブルートレインといえば、EF65の500番台だ、とおっしゃる方もおられるでしょうが、私はもう少し後の1000番台の世代なんですね。

1000番台の前面貫通ドアと円い「富士」や「はやぶさ」のヘッドマークの組み合わせに懐かしさを感じる世代で、500番台は過去のものという印象があります。

なのに、KATOの3060-4「EF65 500番台 P形特急色」を購入してしまったのは、あえて過去の列車を走らせたかったから。

といっても、同時に発売された「さくら」ではありません。こちらは購入を見送りました。

以前に20系「あさかぜ」に興味がない、という話を書きましたが、この「さくら」も同じく、世代的に古すぎて懐かしさは全く感じないんですね。

「さくら」といえば、14系14形(しかも3段の頃)です。なので20系「さくら」は、歴史上の列車。さらに言うと、カニ22とマヤ20の電源車、ともにスタイルが好きじゃないんですよね。。

この姿が「懐かしい」という方にはジャストフィットなんでしょうけど。

走らせたかったのは20系「出雲」。

半年ほど前に、DD54で牽いた車両です。

もともと、20系寝台車+12系座席車の急行「ちくま」「さんべ」を走らせたい、という理由で購入した20系車両ですが、ユーズドのナハネ20を買い増していくうちに東京発着のブルートレインが再現できるほどの両数になってしまった、という背景で、「ならば東海道本線を走らせてみよう」と思ったときに、「あれ?機関車がない…」となったわけです。

実は、1両、EF65形500番台があるにはあるんですが、30年以上前の製品で、最近ではスムーズに走らなくなっているため、出番も無くなりました。

2021年11月撮影

実車の方はというと、JR東日本には、まだ現役の車両が1両現存していますので完全に歴史上の車両ということも無く、手元にあってもいいかな、と購入に踏み切った次第です。

EF65形500番台とブルートレイン

EF65は1965(昭和40)年、国鉄時代に開発された直流用電気機関車で、EF60の後継として登場しました。EF60からEF65の間には、ご存じのようにEF61、EF62、EF63、EF64とありますが、それぞれの役割の違いから、EF65はEF60の後継、となるようですね。

もともとは貨物牽引用に開発されたEF65(0番台)ですが、20系客車を牽引するために必要な装置を搭載したのが500番台。こちらも、EF60形500番台からの置き換え、という意味での後継になります。

後に登場する1000番台とは初号機の登場が4年ほど開きますので、てっきり0番台と500番台も年代(世代)の違いかと思っていたんですが、0番台と500番台(P型)、500番台(F型)ともに、1965(昭和40)年から製造されていたようです。

500番台(P型)の誕生目的が前述の通り20系客車の牽引ですから、東海道・山陽本線を走る20系ブルートレイン「あさかぜ」や「富士」、「あかつき」等の牽引に当たりました。

1969(昭和44)年には1000番台が登場するんですが、意外にも東海道・山陽ブルートレインの置き換えではなく、東北本線(上野-黒磯間)の旅客・貨物輸送を担うため。寒冷地仕様というわけですね。そのため、寒冷地での重連運用を考慮しての貫通扉設置となったそうです。

なので、1000番台が最初に牽いたブルートレインは「あけぼの」でした。

このまま1000番台が大量に増産されるのかと思いきや、1972(昭和47)年3月の山陽新幹線岡山開業のダイヤ改正では、EF65形500番台が担っていた関西ブルトレがEF58に置き換えとなっています。

これら関西-九州ブルトレのEF58での運用がEF65に戻るときには500番台ではなく、1000番台へと置き換わっています。それが1979(昭和54)年7月のこと。「日本海」「つるぎ」は、翌1980(昭和55)年3月に湖西線経由へと変更になり、その際にEF81での通し運転(「日本海」は秋田からED75形700番台)に変わっています。

もちろん、その間も東京発着のブルートレインはEF65形500番台が牽引していて、1978(昭和53)年10月に一斉にEF65形1000番台に置き換わるまで、500番台が九州ブルトレの顔となっていました。この頃、東京口のブルートレインは既に20系から24系25形、14系14形へと置き換わっています。500番台は20系とセットで考える必要はない、ということですね。

九州では無いものの、「出雲」「瀬戸」も同時期に1000番台へと置き換わりましたので、東京口でのブルートレインを牽引する500番台はその頃までの姿となります。

一方で1000番台はその7年後、1985(昭和60)年3月改正で、「はやぶさ」にロビーカーが追加されることによる牽引力不足から、「はやぶさ」だけでなく「あさかぜ」「さくら」「みずほ」「富士」が一斉にEF66へと置き換わりましたので、たった7年間だったんですね、1000番台は。

「出雲」「瀬戸」や関西-九州ブルトレでは、その後も長らく1000番台による牽引が続きましたので、東京-九州ブルートレインの顔としては500番台の時代が長く、EF65全体のブルートレインの歴史の中では1000番台の時代が長い、ということになるでしょうか。

いや、そんな風にまとめてみても、私はやっぱり東海道・山陽ブルートレインの顔は1000番台だと思ってるんですが。。

KATO 3060-4「EF65 500番台 P形特急色」

手持ちの旧製品と並べては無いんですが、前の写真とを比べても、やっぱり精巧さが違いますね。

付属パーツはこの通り。

左から、ナンバープレート前面用、ナンバープレート側面用、ヘッドマーク「あさかぜ」「富士」、ナックルカプラー。

ホイッスルや信号炎管、前面手すりは装着済みです。

ナンバープレート

選択できるナンバーは、
・EF65 501
・EF65 503
・EF65 505
・EF65 506

いずれも新製時は東京機関区に配属されています。

501は、この中で唯一、現在もJR東日本の車両として工臨やイベント列車の牽引で活躍していますが、それ以外はJR貨物に引き継がれたものの、全車が廃止になっています。

なので501を選択する、というのが無難なのかもしれませんが、あえて選んだのは503。とくに意味は無いんですが。。

カプラー交換

EF81などと同じく、スカートの下部分がつながっているため、スノープロウにカプラーを装着した状態での取り付けは出来ません。

スカートの開口部にナックルカプラーを通し、スノープロウを被せるようにすると簡単に…。

あれ? 前回のEF81のときは簡単にいったのに。

スノープロウと板バネの密着度の違いのようで、スノープロウを逆さに持つと板バネが落ちました。

なので、ちょっとだけ苦戦。板バネを戻して、カプラーを通したボディ側を上にして、下からスノープロウを付けるようにします。見えにくいので手探りですが、これも何度か付け替えた「慣れ」ですかね。

アーノルドカプラーよりもはるかに見栄えがいいです。

今回も牽引する車両はKATOの20系車両ですので、ナックルカプラーへの加工はしません。

最後に、EF65-1000用の「出雲」のヘッドマークを取り付けて完成です。

ボディのステップにぶつかるのでこの位置がせいいっぱい。実車の写真を見るとヘッドマークはナンバープレートにはかかっていなかったので、わずかに径が大きい、ということですね。

20系寝台特急「出雲」

EF65形500番台の機関車を手に入れたら20系の「さくら」や「あさかぜ」を牽引したい、という思いの方が圧倒的なんでしょうが、前述の通り、国鉄時代の14系14形「さくら」や24系25形「はやぶさ」などもアリということですね。

でも、私が牽きたかったのは20系「出雲」。というか、DD54で牽いたのと同じ編成です。

というわけで、編成表を再掲します。

寝台特急「出雲」

1972(昭和47)年3月~1972(昭和47)年7月

←2001ㇾ 浜田

2002ㇾ 東京→

1234567891011
カニ21ナロネ21ナハネ20ナハネ20ナハネ20ナシ20ナハネフ23ナハネ20ナロネ21ナハネ20ナハネ20ナハネフ22
電源車A寝台B寝台B寝台B寝台食堂車B寝台B寝台A寝台B寝台B寝台B寝台
7号車~11号車は 東京-出雲市間

機関車も車両も揃っているんですが、今回は車両に少しだけ、加工します。

赤から白へ

ユーズドで購入したKATOの 10-366「20系 寝台客車 7両セット」。ロットが古いものなので、ナハネフ22やカニ21、ナハネフ23のテールライトはムギ球です。なので、バックサインも赤みを帯びた色だったんですね。

時代的に、それもありかな、と思っていたんですが、白色LEDに置き換えるとかなり印象が変わりそうです。

今年の秋に、KATOから急行「さんべ」「かいもん/日南」の20系車両が発売されると公表されましたので、「オハニ36かもめ ライトユニット」が再販されるんじゃないかと期待してたんです。

で、パーツの予約を入れてみようとネットを見ていると、在庫を持っているショップがあることがわかったんです。

この手のパーツは何度も再生産される割に市場から無くなってしまうのも速いですからね。パーツの金額に対して送料が高くついてしまうのは仕方が無いですが、すぐに手に入れられるとあって、ナハネフ22とカニ21用に2つ購入。

さっそく取り付けてみます。

ムギ球をLEDにはんだを使って付け替える方法も(そうされている方も多々)あるんですが、パーツの価格が300円台ですからね。楽をしました。

付け替えは非常に簡単。

ボディを外して、床下ユニットからライトカバー(と言うのでしょうか・写真奥のもの)を取り外します。

パッと見た感じ、床下ユニットと一体になってそうに見えるんですが、下方にある片側2ヶ所ずつの留めを外すと簡単に取り外せます。

この照明基板を付け替えるだけです。2枚の集電シューを床下ユニットの下に潜り込ませるだけですから、特に悩む必要も無し。

唯一悩んだのが、

床下ユニットから出ている突起がLEDの基板に当たっていること。でも、これはもとのムギ球基板でも同じですので、問題ありません。基板を安定させるために必要な突起でした。

この後は、ライトカバーを戻して、ボディを付けるだけ。

奥がムギ球、手前が交換したLED。輝度が高めですが、こちらの方がリアル、ですかね。

同じように、カニ21も付け替えました。

EF65形500番台+20系「出雲」

というわけで、さっそく走らせてみます。

まずは、駅の発車からと、通過の様子。

続いては、カーブでの走行の様子。

EF65形500番台もそうですが、20系寝台特急も現役時代に馴染みのない世代ですが、カニ21、ナハネフ22の両端のスタイルはカッコいいですね。

私が子供の頃の全車寝台の20系と言えば、寝台急行「銀河」や「天の川」といった急行列車しかなく(少し古めの本で20系時代の「あけぼの」に接するくらいでしたでしょうか)、格落ち感はハンパなく、残念な目で見ていたんですが、こうして走らせてみると、素晴らしいの一言です。

と言っても、「あさかぜ」「さくら」の編成は購入しないでユーズド商品を漁っているんですけどね(笑)

最後に写真をいくつか。

これ、ちょっと無理してます。

どうしてもヘッドライト付きの写真を撮りたかったので、無理やり車両を止めてます。モーターには良くないのでこの瞬間だけですけどね。

こちらも同じく。

やっぱり、ヘッドライトが灯ると「生きている」感じがします。

ムギ球の時は、「これでいいんだ」と強がってましたが、やっぱり赤みが強いよりは白色LEDの方がリアルに感じますね。

https://try-widely.com/limited-exp-izumo-dd54/ から再掲

DD54+20系「出雲」

最後に、動画を一つ。

深夜の京都駅で機関車を交換したあとの姿、DD54が牽引する20系「出雲」です。

前回は、照明器具の明滅周期の関係で、ひどい動画しか撮れなかったので、この機会に撮りなおしました。

せっかくなのでバックサイン入りのも撮ればよかったんですが、DD54を主体にしたかったので、これだけです。

今使用している照明機材については、またいずれ記事にしたいと思ってます。

やっぱり、300円LED照明で動画を撮るのは無理があった、ということですかね。。

というわけで、今回はEF65形500番台で20系「出雲」を走らせたお話でした。