QNAPのOS QTS 4.5.4.1892 Build 20211223 リリース

2021年12月23日に、QNAPのOS QTS4.5.4.1892 Build 20211223 がリリースされました。

変更内容は?

9月に、QNAPのOS QTS4.5.4.1800がリリースされたという記事を書きました。

それから、3ヶ月。

これまでのバージョンの積み重ねとは意味が違うリリースになったようです。

QTS5.0.0が正式にリリースされ、開発の本流がQTS5系に移った感がありましたから、QTS4系は、QTS4.5.4.1800で最後になるのか、とも思っていました。3ヶ月間、リリースが無かったですからね。

いろいろな制約でQTS5系にアップデートできない環境もあるでしょうから、QTS4系を使い続けるニーズもあると思います。そうなると、セキュリティ面でQTS4.5.4.1800を使い続けるのに問題が出てきそうです。世の中、悪い方の進化も速いですからね。

では、内容の確認を。

内容としては、当然ながらまず「セキュリティアップデート」があります。この詳細は明らかにはなっていませんが、それと「バグフィックス」です。

3ヶ月開きましたからね。このバグフィックス、33件が列挙されています。

ですので、気になったところをピックアップ。

– QTS would occasionally stop responding when users updated the firmware.

ん?これは怖いですね。ファームウェアアップデートでQTSが応答しなくなることがあった、と。アップデート後、ずっと応答しないなら致命的すぎますから、そういうことではない、と信じたいところですが、いずれにせよ、今回の修正で改修されているようです。

– File Station could not sort certain folder names in ascending order.

この問題は、ずっと尾を引いてますね。ファイルステーションでのフォルダ名のソート順問題です。正しくソートできない、というもの。

なので、今回の改修で100%改善したかどうかは…。

– Users sometimes could not finish updating the virus definitions from ClamAV (Clam Antivirus).

確かに、これはありました。ClamAVのウイルス定義更新が出来ていないことが稀に。まぁ、定義取得先もネットワーク上ですし、そういうこともあるのかな、くらいに思っていたんですけどね。改修した、ということはQTSのバグだった、ということですね。

– Fixed multiple security issues (CVE-2020-25684, CVE-2020-25685, and CVE-2020-25686).

複数のセキュリティに関する問題を修正した、とのこと。

DNS や DHCP 等のオープンソースソフトウェア Dnsmasq が抱えていた問題のようです。ソニーやヤマハ、オムロン等、名だたるメーカーもこの問題に対応済みです(国内メーカーは、かなり早い時期に対応されていたようですが…)。

まぁ、QTSもようやくリスク回避をしてもらった、ということでアップデートしておきましょう。

手動で更新

QTS4.5.4のNASを自動でアップデートさせよう、と2台のNASをテスト稼働させていました。

が、QTS 4.5.4.1723 を最後に、自動更新される様子が見えません。

QTS 4.5.4.1723 は7月8日にリリースされ、8月14日に自動更新されたのですが、4.5.4.1800 がリリースされてから3ヶ月が経過しても、変化は無し。もちろん、「QTS4.5.4.○○にアップデート可能ですよ」という案内はありますが、期待していたのは自動更新。

ただ、さすがに4ヶ月以上過去バージョンのまま放置しておくのもどうかと思い、久々に手動でアップデートしてみました。

最上段のTS-230です。

長らく再起動していなかったので、このようなダイアログが出ます。念のため、NASを再起動。

ログインしたときに表示されるこの画面から「更新」。

問題なく、4.5.4.1892にアップデートできました。

Qfinderのアップデート情報は信用できる?

3つ上の画像は、Qfinderの画面ですが、もうひとつの 4.5.4.1723 機にも「New↓」が出ています。

ところが、1台目をアップデートした後、しばらくしてみると、

こんな風に、最下段のNASは、バージョンが 4.5.4.1723 のまま、「New↓」が無くなっています。その上の 5.0.0.1858 もそうですね。

この現象は今回に限らず、結構頻繁に見られます。バージョンアップを司るサーバとの通信がうまくいっていないのか、Qfinderのソフトの問題なのか、バージョンアップがあるはずなのに、表示されないことがしばしば。

自動アップデートが出来なかったのも、そのあたりに原因があるのか関係ないのか…。

こうなってしまうと、コントロールパネルから「更新の確認」を行っても、

と、なってしまうんですね。

さすがに、アップデートファイルをQNAPのサイトからダウンロードして…、と考えるとちょっと面倒な気がするので、もう少し、「New↓」が復活するのを待ってみたいと思います。