283系 特急「くろしお」

ちょうど1年前、KATOの10-1840「283系 <オーシャンアロー> 6両基本セット」を走らせた話を書きました。
今回は、再び、この編成を取り上げたいと思います。
特急「くろしお」と283系
特急「くろしお」。1978(昭和53)年10月ダイヤ改正で381系の電車特急となったのが47年前のこと。
いっとき、485系が運用に入った時期もありますが、基本的には381系の独壇場でした。
283系が運用に入ったのが1996(平成8)年7月。今から29年も前のことなんですね。
「くろしお」として381系の運用が終了したのが2015(平成27)年10月。289系の登場で、287系だった運用が玉突きで381系を押し出した形です。
ですので、歴史としては圧倒的に381系の方が長いのですが、283系は、その独特のスタイルとカラーリングからインパクトのある車両として親しまれています。
再び取り上げた理由とは…
4月末から5月上旬のゴールデンウイーク。
ここ数年、このゴールデンウイーク期間中、少なくとも数日は鉄道模型を楽しんでいたんですが、今年はやりたいこととやらなければならないことがありすぎて、気付けば5月6日の大型連休最終日。
鉄道模型のテーマとしては、いろいろ考えていたんですが、時間がなかったんですね。
ならば、準備に時間がかからないものを…、と考えた時に頭に浮かんだのが、オーシャンアローです。
増結編成を買い足したわけでもないですし、手を加える要素がほぼない、と。気になっていたのは室内灯くらいですからね。
でも、なぜ283系なのか、というと、4月末に実際に乗車したから、です。
特急「くろしお30号」
大阪から1泊2日で、南紀へと旅行に出かけたんですね。完全な鉄道旅は実に久々で、これはこれでいずれ別記事として書きたいな、と思ってます。
その帰路に本州最南端の串本駅から大阪駅まで乗車したのが特急「くろしお30号」。おそよ3時間半の旅でした。




上り「くろしお」なので、貫通扉のあるクハ283が先頭で、流線形のクロ282が最後尾。乗車したのは3号車、モハ283だったんですが、結果的には串本から大阪まで、ずっと自席で、展望ラウンジには行きませんでした。大きな窓からの眺めは、それで十分でしたからね。
その記憶が強く残っている連休終盤の一日、手軽に楽しめる(手を入れなくても良い)283系を走らせよう、と至ったわけです。
室内灯の導入
我が家の廊下で走らせると、照明を点けたとはいえ、全体的に暗いですので、昼行列車は室内灯が無いと回送列車っぽくなっちゃうんですね。夜行列車は暗くても味がありますが。
というわけで、せっかくなので純正パーツで全車に室内灯を付けてみました。

常備では無いですが、何かに使おうと買っておいた 11-214「LED室内灯クリア(電球色)6両分入り」です。
電球色というと、旧客時代の本当に電球を使用していた車両に用いるもの、という思いが強かったんですが、最近の特急は柔らかな色合いの照明が似合うと思いますので、電球色がいいかな、と思い始めてます。
というわけで、その第一弾として導入してみました。
実際に電球色の室内灯を使用したのは、マイテ49の編成が最初で、今回が2編成目ですが、先のは本当の旧客ですからね。最近の特急車両としての第一弾、ということです。
クロ282
まず手を付けたのが、クロ282。

連結面側から外すと、簡単にボディを取り外せます。

純正パーツなので、集電板(集電シュー)を床下ユニットの隙間に差し込み、室内灯ユニットを被せるだけ。気を付けるのは、集電板と室内灯ユニットの脚がきちんと接触していることを確認することくらいです。
この上に照明板を載せます。

旧製品と仕様が変わって照明板にプリントがなくなり、逆向きに載せてしまうこともありましたが、覚え方としては、「両側にギザギザがある方が照明ユニットに近い方」、「ギザギザがひっつくのが照明ユニットから遠い方」さらには、「割れるように溝が彫ってある間隔が短いのが照明ユニットから遠い方」です。

最後のは、もろに影響する話です。
これまで、いくつか運転席のある車両にも室内灯を組み込んできましたが、たいがいは照明板の先端1ブロックを切り落とさないと、「ボディがはまらない」状態となってました。
が、このクロ282は、収まってしまうんですね。
ところが。

さすがに、ダメでしょ。これは。
で、悩みどころが、どこまで残すか、です。

とりあえず、1ブロックをカット。
カットとは言っても、切れ目がついていて、その前後(というのか左右というのか)をつまんでへし折るときれいに切断できます。さすがは純正パーツです。

うーん。どうでしょう。
客室の最前席の上にある切れ込みまでカットした方がいいのかどうなのか。
とりあえずは、このままにしておきたいと思います。
クハ283
同様に、先端部をカットするかどうか悩んだのが、反対側の運転席のあるクハ283。
まずは試しにとカットせずにボディを装着。

クロ282より、いい感じに光ってますね。全くカットしていないのに。
モハ283(動力車)
他の非動力車は、当然ながらカットなしで組み込みましたので、特に何の苦労も無く完了。
最後に手を付けたのが、モハ283。動力車です。

動力車は、モーターが入っているので床下ユニットも分厚く、室内灯を取り付けるのも何らかの細工がいるもの、と思っていました。
というのも、KATOの動力車に室内灯を取り付けたのは、いまのところサンライズエクスプレスの285系だけなんですが、このときは285系(7両編成)用に誂えられた専用の室内灯セットを使用していたので動力車用の準備が施されていたんですね。
しかも、室内灯の説明書には、集電シューの取り付け方として、動力車の場合、
①図のように集電シューをピンセット等で折り曲げます
とあります。
なので、覚悟していたんですが、

あれ?そのまま非動力車と同じように行ける…。
結局、特に動力車特有の加工は必要なく、取付を終えました。

今回の準備はこれで完了です。
特急「くろしお30号」
というわけで、「くろしお30」号として、走らせてみます。つまりは、クハ283を先頭に、ということですね。
いくつかの角度から撮影していたんですが、クハ283を先頭にして向かってくるところは良いのが撮れてなくて、似たような画角になってしまいました。
時間が限られていてた、というのもありますしね。
写真を何枚か。

動画にはなかったクハ283の前面です。

せっかくの室内灯なので、照明は落とし気味にしてました。夕暮れ時を走る「くろしお30号」という感じで。

続いては、最後尾のクロ282。
やっぱり、照明板をもう1ブロック、カットした方がいいんですかね。運転席の後ろに、大きなライトが付いているように見えてしまいます。

照明を弱くすると室内灯が活きてきます。
でも、電球色とはいってもシートというか、床下ユニットの色に引っ張られますね。

こちらは同じLED室内灯ですが、寒色系に見えてしまいます。
でも、室内灯が無いよりはよほどいいですね。
下の写真は、室内灯を取り付ける前のものです。

というわけで、あっという間に駆け抜けたゴールデンウイークのひと時、283系 オーシャンアローで旅の思い出に浸ったお話でした。