リバース線を気軽に組み込む(TOMIXポイントの話)
自宅で鉄道模型を楽しむようになって(趣味を再開して)1年が経過しました。
列車を走らせる線路は、いわゆるお座敷レイアウトで、毎回のようにアレンジを楽しんでいます。線路を固定しないことによるメリットですね。
基本は、複線の環状線。環状線という表現はオーバーですかね。楕円形です。単純な楕円だと面白くないので、オーバルをどのように歪ませるか。そのアレンジを毎回楽しんでいます。
手持ちの車両は、機関車が牽引する客車・貨車が多く、編成もそこそこ長いものが多いこともあって、一度、複線の外側か内側かのレールに乗っけてしまった後は、そのまま向きを変えることなく走り続けることが多いのですが、内・外の列車を入れ替えたい、と思うこともあります。
そんなときに役立つのがリバース線です。
鉄道模型のリバースは鬼門?
リバース線は、線路への電源供給という点においては、厄介な存在です。
本物の鉄道車両のように架線から電気を取ってレールに戻すような電源供給の仕組みなら、もしくはディーゼル車のように内燃機関で動力を得られるならレールはどのようにつなごうが自由ですが、レールの片側がプラス(+)、反対側がマイナス(-)となる鉄道模型の世界では、リバース線は、その分岐点でプラス・マイナスが逆転するという、なんだか面倒そうな存在です。
真面目にリバース線の対策をしようとすると、TOMIXなら、リバーススイッチボックスNを買わなきゃいけないの?とか、思ってしまいます。
そういう意味で言うなら、私は不真面目な部類に入るので、ごく普通のポイント切替と、D.C.フィーダーも複線用にそれぞれ1個ずつ、という最小の構成でリバース運転を楽しんでいます。
以前にも紹介したんですが、今回は、別アレンジのパターンで、もう少し詳しく紹介してみたいと思います。
線路パターン
基本は、外周を走っている複線のオーバルです。
本線の内側線・外側線の間に島式ホームがあります。
その上側は、このようになっています。
外側線から内側線を跨ぐように線路が分岐しています。クロスしているレールはクロッシングレールではなく、電動ダブルスリップポイントです。ですので、内側線からも分岐線に入ることが出来ます。
反対側の下側はこのようになっています。
分岐線の本線寄り2本は、留置線です。残る1本が内側線に戻っています。リバースですね。
今回は、このレイアウトを模式化して、説明していきたいと思います。
写真を右側から見た状態です。留置線は、説明に必要最小限の1本に簡略化しています。
内外線の列車入替
① 通常走行
島式ホームの両側より、外側線からDE10牽引のタキ1000-12連、内側線からEF65-1000牽引の12系6連が発車します。それぞれ、外側線、内側線を周回します。
各ポイントは直線側ですので、分岐線(リバース線)は通電されていません。
② 内側線から分岐線へ進入
内側線のポイントを分岐線(リバース線)側に切り替えて、EF65がリバース線へと進入します。
D.C.フィーダーは、路線図下側の直線区間に内外線各1箇所だけ設置しています。
ですので、下部のポイントが分岐側に切り替わっても、完全選択式のポイントながら見た目上、直線側にも通電されたままになります。実際には、完全選択式のため、分岐部で直線側は遮断されていますので、分岐側には、ぐるっと周回して通電している、ということになりますね。
ダブルスリップは互いに直線側に切り替わっていますので、ショートすることはありません。
外側線のポイントは直線側ですので、こちらも電気的に分離された状態です。
③ 留置線移動のため一旦本線へ
リバース線のEF65を留置線に留め置くために、一旦本線へと送り出します。
そのために、ダブルスリップポイントを曲線側に、下部ポイントを本線側に変えます。
内側線用のコントローラー(パワーパック)は「先ほどと逆向き」に変更します。
ダブルスリップを通して、リバース線にはダブルスリップ側へと向かう流れができます。コントローラーの通電の向きを変えているんですが、内側線と接するポイントを切り替えることで、先ほどと同じ進行方向になります。これがリバース線の面白いところですね。
④ 本線から留置線へ
リバース線から留置線へのポイントを留置線側へと切り替えて、コントローラーの進行方向を逆転させます。この逆転は順当に理解できますね。
これで、本線に停まっていたEF65を、推進運転で留置線へと進めます。
留置した後は、内側線の通電を止めておきます。
⑤ 外側本線から分岐線へ
外側本線上でタキ1000の編成を停車させた後、留置線へのポイントを直線(リバース線)へと切り替え、ダブルスリップを直進側へと変えた後、外側本線のポイントを分岐側へと切り替えます。
外側線の進行方向を逆転させて、タキ1000をリバース線へと送り込みます。
ダブルスリップを信じるなら内側線が通電していても問題ないんですが、念のため、止めておくのが良いかと思います。
⑥ 分岐線から内側本線へ
上部、外側本線のポイントを直進側に切り替えることで、リバース線への通電が停止します。
その後、ダブルスリップは直進側のまま、下部内側線のポイントを分岐側に切り替えます。内側線を逆方向へと通電することで、リバース線から内側本線へと列車を移動させることが出来ます。このあたりの切り替えも、面白いところですよね。
ダブルスリップが曲線側だと、リバース線に入る電気の流れが逆になります。(内側線順方向での進行で同じ動きになるはずですが、未確認)
⑦ 内側線の本線を直進
下部、内側線のポイントを直進に切り替え、コントローラーを順方向に切り替えて、内側線の通常走行が始まります。最初、外側線を走っていたDE10+タキ1000が内側線に移りました。
⑧ 留置線から外側線へ(入れ替え完了)
締めくくりは、留置線に停まっているEF65+12系客車を外側本線へと移します。
分岐線から留置線へのポイントを留置線側に切り替え、上部の外側本線ポイントを分岐側に切り替えます。ダブルスリップは直進側のままですが、不測の事態に備えて、内側線は停止させておくのがいいですね。
タイミングによっては、ダブルスリップでの衝突は、起こり得ます。本線に移った後は、外側本線ポイントを直進側に戻しておきましょう。
以上で、リバース線を用いた「列車の進行方向を保ったまま内外線の列車入替」の紹介を終わります。
実際のところ、ポイントの切り替え間違いとかで、思いもよらないところに列車が入り込むこともありましたが、それも楽しみのひとつと捉えて(実際なら事故調ものかもしれませんが)、気軽にリバース線を楽しんでみるのが良いと思います。