青森旅行と機窓風景撮影 ~ 窓に固定はOK?NG?

久々の飛行機ネタです。
というのも、コロナ禍前、最後に飛行機で旅行したのが2018年7月のこと。まだ平成の30年でした。
それからコロナ禍で遠距離旅行を控えていましたが、緊急事態宣言から5年を経た今年、実に7年ぶりに飛行機で旅行をしてきました。先週末のことです。
大阪(伊丹)→青森 ANA1851
祝日の無い6月。
近距離ならともかく遠距離の旅行が難しい月ではあるんですが、会社を休まなくても1泊2日で行けるんじゃない?なんてノリで、青森へと行ってきました。
近距離なら1泊でもOKで、遠距離での1泊は「もったいない」という感じがするのは、移動時間がかかって現地で楽しめる時間が短い上に、コストもかかるので、という理由でしょうね。
もちろん、飛行機なので安くはないんですが、利用したのはANAの「(往復)スーパーバリュー75L」。
価格は2人の往復で48,800円。片道一人当たり12,200円です。1月に予約をしていたので実現した価格です。
6月中旬なら、北東北の梅雨入りもまだ微妙かな、という予測のもと、伊丹空港からわずか1時間40分ほどで青森の地に降り立てるというのが魅力に感じてのチケット購入です。
大阪から東京あたりなら1泊2日でも抵抗は無いことを考えれば、「のぞみ」よりも安く、「のぞみ」よりも速く(早く)現地に着けるなら、「もったいない」も無いんじゃない?と。
そんなわけで、6月14日の土曜日、搭乗してきました。

機体は「デ・ハビランド・カナダ Dash 8-400」。座席数74席のプロペラ機です。
土曜日の始発便(9:00発)なので1月に予約した時点で前方の窓側席がほぼ埋まっていて、指定した座席は18Dと18C。最後方から2列目です。

大阪は、あいにくの梅雨空です。
着席後、実に7年ぶりの飛行機なので…。
窓側席にSONYのHDR-AS300を固定。
搭乗した位置から見えるプロペラの始動と、離陸時の様子です。飛行機の車輪が格納されるまでです。すぐ横で車輪が格納されたので歓声を上げてしまったので、音声はミュートにしてます(笑)
飛行機はこのあと左旋回するので右側の風景は低い位置まで下りてきている雲しか見えず、そのまま雲に突入。高度を上げると雲の上に出るのかと思いきや、ずっと雲の中。
そんな、やや退屈しかけた頃にCAさんが席に来られて、声を掛けられました。
何かというと、窓に取り付けているカメラを(カメラというより、台座を)外してもらえないか、と。
理由は、窓の破損の恐れがあるから、というのと、外れた際に他のお客様への怪我等につながる恐れがあるから、とのことのようです。これまでにカメラ持ち込みで搭乗したANAでも、他社のスカイマークでも、「落ちないように気を付けてくださいね」という程度でしたから、なんだか嫌な感じ、と思ったんですが、逆らうほどの理由もないので、取り外しました。
決して、カメラ(写真・動画)撮影がNGなのではなくて、機体に固定するのがNGとのことですので、そこはお間違いの無いように。手持ちの撮影は、問題ないと回答を頂いています。
もっとも、ANAは2017年、スカイマークは2018年に搭乗したのが最後ですので、安全上の理由でルールが厳しくなってきてるということでしょうね。
航空会社に迷惑をかけようとか、他人に危害を加えようとかのつもりが全くないのは理解してもらってますので、CAさんも、(撮影の楽しみを奪うという意味で)申し訳なさそうな様子で、逆にいろいろと気を遣わせてしまったのが申し訳なかったですね。
離陸から40分ほど経った頃、富山から日本海に出るあたりだったでしょうか(といっても、雲の上なので何も見えてません)、飲み物の提供があり、それからほどなくして機長の挨拶。
上空の天候が良くないものの飛行には影響なく、定刻に到着する見込みではあるものの、到着時刻が近い大韓航空機(ANA 1851が10:40着、KE 767が10:30着)が、支障して着陸待ちになることがしばしばあるのだとか。
機窓の方は相変わらずの雲の中だったんですが、ようやく周囲の視界が晴れてきたのが離陸から1時間以上経った10:20頃。
うっすらと地上も見えてきました。

秋田県上空です。森吉山の近くかな、とは思うのですが、特定はできませんでした。
はっきりと場所が分かったのがこの写真。

十和田湖です。
南岸から北に向かって突き出した二つの半島が見えています。奥側の御倉半島は雲に隠れてますけどね。
GPSの記録を後で見ると、このあたりの高度は3,700mでした。
その後、高度2,650mほどで、青森空港の上空を北向きに通過し、青森市内上空を過ぎて、一旦、津軽海峡へと抜けます。夏泊半島をめがけて右旋回し、今度は青森市街を右手に見て、そのまま青森空港へと着陸しました。
着陸時の映像は、もちろん、手持ちです。
途中で気軽に向きを変えられるのも、手持ちのメリットかも知れませんね。
HDR-AS300は、手で持ちやすい形状ということと、最大の強みである手振れ補正が効いているので、着陸時の衝撃もほぼ感じない動画を撮影できました。
カメラを持つ右手は窓では無く、機体側の窓枠にしっかりと付け、さすがに着陸時の前後は、左手で右手首を押さえてましたけどね。
これだけの撮影が出来るなら、固定しなくても大丈夫ですね。
というのも、普通のコンデジで撮影すると、こんな感じでした。
これは、2015年の5月に搭乗した関西空港発千歳空港行のJAL2503便での着陸時の動画ですが、この時の撮影機材は、PanasonicのDMC-TZ30。動画でも手ブレ補正が効く機種ではありますが、こんな感じでした。
ある意味、機内の様子をよく表しているとも言えますが、動画を見る側にとっては、もうちょっと安定して欲しいもの。
なので、着陸時はカメラ固定が必須、と思っていたんですが、さすがはSONYのアクションカメラですね。
というわけで、窓への固定なしでも、意外と使えることが、改めて判りました。
ちなみに、機長が話していた通り、当日の大韓航空 767便は定刻から10分ほど遅れての到着。完全に被ってます。とはいえ、こちらもそれに続行した形で、ほぼ遅れはありませんでした。
青森→大阪(伊丹) ANA1856
1泊2日の青森滞在を終えて、青森17:35発の大阪(伊丹)行 1856便に乗り込みます。機体は同じく「デ・ハビランド・カナダ Dash 8-400」です。
復路の座席は、あえて8Dに。ANAのシートマップにも、
8-13列は翼下・エンジン付近の座席のため、上空で景色が見えにくい場合があります。
と書いてある通り、プロペラの真横です。

普通は、避けたい席なのか、好んで選ぶ席なのかは判りませんが、一度は座ってみたい席ですよね(笑)
青森空港でのプロペラ始動から、回転速度の上昇、移動と離陸直前の回転数に注目ですね。
プロペラの回転速度が上昇しても、すぐには速度に反映しない、というのがアナログ的で面白いところかと思います。
8番のシートは横にプロペラとエンジンがありますから、見ていて面白いのですが、音と振動は「あれ?こんなに大きいの?」という感じは受けました。飛行機が好きな人には特等席に近いですけどね。嫌いな方は、後方座席がよろしいかと。。
映像的には、雲の上に出たあたりのプロペラが見事です。
乗っている間は、ブレード1枚1枚なんて目に見えることがなく、向こう側が見えるんですが、動画を見ると、そのフレームレートとブレードの回転数がぴたっと一致して、ブレードが完全に止まって見えます。
何より、映像を見て感心したのは、航空機の精巧さですね。1秒当たり約30フレームで動画撮影しているので、フレームごとに、「違うブレード」が録画されているのに、多少のブレがあるとはいえ、「同じブレード」が見えているとしか思えないです。
写真だとこんな感じですね。

片側に6枚のブレードが付いているんですが、上から下まで6枚が写ってます。あれ?
この写真は、1/1600秒で撮影しているんですが、これをCMOSセンサーのローリングシャッター効果、といういうんですかね。
山形県沖あたりで、ちょっと珍しい(のかどうかも怪しいですが)現象が見えました。

雲の上に、左上から右下にかけて、一筋の断層のような線が入っています。
雪上なら、誰かが走った跡、とか言えますが、雲上ですからね。
新潟上空あたりでは、ちょうど雲の切れ目に、船が見えました。

このあとは、また雲に覆われたんですが、長野県の松本上空を飛行し、岐阜県に入ったあたりからか、ようやく地上が見えるようになってきました。

これは、木曽三川(揖斐川・長良川・木曽川)と長島スパーランドのあたりですね。
ここからは、動画をご覧ください。
その木曽三川の河口、奈良、大阪へと移っていきます。
東大阪市の中心部を通り、JRおおさか東線のJR野江駅・京阪線の野江駅を見て、バニラな毎日で目にした菅原城北大橋がかかる淀川上空を飛行します。
新大阪駅付近(駅そのものは手前側にあるので、見えるのはJR京都線の東淀川駅)を通り、阪急庄内駅を見ると空港はすぐそば。
着陸時の手持ち撮影も、二度目なので慣れたもの…だったはずなんですが、マイク部分を手で押さえてしまっていて、音がこもってますね。
とはいえ、映像としては、安定していたと思います。
そんなわけで、プロペラ機に搭乗しての青森旅行。飛行機部分だけの紹介でしたが、現地では、レンタカーを借りて下北半島へと行ってきました。尻屋崎での寒立馬や、恐山など、下北らしさをコンパクトに味わえたと思います。
というわけで、今回のテーマ、動画撮影用カメラは飛行機に固定できる?は、現在は原則NGとなっている、というのが答えですかね。
それでも、手ブレ補正が効く機材なら、こんな風に安定して撮影できますので、旅の記録を残したい方は、ぜひチャレンジしてみてください。