KATO DE10と TOMIX タキ3000
先日、とあるテレビ番組に、16両のタンク車とディーゼル機関車からなる貨物列車が映し出されました。
機関車が牽引する「客車」もいいですが、「貨車」も編成が長くなると、なかなかインパクトがあります。
既に何度か脇役的にコンテナの貨物列車を紹介しているように、貨車に全く興味がないわけではないのですが、コンテナ車(コキ104・106・107で、計20両ほど)以外の貨車は、ネタで購入した2軸無蓋車以外にはなく、タンク車の形状にちょっと興味を惹かれた(購入意欲が沸いた)、というわけです。
タキ3000形
購入したのは、TOMIXの98747「私有貨車 タキ3000形(米タン)セット」。
とりあえず、タンク車を「そこそこ見映えする両数を揃えたい」と考えていた時に、たまたま Joshin webショップで在庫処分品で安く販売されていたのを見て、思わず購入。
パッケージにもある通り、TOMIXが2021年に45周年を記念して特別作成したアイテムなので、プレミア付きになっても良さそうなもんですが、逆に在庫処分の憂き目に。タンク車ってあんまり人気がないんですかね。それとも、「米タン」だから?
21m級の客車と比べると、見るからに「小さい」です。タキ3000は14m強ですから、2/3です。小さく見えるはずですね。
小さいので右側にスペースが出来ますが、ここに2両分のタキを収納できるよう、切込みが入っています。同時に発売された「特別企画品 私有貨車 タキ3000形(米タン・初期塗装)セット」の2両を収めるのでしょうか。
初見の「小さい」はどちらかというとマイナスイメージだったんですが、後で、大きなプラスイメージに変わることに。それは後ほど。
「初期塗装」とは異なり、英文表記は無く、管理番号が目立ちます。もっとも、これが無ければ米タンらしさは無いですが。
米タンとは、横浜市にある米軍貯油施設から米軍横田基地へと燃料を輸送するタンク車を主体とする貨物列車のことで、このタキ3000は、米国陸軍輸送隊が所有者となっています。
関西では馴染みのない車両ではあるんですが、というか、米タン以前にタンク車そのものも見ないですよね。コンテナ車に搭載するタイプのものばかりです。最高速度の問題でしょうか。
そんなわけで、タキ3000形8両が手元に届いたんですが。。
何で牽く?という問題が。
牽引機関車を選ぶ
ホンモノ志向ならば、やっぱり、EF64-1000あたりでしょうか。でも、未購入。関西では見ることが無いので、購入の優先順位は低めです。いずれは欲しいとは思ってますが。
手元にEF65-1000があるじゃないか、という思いもありつつですが、以前からちょっと興味を惹いていたDE10を併せて買ってしまいました。
KATO 7011-2「DE10 暖地形」です。
DE10
オプションのパーツはこの通り。
選択できるナンバーは、1188・1192・1574・1581 の4種類。
JR貨物移管の直前(国鉄時代最後)の配置は、
1188 吹田機関区
1192 吹田機関区
1574 厚狭機関区
1581 門司機関区
暖地型ですからね。西日本ばかりです。いずれもJR貨物に継承されたナンバーです。
大阪なんで1192をチョイス。屋根上にホイッスルを装着すると、見栄えが良くなります。
カプラー交換
KATO DE10 をナックルカプラーに
見映え、という意味で、カプラーを付属のナックルカプラーに換装。
今回、板バネの役割を思い知ったんですが、中央部の山が重要です。ナックルカプラーを取り付けるために、車両中央側に押してしまったので、板バネが平らに近くなってしまったんですね。
見た目は問題なかったので、作業を次に進めます。
TOMIX タキ3000 をNTカプラーに
タキ3000 は、TOMIX純正のTNカプラーに換装です。0398「自連形TNカプラー(CCカプラー対応・黒・20個入)」ですね。
取り付けは、説明書の手順通り。
台車を外して、カプラーの押え板(カバー)を外し、アーノルドカプラーを取り外したところに、スペーサーをはめ込んだTNカプラーを取り付けます。
スプリングを真っすぐに残した状態でTNカプラーを取り付けるのが案外と難しく、下手すると暴発してどこかへ飛んで行ってしまうんですが、何とか8両、16箇所の取替を終えました。要領を掴むと1箇所あたりの対応時間は目に見えて早くなっていきますね。
車間も縮まり、見栄えも良くなりました。
ナックルカプラーをTNカプラー対応に
もちろん、これだけではDE10はタキ3000を牽引できません。
というわけで、DE10のナックルカプラーに加工を施します。
前回、牽引機DD51(TNカプラー)とカニ24(ナックルカプラー)を牽引させるための加工の話を記載しました。
このときに、ナックルカプラーの突起部分を切り落とすところから始めたのです、ひょっとしたら、TNカプラーの突起部を受け入れるくぼみ(穴)を設けるだけで噛み合うんじゃないか、という気もしていたので、実験です。
ナックルカプラーの突起部の手前に、0.8mmのピンバイスで穴を開けます。
が、やっぱり、ナックルカプラー側の突起で、「しっかりと嚙み合う」には一歩足りない感じです。8両くらいなら牽引できそうな感じではあったんですけどね。
というわけで、ナックルカプラーの突起部を切り落としました。
上から見ても、隙間なく嚙み合っているのが判ります。ただ、DE10のカプラーが若干左に、タキ3000のカプラーが若干右に振れているので、ナックルカプラーの受け口をもう少し外側(先端側)に移動させる必要があるのかも。そうすると、突起部を切り落とさなくてもいいのかな、と思ったり。。
また、別の車両で検証してみたいと思います。
いずれにしても、これで、しっかりとDE10とタキ3000が連結できました。
走行シーンを撮影
まずは、直線を走るシーンから。
薄暗い中を走るDE10の赤とタンク車の黒が、いい感じに見えます。
次に、カーブを走るシーン。
奥のカーブは、TOMIXのC317(半径317mm)ですが、21m級の車両と比べて短いため、曲線部を「滑らかに」走っているように見えます。それはそうですよね。長い線が短くなればなるほど(点に近付くほど)曲線が滑らかになっていきますから。
これが「小さい」のがプラスイメージに変わった理由です。実車には急すぎるカーブでも、結構リアルに見えます。21m級の客車を走らせると、いかにも「鉄道模型」という感じの連接面になりますからね。
単純に比率で計算すると、21m級の車両が半径480mmくらいのカーブを走っているのと同じように見える、ということでしょうか。
もちろん、これくらいのカーブで走らせてみたいとは思いますけどね。ただ、現状の環境では、C317+C280の複線がやっとの場所ですから、難しいところです。
駅での撮影
駅での停車が似合う車両では無いんですが、少しだけ。
アクセントとしては、いい車両だと思います。
牽引機関車のバリエーションをもうすこし増やしてみたいですね。
DE10といえば
せっかくDE10を手にしたので、やってみたかったのが、急行「きたぐに」の牽引。
米原~田村間という交直切替区間のスポット的な役割で、急行「きたぐに」を代表する牽引機ではないですが、せっかくなので。
大阪発をイメージしたので、客車の先頭は、普段最後尾で走らせているオハネフ12です。
ただ、実際には、牽引させるのに苦労してました。同じKATOのナックルカプラーどうしなので、何の問題も無いはずなんですが、DE10側のカプラーが開いて、機関車単独で走り出してしまうんです。
原因を調べてみると、原因は板バネ。上の方で書いた、板バネの役割を思い知ったという話につながります。
写真は、ナックルカプラーに付け替える前のアーノルドカプラーですが、板バネが手前に向かって山型になっています。これをナックルカプラーに付け替えるんですが、ナックルカプラーの接続部にある二つの突起が、それぞれカプラーのナップルシャンク・リップシャンクにつながっています。
台座部の穴(接続部)を中心に、板バネが車端側に押し上げることで、二つのパーツが近付く(握るというのでしょうか)になりますから、逆に言うと板バネが平らだと、握る力が無くなります。
なので、DE10の板バネの山をしっかりと付け直し、装着すると、開放されることなく牽引してくれるようになりました。
今回は、急行「きたぐに」のフル編成を牽引しましたが、12系客車4~5両程度を牽いて走るのも、面白そうですね。また、試してみたいと思います。