スニ41-2000とEF64-1000と急行「鳥海」

1年ほど前の昨年10月、手持ちの10系寝台車(急行「きたぐに」編成のものを使用)と旧客車両を組み合わせて、往年の急行「鳥海」を走らせた話を書いていました。

このときの心残りが二つあったんです。

それが、スニ41とEF64。

スニ41は、手持ちの車両がスニ41-5と、車掌室側妻面に小ドアが無い車両でした。上野駅地上ホームに推進運転で進入するために、小ドアを開けていたそうですから、このドアが無い車両は上野駅地上ホーム発の列車には充てられないのですが、模型なのでと割り切ってました。

それと、EF64。水上-石打間の上越国境越えで補機として活躍したのがEF64-1000。手持ちの車両はEF64の基本番台。しかも2次量産機なので電暖装置非搭載の貨物仕様です。これも「無いものは仕方ない」とばかりにネタとしてEF64基本番台車をEF58の補機として走らせていました。

もっとも、その後、EF64基本番台車が上越国境越えの補機についていた事実が子供の頃に読んでいた本から判明。5次量産機でしたけどね。

それはともかく、やっぱり上越国境越えにはEF64-1000が欲しいですよね。

KATO 5139「スニ41 2000」

発売(再生産)が9月23日ということで、既に3ヶ月近くが経ってしまっていますが、手元に届いたのはひと月ほど前の11月半ばのこと。というのも381系100番台「くろしお」と同時に注文してしまってたんですね。今年5月に予約した時点では、ともに9~10月の発売でしたから。スニ41は予定通り9月下旬だったのに、「くろしお」は11月中旬になってしまい、スニ41が道連れになった、というわけです。

その後、「北斗星」が届いてしまったもんですから、スニ41は未開封のまま片隅に追いやられてました。。

さっそく取り出してみます。

ちゃんと妻面に小ドアがありますね。これで、下り急行「鳥海」の最後尾を飾ってくれそうです。

いや、でも最後尾を飾るなら、アーノルドカプラーはちょっと。。

というわけで、スニ41-5と同じようにKATOカプラーNに交換することに。

が、ここまで準備をした時点で、ある思いが頭をよぎったんです。

スニ41-5は、上り「鳥海」として走らせるため(というより、小ドアが無いのを見られないように)機関車の次位につなげてましたから、KATOカプラーNを装着していたんですが、今回は「見せるため」なので、ナックルカプラーの方がいいのかな、と。

というわけで、「28-271-1 KATOナックルカプラーセット(黒)アーノルドカプラー取付車」をランナーから切り取り、装着の準備。

台車からアーノルドカプラーを取り外して、ナックルカプラーを取り付け。

最後にカプラーアダプターを被せるように取り付けるんですが、あれ?入らない。。

カプラーアダプター(写真下)にある突起の位置と、台車側の穴の位置を白線に合わせると、カバー反対側の2本の押さえが台車枠にぶつかるのが判ります。アダプターが長いんですよね。

この「アーノルドカプラー取付車」用のナックルカプラーって、汎用(全車対応)では無かったんですかね。

ちなみに、スニ41-5(郵便・荷物列車「東海道・山陽」 6両セットA)も交換用のナックルカプラーとして入っているのは「ナハフ11 かもめナックルカプラー」。なので、「KATOナックルカプラーセット」と同じものなんですよね。

ということは、台車側が違う、ってことですね。

左:スニ41-2000 右:スニ41-5

このカプラーアダプターを取り付けることで何が変わるのか、いや、取り付けないことで何が起こってしまうのか。カプラースプリングが外れやすくなる? で、カプラーが解放されやすくなる?

しばし考えた後に出た結論は…。

「あ。スニ41-2000の車掌室側は、『魅せる』ためのカプラーなんで、何も連結しないんだった。。」

というわけで、隙間からスプリングが目立って見えるわけでもなく、カプラーアダプター無しで行くことにして、改めて両者を並べてみました。

ほんのちょっとした違いなんですが、小ドアの存在って、気になれば気になりますね。

気になると言えば、カプラーの長さも違います。

上がスニ41-5、下がスニ41-2000(2013)。ナックルカプラーそのものは同じもののはずなので、台車側の形状の違い、ということなんでしょうね。

というところで、スニ41に関しては以上です。

TOMIX 2115「国鉄EF64 1000形電気機関車」

続いては、上越国境越えの補機として調達したEF64-1000。

現在、TOMIXの品番2115は、「国鉄 ED75-1000形電気機関車(後期型)」で、しかも2010年3月発売というモノ。13年も前にこの品番を明け渡したEF64-1000は、1986年に発行されたTOMIXの製品カタログに載っている、相当の年代物です。

前面の手すりは板状ですし、全体にくたびれた感じは否めないです。リアルに国鉄時代に製造された車両ですからね。

でもまぁ、ヘッドライトは点灯しますし、走行できますから、悪くは無いです。欲しかったEF64-1000ですしね。

カプラーはもちろん、TNカプラーに交換します。0392「密自連形TNカプラー(Mカプラー対応・黒・12個入)」です。40年近く前の製品にも取り付け可能なわけですから、規格ってすごいですよね。

円形のマグネットを装着しますが、Mカプラーのように跳ね上がることはありません。

TNカプラーに交換すると、締まりますね。

急行「鳥海」の編成

編成表は、前回走らせたときの情報と同じです。

急行「鳥海」

← 804レ 上野

801レ 秋田 →

荷物荷物荷物12345678910
スニ41スニ40マニ36オハネフ12スハネ16オロネ10スロ62オハ46スハ43オハ47オハ46オハ46スハフ42

スニ41・スニ40は上野~新津間
1980(昭和55)年~1982(昭和57)年頃の急行「鳥海」

スニ41以外は前回と同様ですね。スハネ16は外観の似ているオハネフ12で代用、スロ62はスロ54で代用です。急行「きたぐに」がスロ62で運転されていた日もありますから、逆もアリかな、と。

というわけで、今回はスハフ42を先頭として、最後尾スニ41での、上野-新津間の姿で走らせてみたいと思います。

牽引機はもちろんKATOのEF58。ナックルカプラーを備えています。スハフ42はKATOカプラーNですから、機関車・客車ともに特に加工は必要なしです。

EF58牽引 急行「鳥海」

まずは、走行の動画から。

駅の通過とアウトカーブからの撮影です。

EF58と旧客の組み合わせは、レトロ感があっていいですね。これぞ昭和の国鉄急行、という感じです。「昭和」も「国鉄」も「急行」も過去のものですからね。

室内灯が入っているのはスロ54だけですが、反対側から照明を当てることで、全車室内灯完備のように映ってますね。

細かいことですが、スハフ42を除く座席車の向きを前回と逆にしてみました。当時の上野行急行「津軽」の写真があって、便洗面所が上野寄りにあったから、です。今回は逆の下りですから便洗面所は後方(後寄り)にしてみた、と。正直なところ、反対でも気付かないと思いますが。。

続いては、写真をいくつか。

EF58が旧客編成を牽く古めかしい感じの写真です。ホーム端の水飲み場もいい味を出してます。

灯りを入れたグリーン車、スロ54。編成中に1両でも室内灯を入れると、雰囲気は変わります。隣(奥)のオロネ10も白帯無し上段小窓ありで、懐かしいですね。

もちろん、これも外せません。今回のテーマの一つですからね。

スニ41-2000、スニ40、マニ36と続くと、旅客列車とは思えない雰囲気を感じますが、昭和50年代は、これが日常風景だったんですよね。

カーブでの写真を2つ。最初はEF58。後ろに続く青い客車が往時を感じさせます。

なんか、光の加減でスニ41とスニ40が一体化してますが、小ドアのある2000番台というのがよくわかります。急行「鳥海」らしい姿ですね。

EF64-1000補機 急行「鳥海」

続いては、EF58の前に、EF64-1000の補機を連結しての撮影です。

深夜の上越国境越えなので、あえて暗めに、というとこだわりのように聞こえますが、実は照明の調子が良くなかった、というだけのこと。

それはともかく、40年近く前のEF64-1000。ユーズドで購入したものなので、その間、どれくらい走行していたのかは判りませんが、当時のモーターの唸りが聞こえますね。

EF58はナックルカプラーなのにTNカプラーと連結してる?と思われたかもしれませんが、いつ加工したのか覚えてません。。

このときに、TOMIXの14系14形をKATOのEF58で牽いているので、それまでには穴あけ加工をしてたんでしょうが。。

ただ、ちょっと気になったのが、EF58とEF64-1000の走行性能差。製品ごとの個体差があるのかもしれませんが、両車を連結せずに同時に線路に置くと、EF64-1000が先行して距離を開けていきます。つまりは、EF58は速いEF64-1000に引っ張られる、EF64-1000は遅いEF58を引っ張る、という双方に負荷をかけている状態なんですね。

なので、走行は控えめにしておきました。KATOから「EF64-1000 一般色」の再生産があったらいいなぁ、ということを期待して。

深夜の水上駅はこんな感じだったんでしょうか。

パッと見た感じでは、EF64-1000独特の左右非対称な側面に目が行きますから、前面手すりが板状なのもあまり気になりません。35年以上前の(模型)車両がこうして現役で走るのも鉄道模型の歴史を感じさせられるところでしょうか。

続いては、カーブ走行シーンを続けて3枚。

EF64-1000の補機は、山岳地帯を往くだけにカーブが似合う気がします。

1年越しの望みが叶いました。

EF81牽引 急行「鳥海」

最後は、せっかくだからと秋田-新津間の上り急行「鳥海」を走らせてみました。

新津から先の下りではなくて?というのは、単にEF81がTOMIXのTNカプラーで、10号車のスハフ42が無加工のKATOカプラーNだったから、という理由。

同区間は新潟エリアへの新聞輸送用スニ41・スニ40を切り離してマニ36が編成端になります。この車両はテールライト点灯側はナックルカプラーですが、TNカプラー対応加工済み。

フィールドの走行はピンボケですが、雰囲気を味わう感じで。

EF81は、大阪に住んでいても見ることが出来ました。いや、大阪に住んでいるからこそ、北陸・東北方面へと鉄路を走り続けるこの雄姿に憧れていたのかもしれないですね。

なんか、「きたぐに」や「日本海」の話になっちゃいましたが、この写真は急行「鳥海」です。

最初は、せっかくのスニ41を切り離した姿は無くてもいいか、と思ってたんですが、EF81が牽く旧客編成もいいなぁ、と。急行「きたぐに」は座席車が12系時代のものですから、ちょっと趣きも違いますからね。

EF81の2両目として購入したこのTOMIXの車両。その後、JR九州仕様の400番台、北斗星仕様とを購入して、4両となりました(正確には、もう1両、動かなくなったステンレスボディのEF81-300がありますが、既にお蔵入り)。KATOのEF81は、最初に購入したトワイライト色だけですが、年明けにはJRロゴが入った「EF81 一般色 敦賀運転派出」が手元に届く予定ですので、KATO2両、TOMIX3両になりますね。

スハフ42を最後尾にしてホームに停車中。妻面の片側だけに窓がある姿も独特ですね。右側のテールライトの下に銘鈑が並ぶのも、歴史を物語ってます。

光の加減で青みが強すぎますが、同じスハフ42です。

終着駅上野へと向かう最後尾。ということで、最後感が出たところで今回の記事も終わりにしたいと思います。

途中にも書きましたが、スニ41-2000とEF64-1000で、1年越しのモヤモヤを解消しました。

国鉄時代の旧客急行「鳥海」。大阪に住む者からすると馴染みのない列車ですが、なぜか懐かしさを感じる列車として走らせてみました。

最後に、急行「鳥海」のこの編成が走っていた頃(廃止直前)の時刻表を「時刻表復刻版 1982年6月号」から引用して掲載しておきたいと思います。

【参考】急行「鳥海」時刻表

【下り】

1982年6月
801
急行鳥海
上野(13番線)入線2049
2113
大宮2139
2140
熊谷2206
2206
高崎2238
2243
渋川2302
2303
水上2341
2347
長岡125
143
見附156
東三条207
212
加茂224
新津240
250
新発田314
321
坂町342
355
村上411
鼠ケ関453
あつみ温泉506
鶴岡534
539
余目553
555
酒田607
614
遊佐626
吹浦633
象潟652
仁賀保705
羽後本荘722
724
秋田817

【上り】

1982年6月
804
急行鳥海
秋田1907
羽後本荘1952
1955
仁賀保2009
象潟2038
吹浦2057
遊佐2105
酒田2117
2136
余目2147
2148
鶴岡2204
2206
あつみ温泉2233
村上2323
坂町2336
2341
新発田001
002
新津027
040
東三条102
107
長岡128
152
六日町248
水上402
408
高崎501
503
熊谷540
541
大宮614
615
赤羽629
上野(9番線)642

【参考】急行「鳥海」編成表

← 上野

秋田 →

12345678910
B寝(3段)B寝(3段)A寝
△=上野-新津間