14系14形 寝台特急「出雲・紀伊」

2週間ほど前、TOMIXの寝台特急「さくら」を走らせた話を書きました。

その最後に、

次はやっぱり、あれですよね。そのための交換用前面窓ガラスですし。

https://try-widely.com/limited-exp-sakura/

と書いた「あれ」。やっぱり、DD51好きとしては、これでしょ。

というわけで、今回は14系14形車両を、寝台特急「出雲」「紀伊」として走らせてみたいと思います。

寝台特急「出雲」と寝台特急「紀伊」

「出雲」は、KATOの24系25形車両でも走らせています。

これは、「出雲」2往復時代のうち、1978(昭和53)年10月~1987(昭和62)年3月末までの姿です。JR移行後も車両のJRマーク有無を別にすれば1992(平成3)年3月頃まで、同じ編成でした。2往復時代の「出雲1・4号」ですね。

今回のテーマは、14系14形で運転していた「出雲3・2号」の方です。

1975(昭和50)年3月に新設された東京-米子間の寝台特急「いなば」(14系14形)が、1978(昭和53)年10月に出雲市まで延長されるのに併せて愛称が「出雲」に統合されました。その系統が「出雲3・2号」です。

当時の「さくら」「みずほ」と共通の編成ですので、A寝台のオロネ14、食堂車のオシ14を含む基本編成8両が「出雲」に充てられました。で、付属編成の6両が、もう一つのテーマ、「紀伊」です。

「紀伊」は1968(昭和43)年10月、いわゆるヨンサントオで生まれた急行で、それまで「那智」「伊勢」「大和」として走っていた3つの列車を統合して誕生しています。

急行「紀伊」という名称ながら、紀伊勝浦行、鳥羽行、関西本線経由奈良・王寺行の3階建て列車で、それぞれに10系寝台車と座席車を連結していました。

行き先が紀伊勝浦のみに整理されたのが1972(昭和47)年3月。それまで3編成を合わせて12両だったのが、オロネ10を含む10系寝台車6両のみに縮小され、東京-名古屋間を「銀河」と併結で走るようになりました(「銀河」はオロネ10を含む8両編成)。

3年後の1975(昭和50)年3月に寝台特急に格上げされ14系14形へ。名古屋までの併結相手も変わり、それが新設された寝台特急「いなば」なんですね。

「紀伊」としては、併結相手が1978(昭和53)年10月に「出雲」に変わっただけで、編成は1984(昭和59)年2月の改正で廃止されるまで、基本的には何も変わっていません。

基本的に、としたのは、1983(昭和58)年11月以降、3段式B寝台を2段にする改造が始まるため、「出雲」「紀伊」ともに一部車両の減車や座席車(オハ14/スハフ14)への置換えが発生していたようです。

寝台特急「出雲3・2号」「紀伊」

1978(昭和53)年10月~1983(昭和58)年11月

←2003ㇾ 出雲市/4003ㇾ 紀伊勝浦

2004ㇾ/4004ㇾ 東京→

1234567891011121314
スハネフ14オロネ14オハネ14オハネ14オハネ14オシ14オハネ14スハネフ14スハネフ14オハネ14オハネ14オハネ14オハネ14スハネフ14
B寝台A寝台B寝台B寝台B寝台食堂車※B寝台B寝台B寝台B寝台B寝台B寝台B寝台B寝台
1~8号車は、「出雲」
食堂車は営業休止
9~14号車は、「紀伊」

運転の歴史の中で大きく変わったのは牽引機。

期間東京-名古屋-京都名古屋-亀山亀山-紀伊勝浦京都-出雲市
1975/3~1980/2EF58DD51DF50DD51
1980/2~1980/9EF58DD51DD51DD51
1980/10~1984/2EF65-1000DD51DD51DD51
洋泉社MOOK「ブルートレイン大全」より

東京口の14系ブルートレインがEF58に牽かれていたというのは興味深いところです。1980年10月からは「出雲1・4号」と同じEF65-1000に置き換わっています。

1980年2月まで、紀勢本線内をDF50が牽引していたのも、面白いところ。DF50は保有していませんので、今回の運転で牽引するのはDD51。もっとも、好きなのがDD51なので、選択の余地はありませんが(笑)

機関車を飾るヘッドマークですが、全国的にヘッドマークが廃止されたのが1975年3月改正。東京口のブルートレインには残ったものの、併結運転をしていた「出雲3・2号」「紀伊」には付けられていませんでした。

山陰線内でのヘッドマークが復活したのは1985年3月改正ですから、「紀伊」併結時の「出雲」は、DD51にもヘッドマークが無かった、ということになりますね。「紀伊」の関西線・紀勢線でのDD51は、もちろん無し。ちょっと寂しいですけどね。

トレインマークの交換

TOMIXの98784「国鉄 14系14形特急寝台客車(さくら)基本セット」に入っている前面窓ガラスとシールを使用します。

ちょっとずるいんですが(といっても、いつもの通りですが)、基本編成の1号車側のみを「出雲」に、付属編成の14号車のみを「紀伊」に交換します。基本編成、付属編成の1両ずつは「さくら」のまま。車両を組み替えると「さくら」としても楽しめる、というわけです。

シールは鏡像ですので、車両内側面から貼り付けます。位置合わせがちょっと面倒ですが、ここで手を抜くと組込み時に後悔しますので念入りに。

テールライトと反対側から開きます。

前面窓ガラスは、側面のガラスで押さえられるように組まれていますので、側面の窓ガラスを外します。

ここまでバラして、前面窓ガラスを交換。

「出雲」の前面窓ガラスに付け替え、テールライト、側面窓ガラスと付け、最後にボディを床下ユニットに装着。簡単といえば簡単なんですが、ちょっとトレインマークを変えよう、と気軽に(日常的に)交換できるか、というと面倒ではありますね。

いい感じです。

これ、『RM MODELS 6月号(No.333)』の特別付録「映える撮影用背景紙」を使用させて頂いています。

いいですね。背景が入るとこんなに違うのか、と思います。。

同じように「紀伊」も置き換え。

せっかくなので、こんな写真も。

左から、TOMIXカニ24-100「瀬戸」、TOMIXカニ24-0「はやぶさ」、TOMIXスハネフ14「紀伊」、同「出雲」、KATOオハネフ25-100「出雲」、TOMIXスハネフ14「さくら」。

こんな写真が気軽に撮れる付録、いいですね。

とはいえ、申し訳ないのですが定期購読ではなく、今号の特別付録狙いでした。

オシ14への室内灯組込み

食堂車オシ14に、純正の室内灯を組み込みます。

0731「室内照明ユニットC(白色LED)」です。その他の寝台車は、照明ユニットの長い0733「室内照明ユニットLC(白色LED)」ですね。

0733は、予備を持っていたんですが、0731は無かったので購入。編成の一部に室内灯が入るだけで印象がガラリと変わるので、最近、それにハマってます。

取り付けは簡単。

LED部分に付属のテープを巻いて、取り付けるだけ。照明ユニットの長さが短いので、位置合わせのため、ボディ(屋根裏側)に突起があり、照明ユニットの穴と合わせるようになっています。

とはいえ、スプリングの足が床下部の穴に接触しなければ電力供給が出来ませんので、その辺の位置合わせを考えると、床下ユニットに照明ユニットを乗っけて、ボディを被せる方が確実かな、と思います。

ところで。

これ、「さくら」のときにやるべきでしたね。

なんせ、「出雲3・2号」では、食堂車は営業休止でしたから。。

車内通り抜けのため、消灯していたとは考えられず、寝台車は暗め、食堂車は明るめ、で問題ないとは思ってますが…。

では、走らせてみます。

走行の様子

まずは、駅の出発シーン。

低速でも安定して走行するKATOのEF58が素晴らしいです。

EF58のデッキ部からちらりと見える、赤いトレインマークが「出雲」っぽくていいですね。

続いては、後方から。

最初の映像のように、横からだと車両間の幌が無いのでやや興ざめなところもあるんですが、これくらいの角度なら隠れていいですね。隠れると言えば、基本編成最後尾のトレインマークが「さくら」のまま、というのも隠れてます。

次に、EF65-1000による牽引。

ヘッドマークが無いのが寂しいところですが、オシ14組込みの14系でヘッドマーク無し、というのが「さくら」でも「みずほ」でもない、という特徴なのかも。

次に、いよいよ「紀伊」単独走行。

DD51牽引による「紀伊」の出発です。

動画にしては珍しく、トレインマークがくっきりと見えましたので、挙げてみました。

6両(機関車込みで7両)は、当時、「なんて短いんだ」と思ってましたが、晩年の「彗星」などはさらに短いですし、時代によって見え方も変わるものです。

最後に写真を何枚か。(「出雲」単独の動画は、良いのが無かったので割愛)

EF58牽引時代をリアルには知らないので、臨時列車か急行かに見えてしまいます。が、れっきとした定期運転の寝台特急です。

DD51牽引の「紀伊」。

「紀伊」の思い出というと、子供の頃、家族旅行で南紀エリアに行ったとき、天王寺駅から「はやたま」に乗ったんですが、翌朝の熊野市駅で離合したのをはっきりと憶えています。あこがれのブルートレインでしたからね(「紀伊」がではなく、ブルートレイン全般という意味で)。

6両と短い編成でしたが、DD51が牽く青い車両は今でも目に焼き付いています。

こちらは、出雲。14系の出雲を走らせたかったので、ようやくの実現です。

ホーム向かい側には、24系25形の「出雲」。

現実的には夜に下りの出雲が並ぶことはあり得なかったはずなんですが、模型ですからね。

山陰線内での出雲1号と出雲3号の並び。京都-綾部の間(夜間帯)で、出雲1号のみが3時間ほど遅延すれば、起こりうる?というシチュエーションですかね。

模型なので、楽しめればOKです。

というわけで、DD51に牽かれるブルートレイン「出雲」「紀伊」を楽しんだ話でした。

最後に、この編成が走っていた1978(昭和53)年10月と1982(昭和57)年11月の各ダイヤ改正時の時刻表を挙げておきたいと思います。

【参考】寝台特急「出雲」「紀伊」時刻表

【下り】

1978年10月同左同左1982年11月同左同左
200120034003200120034003
出雲1号出雲3号紀伊出雲1号出雲3号紀伊
東京1820204018152100
横浜1844210718402126
熱海1948221919472231
1949222019482232
沼津2007223920052250
2009224120072252
静岡23282334
23302336
浜松21472149
21492151
名古屋23112309
23162314
京都412||415||
426||426||
綾部549||548||
549||549||
福知山249601||252601||
254605||255605||
豊岡354709||355706||
357711||358709||
城崎407721||409719||
408721||409720||
香住747||745||
浜坂452811||454804||
454811||454805||
鳥取530855||530840||
532858||532845||
倉吉612937||612924||
613938||613925||
米子7031025||7021011||
7091028||7071017||
安来1038||1027||
松江7401057||7401046||
7421103||7441047||
玉造温泉750||1103||
出雲市8161140||8171125||
821||823||
大田市854||856||
855||857||
江津933||935||
934||935||
浜田954||955||
亀山309313
328327
344343
345344
松阪403402
多気412411
413413
紀伊長島518517
尾鷲549545
550550
熊野市625624
628629
新宮658658
700702
那智716718
紀伊勝浦719722

【上り】

1978年10月同左同左1982年11月同左同左
400420042002400220022004
紀伊出雲2号出雲4号紀伊出雲2号出雲4号
紀伊勝浦19301934
那智19341938
新宮19521958
19532000
熊野市20182026
20242032
尾鷲20582106
20592106
紀伊長島21312136
多気22412238
22412240
松阪22502249
23092307
23092308
亀山23282324
23362337
四日市23592359
004004
浜田||1507||1507
江津||1527||1527
||1529||1528
大田市||1613||1616
||1614||1616
出雲市||1649||1654
||15361701||15341703
玉造温泉||1728||1549
松江||16081736||16111737
||16101737||16121738
安来||1634||1632
米子||16431807||16421810
||16491813||16501816
倉吉||17371905||17381907
||17381907||17391908
鳥取||18161946||18171948
||18191950||18201951
浜坂||18532026||18532026
||18542027||18542027
香住||1914||1917
城崎||19412112||19412112
||19412113||19412113
豊岡||19512123||19512123
||19542126||19542126
福知山||20532227||20522227
||20562230||20552230
綾部||21082243||21082243
||21092243||21082243
京都||2231009||2230009
||2237015||2237016
名古屋043045043042
100100
沼津416510416510
418512418512
熱海440529440529
441530441530
横浜558633558633
東京625700625700