14系15形「あかつき」2題(2)～震災特別ダイヤ

2023年2月25日

14系15形「あかつき」編成を使用した列車を走らせようと、画策したもうひとつの列車となります。

一つ目はこちら。JR発足時に走っていたオハ14を組み込んだ編成での「あかつき」です。

1995年1月末～3月運転の「あかつき81・82号」

今から28年前の1995年1月17日、阪神・淡路大震災が発生しました。我が人生でも、実際に体感した最大の地震だったと思います（2018年6月18日の大阪府北部地震では、所在地での震度は阪神・淡路大震災を上回っていたのですが、通勤時間帯で電車に乗っていたため、揺れの実感が伴っていません）。

この地震では、2か月半後の4月1日に、最後まで不通となっていたJR神戸線　灘～住吉間が開通し、東京・関西～九州間のブルートレインも運転を再開したんですが、1月30日から3月31日までの2ヶ月間、京都～長崎・佐世保間を、不通区間を迂回する経路で「あかつき81・82号」が運転されていました。

不通となっている区間を含む尼崎・姫路間を、福知山線・山陰線・播但線経由で大きく迂回する運転でしたが、京都・大阪と九州間をダイレクトに結ぶ「あかつき81・82号」と、同じく播但線で迂回した新大阪～熊本の「なは81・82号」は、乗車率も良かったとのこと。山陽新幹線が不通の間も鉄道による直通需要は大きかったということでしょうか。

編成と牽引機

播但線の有効長(8両)から、機関車を除く客車は7両が限界。輸送力を増やそうと、電源車を使わない14系15形が使用されたようです。なので、分割併合のない「なは81・82号」も14系15形で運行されたそうですね。

通常時の京都から長崎・佐世保へ向かう「あかつき」は、長崎編成が前・佐世保編成が後ろになりますが、震災時編成は逆。佐世保編成が前になります。

和田山で反転しますので、肥前山口に到着時は長崎編成が前になるということですね。

もちろん播但線は非電化なので、京都～大阪～和田山～姫路間はDD51による牽引だったようです。

姫路から先は確かな情報が無いんですが、恐らくは通常時と同じ、姫路～下関がEF65-1000、下関～門司がEF81、門司～長崎・佐世保がED76だったのかと思います。

車両そのものは通常時の「あかつき」と変わるところはありませんし、特別な変更はありません。

牽引機のDD51は、ヘッドマークなし。震災の特別ダイヤですからね。

そのDD51。米子運転所から応援に来ていたという話を聞いたことがあるんですが、どうだったんでしょうか。

模型的には、TOMIXの「JR DD51-1000形ディーゼル機関車(米子運転所)」で問題なしです。

機関車、客車共にTNカプラーなので、連結の問題もありません。

走行の動画と写真

手前にいるのはキハ58。当時は、まだキハ58も現役。JR神戸線不通による播但線迂回で多くの車両が必要となるため、各地の気動車が応援に来ていたとも聞いています。

進行方向の前が4両、後ろが3両なので、「あかつき81号」の和田山～姫路間、もしくは「あかつき82号」の和田山～大阪～京都間の姿ですね。

最後に、写真を少し。

上から、停車中、出発、走行中、という感じでしょうか。

最後の1枚は、最後尾スハネフ15とキハ58との並び。

以上です。

先月17日に28回目の震災の日を迎え、また、今月6日にはトルコ・シリア国境付近での大地震もあったことから、28年前の当時を思い起こしていました。

多くの命を奪った震災を題材にするのは気が引ける部分もあったんですが、今回は、復興を支えた列車としての敬意を表しつつ、当時を偲んでみました。

【参考】寝台特急「あかつき」時刻表

この編成が走行していた1995年3月当時の時刻表を挙げておきます。（1月30日から3月31日まで、全日同じ設定だったかどうかは定かではありません）

【下り】

【上り】