キハ181系「はくと」(KATO 10-2017)

今から32年前の1994(平成6)年12月3日に、兵庫県の上郡駅から岡山県の佐用駅を通り鳥取県の智頭駅へと至る智頭急行鉄道が開業しました。

京阪神と鳥取・倉吉との間を走っている特急「スーパーはくと」はHOT7000系の車両で有名ですが、JR西日本の車両、キハ181系も、スーパーの付かない特急「はくと」という名前で走っていた、というのは実はあまり印象に残っていません。

というのも、当時はキハ181系を使用した列車が、山陰や四国方面で数多く走っていましたので、斬新なHOT7000系に目を奪われた結果、キハ181系の印象が薄くなった、ということなんでしょうかね。

そのキハ181系特急「はくと」が、3月末にKATOから製品化されました。今回はその話題です。

特急「はくと」と「スーパーはくと」

先にも書いた通り、1994年12月3日に華々しくデビューした特急「スーパーはくと」・特急「はくと」ですが、1994年12月3日って、阪神淡路大震災の、わずか45日前のことだったんですよね。

なので、デビューして早々の1995(平成7)年1月17日から、住吉駅-灘駅間が復旧する前日の3月31日まで、「スーパーはくと」は新大阪-姫路間(1月23日までは全区間)で、「はくと」は全区間で運休となったそうです。

と、ピンポイントな話から入りましたが、開業当時は、HOT7000系の「スーパーはくと」が3往復、キハ181系の「はくと」が1往復設定されていました。その「はくと」の方ですが、扱いは臨時列車。但し、毎日運転という運用だったようです。

「スーパーはくと」が新大阪-鳥取間に2往復、後の1往復と「はくと」が新大阪-倉吉間の運転でした。

播但線経由の特急「はまかぜ」が大阪と鳥取間で4時間以上を要していたところを、「スーパーはくと」は2時間30分台で走るわけですから、非常に驚いたことを憶えています。

2020年2月新大阪駅にて 動画からキャプチャ

制御付自然振り子機構のHOT7000系「スーパーはくと」に対して、「はくと」は素のキハ181系ですから所要時間は幾分増えて、大阪-鳥取間で2時間40分台でした。大阪-鳥取間の停車駅は「スーパー」有り無しともに同じでしたので、車両差ということでしょうね。

同じ特急なのに、片や振り子制御の新型車両、片や古びた車両で所要時間も長いのに特急料金は同じ。ちょっと可哀そうなキハ181系「はくと」ですが、当時、格上だったのはグリーン車を連結していたこと、ですね。

開業当時は、「スーパーはくと」は5両編成中指定席が3両、自由席が2両。「はくと」はグリーン車が1両、指定席が2両、自由席が2両という編成でした。

そうしてデビューした特急「スーパーはくと」と「はくと」ですが、先述の通り、いきなり2ヶ月半に及ぶ運休/区間運休に見舞われます。

同年のゴールデンウィーク(4月29日~5月7日)に、倉吉発着の「スーパーはくと」1往復が臨時で京都発着と延長運転を実施しています。

7月からは「スーパーはくと」の3往復が、翌年1996(平成8)年3月からは「はくと」も京都発着となっています。

京都発着の印象が強かったんですが、最初は新大阪発着だったんですよね。

その改正で「スーパーはくと」は3往復(うち1往復が倉吉発着)のままでしたが、「はくと」は定期2往復と毎日運転の臨時1往復という、3往復体制になっています(うち倉吉発着が下り1本、上り2本)。

翌年1997(平成9)年3月の改正では、HOT7000系の増備で「スーパーはくと」が5往復(うち3往復が倉吉発着)となったものの「はくと」は定期列車としての1往復(鳥取までは毎日運転で、臨時で米子まで延長運転)という体制となっています。

同年8月にはHOT7000系にもグリーン車が連結されるようになり、11月29日にはHOT7000系のさらなる増備でキハ181系を使用した「はくと」が消滅しています。

それ以降は「スーパーはくと」の話になりますが、しばらくは大きな変化が無く、2003(平成15)年10月改正でさらに1往復が増えて7往復になったのが比較的大きな変化と言えるでしょうか。

最近では、コロナ禍で減便があったり、それが復活したり等はあったのですが、最大の変化は2024(令和6)年3月の改正でしょうね。1往復の増発で臨時を含めて8往復になったものの、2往復を残して後は大阪駅発着になっています。

運転区間を短縮することで、増発が実現した、ということなんでしょうね。

2025年3月改正では臨時列車が定期列車となって、現状は8往復の体制となっています。

ちなみに、ですが、「はくと」の名前は、鳥取県西部の白兎海岸や、白兎神社など、「因幡の白うさぎ」の伝承地であることに由来しています。因幡の「白兎」が「(スーパー)はくと」の由来、ということですね。

2022年9月に訪問

なので、「白兎(はくと)」を名乗る列車は、鳥取を経由する列車としてかなり昔から存在していて、1956(昭和31)年11月改正で登場した京都ー松江間の客車準急に遡ります。

その後、京都-米子間に運転区間を短縮した後、1961(昭和36)年10月改正で京都・大阪-松江間の気動車急行となり、1968(昭和43)年10月改正で、急行「だいせん」の新設に伴い京都ー松江間の列車に。1970(昭和45)年10月からは京都-出雲市間の運転となるんですが、1982(昭和57)年11月には京都ー米子間に短縮(一部区間は快速)。1986(昭和61)年11月改正で特急「あさしお」に格上げとなる形で「白兎」の名前が消滅しています。

その名前がひらがなで復活したのが、「はくと」と「スーパーはくと」となります。

なんか、HOT7000系の話題が多かった気がしますが、今回は、先述の通り、キハ181系「はくと」です。

KATO 10-2017 キハ181系「はくと」5両セット

キハ181系の購入は、4年前に購入した同じくKATOの「はまかぜ」編成以来。

JR西日本のカラーリングで走っていた編成で、1998年(平成10年)から、キハ189系に置き換わる2010年(平成22年)まで走っていた車両ですね。

なので、このいわゆる国鉄色のキハ181系は初めて手にする製品になります。

鉄道模型の趣味を再開した5年前から欲しかったカラーリングの車両です。本当のことを言えば、側面にJNRのロゴが入った、国鉄時代の車両が望みではあったんですが、それは381系も同じでしたね。

国鉄時代からJR移行後も継続して走った車両は、JRロゴありなしの違いで、どちらを求めるかが難しいですよね。とはいえ、発売されるタイミングもありますので、手に入るものを手に入れる、ということになっちゃうんでしょうね。

EF65-1000や、EF66は、両方買ってしまってますけど…。

さて、そのJRキハ181系「はくと」編成。以下の5両となります。

・キハ181-24
・キハ180-42
・キロ180-6
・キハ180-79
・キハ181-17

では、車両ごとに見ていきたいと思います。

キハ181-24

JNRロゴのありなし、なんて話をしてましたが、それほど気にならなかったりします。このカラーこそが国鉄型なんで。。

もちろん、側面の後方には、しっかりとJRロゴが入っています。

この、車両の3/5くらいしか客席スペースの無い(機器室の大きい)キハ181が、山岳地帯を往くディーゼル特急車両、という感じですよね。

このキハ181-24は、1970(昭和45)年9月に、新車として名古屋第一機関区に配置されたそうです。中央西線を走る特急「しなの」の車両として製造されたんですね。

キハ180-42

2号車のキハ180-42。

模型では、唯一の動力車です。モーター搭載車なのでずっしりしていますが、側面から見る分にはシートも再現されていますので、それほど動力車っぽく感じないですね。

屋根上のラジエーターがキハ181系独特の印象を作り出してます。

キロ180-6

3号車はグリーン車のキロ180。

ドア横にはグリーン車のマークが入っていますし、なによりシートごとの窓配置が他の4両には無い独特なスタイルです。

キロ180-6は、1969(昭和44)年11月に、新製で尾久客車区に配置された「つばさ」用の車両として登場したものとなります。その後、小郡機関区で「おき」に使用され、向日町運転所に移動して「あさしお」や「はまかぜ」の運用に当たった後、1994年からは「はくと」の運用も追加されたようです。

キハ180-79

4号車はキハ180-79。2号車と同じキハ180ですが、こちらは模型ではトレーラー。なので、床下機器がよりリアルに造形されています。

ボディから上はほぼ同じですね。

車番が70番台と、他の車両よりも新しめですが、1972(昭和47)年1月に新製で米子機関区に配置された、特急「やくも」でデビューした車両となります。

キハ181-17

最後に、5号車。キハ181-17です。

編成を意識して、あえてこの向きで撮ってみました。

モノとしては、1号車と同じかと思います。もちろん、側面の車番は違いますけどね。

屋根上には、運転席の上部あたりから後方にかけてATS-P配管が施されています。ATS-Pが使用される智頭急行線を走行するために必要な加工ということになります。

当時、向日町運転所には、8編成分16両のキハ181が在籍していたようですが、「あさしお」「はまかぜ」「はくと」やその他の臨時特急で共通運用だったと思いますので、全車にATS-P対応が行われたんでしょうかね。そのあたりはよく判りませんでした。

ちなみに、まだ取り付けていませんが、運転席上部の中央寄り2ヶ所の穴は、列車無線アンテナ用のもの。その横は信号炎管用。後方にある穴は排気管用のものとなります。

実車では、この車両も1969年11月、キロ180-6と同時期に製造され、(当時)非電化区間が残る奥羽本線を走る「つばさ」用に尾久客車区に配置された車両だそうです。

5両編成中、初任地が、尾久2両、名古屋2両、米子1両と、いずれも1972(昭和47)年1月以前ですので、「はくと」として運転される頃には各地で20年以上走り続けた車両、ということになります。

5号車ということで、テールライトを点けてみました。もちろん、1号車・5号車とも、前進すればヘッドライトが、最後尾ならテールライトが点灯します。

付属品

付属品は、写真左上から、電連、前面ホロ、列車無線アンテナ、信号炎管と排気管のランナー、「はまかぜ」「あさしお」「いなば」と無地のヘッドマークとなります。これに、写真には無いですが、行先表示シールとなります。

「はまかぜ」の編成セットとほぼ同じですね。

パーツ取り付け

信号炎管と排気管は、パーツ自体が小さいので、取り付けしやすいよう、ツマミが付いています。

ツマミを切り落とさずにランナーから切り出し、ツマミが付いたまま屋根に取り付けます。

その後で、ツマミ部分をもぎ取ります。若干バリが残りますので、気にする方はヤスリ等で仕上げれば良いかと思います。何もしなくても、ほぼ気にならないとは思います。

列車無線アンテナ、信号炎管、排気管を取り付けた後の写真です。

電連は、カプラーの根元に挟むように取り付けるだけです。

これで、取り付け完了となります。

走行の様子

では、走行の様子を動画で。

高出力エンジン搭載のキハ181系なので、カーブ区間(山岳エリアを想定)を、それなりの高速で走らせても違和感が無いのかな、と思います。

やっぱり、中間車の屋根上のラジエーターがキハ181系ですよね。

写真を何枚か。

まずは、全景。

5両で完結する列車なので、比較的コンパクトです。

最近ではHC85系の特急「ひだ」等、大阪駅から2両で発車する列車もありますから、それと比べると立派な編成ではあります。

こちらはテール側。レールへの出力を抑えてますので、テールライトがきれいに赤色になりました。

この角度だと、側面のJNRロゴの位置もJRロゴの位置も見えないので、国鉄車両っぽいですね。もっとも、「はくと」なので、JR時代の列車ではありますが。

「はくと」らしいといえば、この屋根上のATS-P配管、ということになるでしょうか。

鉄道模型の宿命ではあるんですが、走るディーゼル列車の屋根上があまりにも綺麗すぎるんですよね。とはいえ、煤で汚れた姿を再現させるのはあまりにも恐ろしいので、絶対にやりません。

最後の1枚は先頭から。

山岳地帯を駆けまわる、というよりは、野原を跳ねまわるイメージが強い白兎ですが、半世紀以上前に製造された国鉄型キハ181系の力強い走りを、模型とはいえ手元で見られるのは嬉しいですね。購入して良かったと思います。

最後に、このキハ181系が「はくと」として走っていた時期の時刻表(震災復旧後の1995年4月号と翌1996年3月改正号)を参考として掲載しておきたいと思います。

【参考】特急「スーパーはくと」「はくと」時刻表

表示スペースの関係で、列車番号は京都・新大阪駅発着時点のもののみを掲載しています。
「Sはくと」:「スーパーはくと」

【1995年4月号・下り】

51D8057D53D55D
Sはくと1号はくと81号Sはくと3号Sはくと5号
新大阪728101512451914
大阪(発番線)733(2)1019(1)1249(2)1919(2)
735102012501920
三ノ宮755104013101940
明石812105613271957
姫路834112013492019
835112113502020
上郡858114714152047
佐用909120014262058
大原920121414372109
921121414372110
智頭936123214522125
937123414542126
郡家958125515152147
959125615152148
鳥取1009130615252158
13071526
浜村1322
松崎1336
倉吉13421559

【1995年4月号・上り】

52D54D8060D56D
Sはくと2号Sはくと4号はくと82号Sはくと6号
倉吉14341724
松崎1440
浜村1456
鳥取15111757
710102515131800
郡家720103615291810
721103615301811
智頭743105815521833
大原758111316101848
758111416111848
佐用809112516241900
上郡820113616361910
822113716381912
姫路844120017011934
845120117011935
明石910122517252003
三ノ宮925124117432017
大阪(発番線)947(10)1302(10)1802(10)2036(11)
949130318032038
新大阪954130718082042

【1996年3月号・下り】

51D53D55D8061D57D59D
Sはくと1号はくと3号Sはくと5号はくと81号Sはくと7号はくと9号
京都7049501221145017081850
新大阪72810151245151517311915
72810151245151517311915
大阪(発番線)734(2)1020(2)1249(2)1520(2)1735(2)1920(2)
73710211250152117361921
三ノ宮75610411310154117561941
明石81110571327155718111957
姫路83411201349162018342022
83511201350162018352023
上郡85811451415164618582048
佐用90911591426165919092101
大原92012121437171319202115
92112131437171319212115
智頭93612361452173119362133
93712371454173319372135
郡家95812591515180019582156
95912591516180019592157
鳥取100913101526181020092207
13111529
浜村1325
松崎1340
倉吉13461607

【1996年3月号・上り】

52D54D56D58D60D8064D
Sはくと2号はくと4号Sはくと6号はくと8号Sはくと10号はくと82号
倉吉90514261652
松崎9121432
浜村9261447
鳥取94515011725
7109471140150417261903
郡家7209581151151517371914
7219591151151617371914
智頭74310211214153818001937
大原75810391228155618141956
75810401228155718141956
佐用80910531239161118252009
上郡82011061250162418372023
82211071252162518382024
姫路84411301314165219012049
84511311316165419012050
明石91011551340171819262112
三ノ宮92512111355173419432128
大阪(発番線)947(10)1231(10)1417(10)1753(10)2002(10)2149(10)
94912331418175520032150
新大阪95312381422180020072154
95312391422180120072155
京都101713051447182720322221