24系25形 寝台特急「なは」の思い出と…(2)

今から21年前に乗車した24系25形の寝台特急「なは」の思い出に少し触れ、先月末に発売されたTOMIXの98858「JR 24系25形特急寝台客車(なは)基本セット」と98859「JR 24系25形特急寝台客車(なは)増結セット」の開封直後の状態を紹介しました。
というわけで、今回は基本セット+増結セットの10両編成を走らせるところまで、書いてみたいと思います。
付属品
最初は、付属品の紹介から。まずは、基本セットの方です。

左上から、カニ24用のカプラーなし台車枠、続いてオハネフ25-2100用の台車枠。
カニ24用のステップとTNカプラー。カプラーチェーンに厚型の幌枠です。それと、転写シート(後述)が2枚です。
幌枠は、増結セットの連結する際に、中間車両となるオハネフ25-2100のためのものかと思いますが、どのみち見えにくい場所ですからね。。
続いては、増結セットの付属品。

左から、オハネフ25-100用のジャンパホースとTNカプラー。カプラーなし台車枠にカプラーチェーンです。前の記事にも書いた通り、オハネ25-100の基本セットと連結側用のTNカプラーは用意されていません。
オプションを購入せずに基本+増結セットを走らせたい場合は、オハネフ25-2100のTNカプラーをアーノルドカプラー付きの台車枠に交換する必要があります。
まずは車番
TOMIX製の車両なので、車番は転写シートで貼り付けます。

基本セットの方に、この転写シートが2枚、付属品として収められています。「なは」として使用された車両が限定されているので、ほぼ網羅出来ているのではないでしょうか。個室では無い開放B寝台のオハネ25とオハネフ25は、これ以外の車両が使用された可能性は十分にあります。
この写真では判りにくいですが、オハ24-300のみが白文字、他はシルバーです。
用意されている車番は以下の通り。
オハネフ25-2100(デュエット)
・オハネフ25 2106
・オハネフ25 2108
スハネ25-2000(ソロ)
・スハネ25 2124
・スハネ25 2126
・スハネ25 2131
オハ24-300(レガートシート)
・オハ24 301
・オハ24 302
・オハ24 303
オハネフ25-100(基本セット)
・オハネフ25 146
・オハネフ25 149
オハネ25-100(基本セット)
・オハネ25 137
・オハネ25 142
・オハネ25 173
・オハネ25 179
・オハネ25 181
・オハネ25 182
・オハネ25 183
オハネフ25-100(増結セット)
・オハネフ25 154
・オハネフ25 155
・オハネフ25 156
・オハネフ25 157
オハネ25-100(増結セット)
・オハネ25 206
・オハネ25 242
・オハネ25 243
・オハネ25 244
カニ24-0(後期型)
・カニ24 16
・カニ24 17
・カニ24 18
オハネ25-100(付録)
・オハネ25 113
・オハネ25 120
・オハネ25 122
・オハネ25 130
・オハネ25 132
・オハネ25 136
です。
デュエットが3両では無く2両しかないのは、模型化されたのが100番台を種車とした2100番台だから、ですね。2209は車掌室側の妻面が異なりますので、車番はありません。
開放B寝台の車両が基本セットと増結セットで分けられているのは、前回触れましたが、非常口周りで造形が異なっているため。写真は後ほどご紹介します。
付録のオハネ25-100は、どう解釈したらいいんでしょうかね。。非常口がどちらか分かる資料がないので、使いづらいです。
ちなみに、特徴のある3車種とカニ24は、いずれも鹿児島総合車両所に所属していた車両で、2004年3月からは熊本運輸センター(旧熊本運転所)に配置替えとなっています。
オハネフ25-100とオハネ25-100の基本セットの方は、こちらも2004年3月に熊本へ移動するまで鹿児島総合車両所に所属していた車両をほぼ網羅しています。
増結セットの方は、オハネフ25-100、オハネ25-100ともに国鉄時代に向日町から転属した車両で、廃車になるまで熊本にいたようです。
残る付録のオハネ25-100ですが、こちらは国鉄時代に品川から鹿児島へと転属してきた車両で、113が1991年に、他の5両は1997年に熊本へと異動となっています。「はやぶさ」「富士」「なは」として使用され、オハネ15に改造された1両以外は、そのまま熊本で廃車となっています。
なぜ、「付録」扱いかと少し調べてみたんですが、基本セットの最若番137よりも古い車両なので、非常口が、水切りあり、帯途切れ、かと思ったんですが、どうも水切りが無かったり、帯が途切れていたり、まちまちだそうで。。模型化された車両とは、少しずつ違う、というのが正解なんですかね。
なので、こんな感じにしてみました。
カニ24 – 17 | 電源車 | |
1号車 | オハネフ25 – 149 | B寝台 |
2号車 | オハネ25 – 179 | B寝台 |
3号車 | オハネ25 – 137 | B寝台 |
4号車 | オハネ25 – 183 | B寝台 |
5号車 | スハネ25 – 2131 | ソロ |
6号車 | オハ24 – 302 | レガートシート |
7号車 | オハネフ25 – 2108 | デュエット |
8号車 | オハネ25 – 242 | B寝台 |
9号車 | オハネフ25 – 156 | B寝台 |
とある日の編成、を再現したかったんですが、情報を見つけられませんでしたので、想像です。
写真は無いんですが、今回、転写に専用のツールを使用してみました。漫画などのスクリーントーンで使用していたトーンナイフを譲り受けたんですが、そのナイフと反対側にバーニシャーというんでしょうか、擦る部分が付いているものです。
これまで、「これでいけるじゃん」と、爪楊枝を使用していたんですが、「嘘ついてて、すみません」というくらい、バーニシャーが使いやすかったんです。
餅は餅屋、ということですかね。

カプラーの交換
続いては、カプラーの交換です。
アーノルドカプラーは、全てTNカプラーに交換します。付属品として交換用のTNカプラーが付いているのは、基本セットのカニ24と、増結セットのオハネフ25のいずれも車掌室側。

交換は、これまで何度もやってきてますので、特に目新しいこともないのですが、写真右端にあるアーノルドカプラー付きの台車を外し、そこから車輪(写真左)と集電シュー(写真下)を取り外して、写真中のカプラーなし台車枠にそれぞれ取り付けます。
それを元に戻すだけ。

TNカプラーの方は、床下ユニットの先端部にTNカプラーを取り付け、そのあとで、隙間にステップを取り付けます。オハネフ25など、ジャンパホースはTNカプラーに先に取り付けてから、床下ユニットに取り付けるので若干手順が異なりますが、いずれも簡単に取り付けできます。

アーノルドカプラーとは見栄えが雲泥の差ですね。
増結セットのオハネフ25-100の方は、基本、カニ24と同じなんですが、上にも書いた通り、TNカプラーにジャンパホースをセットしてから、床下ユニットに取り付けます。

写真は、TNカプラーとジャンパホースをセットした後のもの。完全に一体化します。
床下ユニットに取り付けて、ボディーを被せた後、最後の仕上げにカプラーチェーンを取り付けました。

カプラーチェーンって、意外と、あるとないとで見た目が変わります。
ちょっと暗いですが、ないときの写真がこちらです。

その他のアーノルドカプラーは、全て 0391「密自連形TNカプラー(Sカプラー対応・黒・24個入)」を利用してTNカプラー化します。
にも書いてますが、安価でTNカプラーになりますので、お薦めです。とはいえ、一編成分を対応しようとすると結構な手間ですけどね。
そんなわけで、今回、説明書を無視して「台車を外さずに」取り替えてみました。回転する台車を抑える指を置く位置が決まれば、案外と楽に付け替えが出来ます。
この、台車の取り外しと取り付けの工程が無くなるだけで、かなりの時間短縮となります。慣れないうちは取り外した方が確実かもしれませんけどね。
牽引機のTNカプラー化
今回、同時発売された 7189「JR EF65-1000形電気機関車(下関地域鉄道部)」は、購入していません。
つい先日、KATOの 3061-8「EF65 1000 後期形(JR仕様)」を購入したばかりですからね。
とはいえ、この記事に書いている通り、廃止間際の「銀河」牽引ならJR東日本仕様のクーラー搭載でもいいのですが、「なは」牽引なので(下関に寄せるため)、クーラーは取り外して、もとの避雷器に戻しました。
見栄えは、下関のものと変わらない(はず…)です。
ヘッドマークは、この記事でも紹介した 11-351「ヘッドマークセット EF65-1000用(国鉄)」を使用します。
このとき、「なは」を使用することになるとは、まったく考えても無かったんですけどね。

切り取られてるのは、「瀬戸」です。こちらは、
このときに使用してます。
というわけで、「なは」牽引のEF65-1000の完成です。

…。
いや、まだです。これではTOMIXの「なは」は牽けません。
EF65のナックルカプラーの付け根部分にピンバイスで穴を開けて、TNカプラーと噛み合うように加工しました。

現物合わせになってしまうんですが、ナックルカプラーの写真手前に飛び出した突起部分を削るか削らないか、まだ私の中で結論が出ていません。今回は、削らずにその根元に5mmのピンバイスで貫通直前まで穴を開け、そこに8mmでやや浅めに穴を拡げるよう、加工しています。
見ての通り、がっちりと噛み合ってますし、実際、これで数十分走らせてますが、勝手に解放されることはありませんでした。
九州方面行 下り寝台特急「なは」
というわけで、走らせてみたいと思います。
今回は駅なしで、駆け抜けるシーンのみです。
駅が無い分、長い直線が出来たので、いつもとはちょっと違う様子も見れるかと思います。
電源車込みの10両、機関車を入れると11両ですが、「瀬戸」などのB寝台モノクラス編成とは違って、下り「なは」は後半にソロ、レガートシート、デュエットと、窓割や屋根上が異なる車両が入りますので、見ていて楽しいですね。
最後に写真を何枚か。

何枚か撮った中でも、お気に入りの1枚なんですが、主役がKATOのEF65-1000では…、ですね。。

これぞ、24系25形の寝台特急「なは」という写真です。トレインマークもきれいに出てますね。
3両先に屋根の低いオハ24-300も見えます。ちょっとわかりにくいですが。
「らしさ」でいくと、こちらでしょうか。

デュエット、レガートシート、ソロが並んで見えます。
しかも、デュエットは個室側(窓割に特徴のある側)ですからね。

レガートシートとソロが遠かったので、もう1枚。
「瑞風」もいいですが、庶民的な夜行列車の復活、ないですかね。SDGsにも適ってると思うんですが。。
そうそう、後で触れると言いながら、忘れるところでした。

こちらが、基本セットのオハネ25-100。非常口の上部に水切りが残っていて、帯も途切れています。

こちらは、増結セットのオハネ25-100。水切りがなく、帯も連続しています。
非常に細かいですが、だからこそ、「買ってしまう」んですかね。完全にメーカーの戦略に負けてます。。
というわけで、21年前に乗車した寝台特急「なは」を思い出しながら、模型を楽しんだお話でした。
でも、完結編では無いです。
ED76で九州内を走らせたいですからね。
また、近いうちに。