381系「こうのとり」と自作の連接式LED照明

LED投光ライト

1月に、格安で購入したLED投光ライトの紹介をしました。

点灯モードに3段階あるんですが、「中」「弱」では動画撮影に耐えないくらいに点滅が映り込み、唯一動画でも撮影できそうな「強」は、バッテリー切れが頻発する、という、なんだか「使えそうで使えない」状態に陥ってました。

普段撮影に使用しているコンパクトデジカメに「ハイスピード動画」のモードがあるんですが、その240fpsで撮影をすると点滅のレートが判るんじゃないかと撮影してみたんですが、LED照明という特性ゆえか、残像が映ってしまって、正確な周期が見えないんですね。

ひょっとしたら、「弱」が全LEDの点灯/消灯で、「中」が一部のLEDが常時点灯、残りが点灯/消灯を繰り返している?とも見えるんですが、結局のところ、よく判らず。

どのみち、点滅周期のレートに合わせて動画のフレームレートを調整することなんて無理なような気がしてきたので諦めます。十分に充電しておいて、ピンポイントで「強」を使用する、くらいですかね。動画撮影で使用するには。

というわけで、別の照明器具を探してみました。

連接式LED照明

これまで、照明に使用していたのは撮影用ライトや投光ライトなど、「点で光る」もの。静止画撮影ならばこれでいいんですが、動画撮影には、ある程度「面を照らす」ために「面で光る」ものが欲しいな、と。

オフィスなどの天井に付いている細長い蛍光灯みたいなものですね。

これを線路に沿わせれば、向こう側からやってくる列車を捉えられるんじゃないか、と思ったわけです。とはいえ、収納のことを考えると、あまりに大きなものは困りますから分割できるもの、逆に考えれば「つないで長くできるもの」があればいいな、と。

そんな都合のいい商品も意外と市販されているようですが、それなりの出費になります。そこをなんとか格安で実現できないか、と考えた時に頭に浮かんだのが、これです。

灯台下暗し、ですね。

目の前に材料が転がってました。

室内灯用に購入していたLEDテープと、旧規格のTOMIX製レールです。

2年前に自作室内灯用にと購入したLEDテープですが、やっぱり純正品の方が見栄えも良く、何より手間もかからないので「大人の解決法」で使わなくなってしまったものです。

レールの方は、現行品の「PC製タイプ枕木」をメインとして、「木製タイプ枕木」もそこそこあり、最近では「ワイドPCレール」も増やしていますので、旧規格のレールを使用することはなくなっています。

使わなくなったレールを見ていて、このテープの幅が、レール幅と良い感じなんじゃないか、と。

この通り。きっちり収まります(上の2本のレールは、テープの押さえです。それ以外の意味はありません)。

このように、裏面がシール状になっていますので、剥離紙を剥がして、線路の枕木部分に貼り付けます。

見た目は、いい感じです。

このLEDテープの端子部分を、+側、-側ともに、レールとはんだ付けします。

数ミリに切ったスズメッキ線を橋渡しにして、はんだ付け。片側だけです。列車が走るわけではないですから、はんだがレールに乗っかっても問題なし。

作業としては、これだけです。ひとまず、これを数本作ってみました。

給電は、もちろんD.C.フィーダーから。

電源は、何かと重宝している9V電池駆動の、簡易パワーパックを使用します。

これで、LEDを点灯させてみます。

12V用のLEDですが、9VのPWM制御で、そこそこ明るくなります。

レールを使用する最大の利点は、給電部分の接続(取り外し)が簡単にできること。線路を外せばLEDは消灯しますし、接続すれば給電されて、延長部分も点灯します。それぞれにパワーパックが必要ではないというのが良いですね。

では、実際に現場で確かめてみましょう。

381系 特急「こうのとり」

その前に。

今日は、目的がLED照明の確認なので列車は何でも良かったんですが、走らせる列車が夜行列車続きだったので、明るいところを走る昼行列車で、と、去年の秋に購入した381系を取り出してみました。

同じ「くろしお」だと代わり映えしないので、近畿北部を走っていた「こうのとり」として走らせてみます。

特急「こうのとり」は、もちろん現役の特急列車で、新大阪から福知山・豊岡・城崎温泉の間を福知山線経由で走っています。

1986(昭和61)年11月のダイヤ改正で、福知山線の宝塚-福知山間と山陰本線の福知山-城崎(現・城崎温泉)間の電化により、特急「まつかぜ」、急行「丹波」「だいせん(のうち、昼行のみ)」が統合して誕生したのがエル特急「北近畿」。

2011年3月11日 尼崎駅にて

この時代が長く続いていたんですが、2011(平成23)年3月12日のダイヤ改正で、特急「文殊」「タンゴエクスプローラー」を統合して新たに誕生したのが特急「こうのとり」です。

デビュー当時から287系が使用されていましたが、全列車に充当されていたわけではなく、福知山電車区の183系も並行して使用されていました。この183系を置換えたのが、「くろしお」の287系置換えにより余剰となった381系です。

通常は4両編成で、多客期は6両での運転だったようです。

充当が開始されたのが2012年3月のダイヤ改正で、その3年半後の2015年10月には289系へと置き換わることにより、381系での運用が終了しています。

たまたまなんですが、その期間中の2014年1月に、丹後半島を旅行した際に撮影したのがこの写真。

雪の残る豊岡駅です。狙っていたわけではなく、たまたま、です。今思えば、運が良かったということでしょうね。

編成とパンタグラフ

多客時の編成はこのようなものでした。

ちなみに、編成表はこのようになっています。

特急「こうのとり」

← 城崎・豊岡・福知山

新大阪 →

123456
クロ381モハ380モハ381モハ380モハ381クハ381

KATO 381系100番台「くろしお」の基本セットだけでOKということですね。

1号車のクロ381は、見た目の違いがほとんどないのでクハ381をそのまま代用します。これは、KATOの説明書に記載の通りですね。

※のクロ381は、外観の違いがほとんどないためクハ381で代用します。

381系100番台「くろしお」説明書より

ただ、この編成表、

381系100番台「くろしお」説明書より引用

「あれ?」と思ったのが、モハ380の豊岡・福知山方のパンタグラフが、畳まれているということ。

「くろしお」や「やくも」は両側ともにパンタグラフを上げているので、振り子制御と関係があるということなんでしょうね、きっと。福知山線・山陰本線での運用中は振り子制御は切っていたはず。架線からの離線の心配もないとういことでしょうかね。

先に挙げた2014年1月に撮影した動画にも、パンタグラフが片側というのが残ってました。

上り「こうのとり」なので、先頭側(大阪方)のパンタグラフだけが上がっています。

それと、最後尾1号車のクロ381。ドア横に小さなグリーン車マークが付いてますが、確かに外観の違いってほとんどないですね。

なので、今回は、走らせるにあたっての加工は何もしません。行ったのは、2両あるクハ381のトレインマークを「こうのとり」に変換しただけです。

自作LED照明の明るさは?

では、LED照明なしとありとで、動画がどれほど変わるのか、確かめてみたいと思います。

まずは、照明なし。

次に、照明あり。

照明を、床面から10cmほど持ち上げたところで固定しています。そうしないと、下回りだけが明るくなってしまうんですね。

なんか、不気味な写真です。

別角度から。

正直なところ、光量に関しては、いま一つ、でした。

12VのテープLEDをMAX9Vで点けているわけですし、今度は、12V給電で試してみたいと思います。

動画ではなく、写真なら、そこそこ使えるかな、という感じです。

いずれも、右側から光が当たっています。

これは、左側から。

こんな感じで、手近なCDケースにマスキングテープで留めてみたものの、これがまた非常に扱いにくく、色々と工夫が必要ですね。

駅屋根に取り付けたLEDテープは車両をきれいに映し出していますので、もう少し期待していたんですが、LEDとの距離なのか、まだまだ研究が必要です。

最後に。

同時に走らせていたキハ181系「はまかぜ」です。

走行エリアこそ一部重なっていますが、「こうのとり」に381系が使用された頃には、すでに「はまかぜ」はキハ189系に置き換わっていますので、実際に山陰エリアですれ違うことはなかったんですが、模型ならでは、ですね。

というわけで、381系「こうのとり」を、自作の連接式LED照明の下で走らせたけれど、ちょっと期待外れだった、というお話でした。