メールサーバを立ち上げる(2)
メールサーバを設定し、動作するところまでを記載しました。
しかし、それだけではメールサーバとしては十分に機能しません。
※記載の内容は、あくまでも仕組みを理解するための試験的な運用です。セキュリティ面に関しては、責任を負いかねます。
DNSサーバへの登録
まずは、ローカルネットワークでの運用を考えます。
メーラーでのサーバ設定は、IPアドレスではなく名前で記載したいもの。ネットワーク内で名前解決できるように、DNSサーバに設定を行います。
/var/named/●●●.live-on.net.zone
$TTL 1D
@ IN SOA ns1.●●●.live-on.net. root.●●●.live-on.net. (
2021042200 ; serial
1D ; refresh
1H ; retry
1W ; expire
3H ) ; minimum
IN NS ns1.●●●.live-on.net.
ns1 IN A 192.168.0.2
ws2019e IN A 192.168.0.4
vmhost IN A 192.168.0.5
mail IN A 192.168.0.3
@ IN MX 10 mail.●●●.live-on.net.
/var/named/●●●.live-on.net.rev
$TTL 1D
@ IN SOA ns1.●●●.live-on.net. root.●●●.live-on.net. (
2021042200; serial
1D ; refresh
1H ; retry
1W ; expire
3H ) ; minimum
IN NS ns1.●●●.live-on.net.
2 IN PTR ns1.●●●.live-on.net.
3 IN PTR mail.●●●.live-on.net.
4 IN PTR ws2019e.●●●.live-on.net.
5 IN PTR vmhost.●●●.live-on.net.
192.168.0.3は、mailサーバとして運用するため、mail.●●●.live-on.net と変更します。
ドメイン(●●●.live-on.net)宛のメールの受信先として設定するのが、/var/named/●●●.live-on.net.zoneに追記した
@ IN MX 10 mail.●●●.live-on.net.
です。
サーバ名と、紐づくIPアドレス、MXレコードの設定を記載した後、BINDを再起動します。
# systemctl restart named.service
ローカルでの送受テスト
普段使用しているメーラーにアカウントを追加してもいいですし、テスト用に別のメーラーをインストールしても良いのですが、下記のように設定します。
サーバ種別 | サーバ名 | ポート番号 | 認証方式 | |
---|---|---|---|---|
受信サーバ | IMAP | mail.●●●.live-on.net | 993 | 通常のパスワード認証 |
送信サーバ | SMTP | mail.●●●.live-on.net | 25 | 認証なし |
「ローカルネットワーク内」のPCから、 mail.●●●.live-on.net のサーバに登録されているユーザー( root でも可)の名前を使い、 (ユーザー名)@●●●.live-on.net 宛にメールを送ると、IMAPサーバから、受信したメールが取得できると思います。
試験での運用なので、他のユーザの追加はやっていません。
グローバルでの送受テスト
ローカルネットワークから外に出る、もしくは、中に入るには、ルータの設定が必要です。
今回の設定であれば、次のようになります。
Internet側IPアドレス | ルーターのInternet側IPアドレス |
プロトコル | SMTP(TCPポート:25) |
LAN側IPアドレス | postfixを設置したサーバのIPアドレス |
LAN側ポート | 25 |
MyDNS.jpのドメイン情報として、MXレコードにメールサーバ名、Priorityに10と設定しましたが、DDNSで解決されたIPアドレスはルータで受けますので、ホスト名を律義に登録する必要はないかもしれません。
これで、普段使用しているメールアドレスから、(ユーザー名)@●●●.live-on.net 宛にメールを送ると、IMAPサーバから、受信したメールが取得できると思います。もちろん、その逆も可能となります。