QNAPのOS QTS 5.2.4.3092 Build 20250403 リリース

Qfinder Pro を立ち上げると、稼働中のNASに、バージョン更新の通知が出ていました。

結構前のことですけどね。いろいろ用事(とか、やりたいこととか)が重なって、なかなかアップデートできていなかったんです。

前回のアップデート記事を書いたのが1月下旬。それから3ヶ月経っていますが、5.2.3.3006へは、結局手動でアップデートしたはずです。

2台めのTS-228Aにしか、「↓New」のマークが付いていないのが気になりますが、他の2台が対象外、ということではありません。

アップデートを確認してから、WEBの管理画面に入って「キャンセル」ボタンを押したり(今は見送る、という意味です)、NAS本体の電源を落としていたりしたので、「New」の状態ではなくなったのかもしれないですね。

変更点は?

ともかくも、TS-228AのNASに、WEBからログイン。

5.2.4.3092 Build 20250403 ですね。

公式サイトを確認してみます。

え…。

しばらく見ないうちに、5.2.4が、5.2.4.3070 → 5.2.4.3079 → 5.2.4.3092 と更新されてます。つまりは、現状の QTS 5.2.3.3006 からすると、QTS 5.2.4.3092 は、3つも後のバージョンということに。

気付かなさ過ぎですね。。すみません。

それにしても、ビルド日からすると、5.2.3.3006 から 5.2.4.3070 は、2ヶ月強と、普通のペースですが、そこから、9日後、13日後、と異常なハイペースです。

これは怪しい匂いが漂います。

というわけで、まずは QTS 5.2.4.3070 から見てみましょうか。

QTS 5.2.4.3070

セキュリティ更新と機能強化、それとバグフィクスから構成されています。

セキュリティ更新はいつもの通り、具体例は無く、

Applied multiple security updates to further enhance system security.

というもの。

機能強化としては、

Improved the DHCP server creation and editing process. 

DHCP サーバーの作成と編集のプロセスが改善されたとのこと。我が家では、DHCPはWi-Fiルータが担っているので、NASにDHCPを求めていなかったから、というのもあるんですが、それぞれの改善内容はいずれも、「そうなんだ」という程度の感想です。が、DHCPとして利用している方には朗報なものもあるかもしれないですね。

もうひとつの機能強化は、

Updated Western Digital Device Analytics (WDDA) to version 8.70.5 for improved stability.

Western Digital Device Analytics (WDDA) をバージョン 8.70.5 に更新したそうです。

WDDAとは、名前の通り、Western Digital製のデバイスの監視ツールで、WD RedまたはWD Purpleのドライブを監視するためのものだそうです。直接どのように影響してくるかは判りませんが、監視ツールがアップデートされたということですね。

バグフィクスの方は、10件ほどの記載があります。この中で、個人的に気になったのが、これ。

Resolved an unusual issue where some users experienced RAID group and shared folder errors after a firmware update.

一部のユーザではあるようですが、ファームウェアアップデート後に、RAIDグループや共有フォルダのエラーが発生していたのを改善したとのこと。

もうひとつは、

Resolved a rare issue in the kernel-mode SMB daemon that caused the NAS to stop responding for some users.

こちらも一部のユーザで、NASが応答しなくなるカーネルモードSMBデーモンの、稀に起こる問題を改修したとのこと。

どちらも、キーワードは「一部のユーザ」。NAS本体に接続されるデバイスは多種多様ですし、このNASにつながる端末も多種多様ですから、すべてを網羅したリリース前テストは不可能でしょうからね。開発・テスト現場は、大変なのだろうと察します。

QTS 5.2.4.3079

その苦労が、残念ながら良くない方に出てしまった、ということなんでしょうか。

こちらのバージョンを公式サイトで確認すると、一見、QTS 5.2.4.3070と全く同じです。

差分を取ってみると、最終行だけ、変わってました。

Fixed an issue where after restarting the NAS, the system would incorrectly indicate that port trunking groups were degraded.

Fixed an issue where after restarting the NAS, the system would incorrectly indicate that port trunking groups were degraded. – Fixed an issue for some users where after a firmware update, the DNS setting for a virtual switch might disappear and become unconfigurable.

増えたのが、ここ。

– Fixed an issue for some users where after a firmware update, the DNS setting for a virtual switch might disappear and become unconfigurable.

一部のユーザで、ファームウェア更新後に仮想スイッチのDNS設定が消えてしまう問題があったのを修正した、ということですが、これが、QTS 5.2.4.3070で対応しきれなかった分を QTS 5.2.4.3079で対応した、ということなのか、QTS 5.2.4.3070でデグレしてしまったのを改修した、のかは判りません。

記載上の違いはここだけです。

QTS 5.2.4.3092

で、その13日後のリリースがこちら。

これも公式の案内では、ぱっと見たところ同じように見えるのですが、バグフィクスのラスト3行が変更されています。

  • Fixed an issue where after restarting the NAS, the system would incorrectly indicate that port trunking groups were degraded.
  • Fixed an issue for some users where after a firmware update, the DNS setting for a virtual switch might disappear and become unconfigurable.
  • Fixed an issue where the system would automatically reboot under certain conditions.

このうち、上の2行は、QTS 5.2.4.3079 と同じですね。2行に分けただけで。

つまりは、最後の1行が追加されただけ、と。

その内容とは、「特定の条件下でシステムが自動的に再起動する問題を修正した」と。再起動ですか。ちょっと大きめの問題ですね。

特定の条件の下で、ということなので、頻繁には起きないのでしょうが、いずれにせよ、改修できたようで何よりです。

というわけで、立て続けにリリースされた QTS 5.2.4 ですが、最終リリースから1カ月が経過していますので、ひとまずは安定した、ということでしょうか。

リリースから1ヶ月経過しても自動更新されてませんので、良きタイミングで手動アップデートしておきたいと思います。