TOMIX 寝台特急「北斗星」混成編成(前編)

2年前の2023年12月、鉄道模型趣味再開の2周年を飾る大きな買い物として、TOMIXの「JR 24系25形特急寝台客車(北斗星・JR北海道仕様)」基本セット・増結セットと「JR EF81形電気機関車(北斗星色)」、「JR DD51-1000形ディーゼル機関車(JR北海道色)」(もちろん重連用に2両)を一気に購入した話を書きました。
それから2年。
ちょっとだけ悩んだ挙句に、やっぱり買ってしまったのがこれです。

「北斗星」の最終盤、1往復になって1号車から6号車がJR北海道、7号車から11号車と電源車がJR東日本持ちになった時代の編成です。
編成の半分が前作のJR北海道仕様と被るわけですからね。ちょっともったいない気がしてしまったのは確かです。
でも、悩んだのはわずかに数分。やっぱり、これも買っておかないと後悔しそう、と思ったんです。
2014年6月に、実際に乗車したので思い入れがありますからね。JR北海道仕様の編成よりも。
というわけで、今回はこの編成を見てみたいと思います。
寝台特急「北斗星」
言わずと知れた名列車なので、今さら紹介するまでも無いですけども、簡単に。
1988(昭和63)年3月のダイヤ改正で営業を開始した青函トンネルを通って、同日から上野-札幌間を東北本線・津軽海峡線・函館本線・室蘭本線・千歳線経由で走り始めたのが寝台特急「北斗星」です。
晩年の姿が印象的なので、個室がメインの列車のような感じがしますが、運転開始当初は、電源車を除く10両のうち、開放B寝台が1・2・7~10号車と6両もありました。それと6号車の食堂車「グランシャリオ」のスシ24-500、それとA個室ツインDXのオロネ25-500(編成により号車が異なります)が各編成共通の仕様ですね。JR北海道とJR東日本とで異なるのが残る2両のみ。
JR北海道編成だった「北斗星1/2号」は、3号車がA個室ロイヤルとB個室デュエットの合造車オロハネ25-550、5号車がB個室ソロとミニロビーのスハネ25-500。(4号車がツインDX)
JR東日本編成だった「北斗星5/6号」は、4号車がA個室ロイヤルとB個室ソロの合造車オロハネ25-500、5号車が全車ロビーカーのオハ25-500。(3号車がツインDX)
当初、B個室デュエットはJR北海道編成にしかなく、JR東日本編成にA個室ロイヤルとの合造車オロハネ24-550として組み込まれたのが翌年以降のことです。
そのとき、2号車の開放B寝台がオロハネ24-550に置き換えられたものの11号車として開放B寝台車が増結されていますので、開放B寝台は11両中6両と、やっぱり半数以上を占めていたんですね。
ちなみに、運転開始当初の1988年夏頃までは、函館-札幌間は重連のDD51ではあるものの原色(国鉄色)機での牽引でした。赤いDD51に青ベースの「北斗星」のヘッドマークが新鮮…というか、今見ると違和感、がありますね。
当初季節列車として開放B寝台のみで運転していた「北斗星3/4号」も人気を受けて、1989(平成元)年3月改正からJR東日本編成と同様のものでの定期運転となっています。こちらはJR東日本・JR北海道が1編成ずつ担当していたそうです。
その後は個室人気の高まりから、解放B寝台をB個室デュエットやB個室ソロへの置き換えが進み、1998(平成10)年にはJR北海道編成は全車が個室になっています。
この頃の編成が、2年前に模型化されたJR北海道の編成、ですね。
1999(平成11)年、全車A個室の「カシオペア」が運転開始となり、「北斗星3/4号」と置き換わった形となっています。
2008(平成20)年3月改正では、定期列車として2往復していた「北斗星」が、北海道新幹線工事に伴って1往復に縮小。このときから、JR北海道とJR東日本の混成編成となりました。
2010(平成22)年7月からは上野-青森(信号場)間の牽引機関車がEF81から新造のEF510-500に置き換わり、「北斗星」も安泰かと思っていたんですが、現実は厳しく、2015(平成23)年3月に定期運転を終了することとなりました。
小変更ではありますが、2011(平成23)年2月から、2号車がB個室デュエットから解放B寝台の車両へと置き換わっています。これが定期運転終了まで続いていて、今回のTOMIX混成編成のベースとなっています。
98870「JR 24系25形特急寝台客車(北斗星・混成編成)基本セット」

上から、
・オハネフ25-0(1号車)
・オハネフ24-500(2号車)
・スハネ25-500(6号車)
・スシ24-500(7号車)
・オロハネ25-500(9号車)
・カニ24-500(電源車)
です。
1両ずつ、見て行きたいと思います。
オハネフ25-0(1号車)

オハネフ25の0番台ですので、車掌室側の妻面が折妻です。個人的には100番台の切妻よりも好きな形状ですね。
0番台のまま、ドアは耐寒設備として引戸になっています。もちろん、帯は3本の金帯です。

最後尾を締めくくるだけあって、カプラーは標準でTNカプラー。トレインマークとテールライトは当然点灯します。

こちらは反対側(通路側)。
1号車のオハネフ25-0は、実車では4人用コンパートメントでしたが、模型では通路とベッドの間にある壁やドアはなく、通常の開放B寝台と同じ形ですね。これはTOMIXの公式サイトにも特記事項として記載されています。
オハネフ24-500(2号車)
続いては、お隣2号車で、こちらも緩急車。

緩急車で、確かに妻面に窓はあるんですが、こんな変則的な顔です。

この違和感だらけの妻面。貫通ドアにトレインマークの表示器もありますし(模型ではトレインマークの取り付けはありません)、テールライトもあります(模型では点灯しません)ので、最後尾を走る「こともできる」んでしょうが、実際には、乗務員室を確保するのが目的で改造された車両だそうです。
その種車は急行「宗谷」「天北」で使用されていたオハネ14 507と508。もともとは中間車両です。なので、乗降ドアも妻面ギリギリに設けられています。
で、車掌室は乗降ドアと寝台との間に作られたそうです。
そういえば、中間車(オハネ14等)の貫通ドアって、引戸ですよね。このオハネフ24-500の貫通ドアは、模型でもドアノブが再現されている通り、開き戸に改造されています。
緩急室側の車端に銘鈑のある客車なんて、旧客以外にないんじゃないかと思います。
そんなユニークな車両は、オハネ14 508→オハネフ24 501、オハネ14 507→オハネフ24 502というたった2両しか作られていないのに、501には側面にJRマークがあって、502にはJRマークが無い、という大きな違いが。とことん唯一無二の車両たちです。
スハネ25-500(6号車)

続いては、6号車のスハネ25-500。車番で選択できるのが502だけなので、オハネ25-31を種車とした車両ですね。写真の左半分がB個室ソロで、右側がロビー、さらに右のエンブレムのあたりがシャワー室なっています。
スシ24-500(7号車)

食堂車のスシ24-500です。種車はサシ481、サシ489という特急型電車のもの。なので、屋根上は改造前の原形に近いのかと思います。

スシ24-500への改造に当たり、簡易運転台は撤去されたそうですから、そのときに妻面の窓も埋められたんでしょうね。

各テーブルに設置されたランプは、標準で点灯します。今回の製品化でテーブルランプは後年の変更後の形状になった、とされていますね。

写真の方はちょっとブレてますが、テーブルランプの形状はかなり似せて作ってあると思います。

北海道仕様のときのテーブルライトとは、明らかに違いますよね。
オロハネ25-500(9号車)
続いては、A個室ロイヤルとB個室ソロの合造車、オロハネ25-500。

オハネ25の0番台車からの改造です。車両の半分がロイヤルで2室、もう半分がソロで12室という、なんか社会の縮図のような車両ですが、定員だけで見ると、ロイヤル2室とデュエット7室のオロハネ25-550の方が…。
それはともかく、合造車特有の、というか「北斗星」特有の窓割ですよね。
カニ24-500(電源車)
基本セットの最後は、カニ24-500。

「北斗星」で使用されていたのは、500番台でも509まで。これらはカニ24の0番台からの改造です。
510、511は、カニ24-100からの改造ですので、妻面が切妻なんですよね。

カニ24-500は、下り「北斗星」で青森-函館間を除くと先頭位置になるため、アーノルドカプラーが標準となっています。交換用のTNカプラーについては、後程。
付属品や車両の加工については、増設セットとまとめて記載したいと思います。
98871「JR 24系25形特急寝台客車(北斗星・混成編成)増結セット」

基本セットの方は、機関車の収納が出来るスペースが、ケース上部に用意されていましたが、こちらの増結セットは上から詰められています。8両用のケースですので、2両分は、こだわりの別車両収納用、ですかね。
どう調達するかは別として、「北斗星」は、「トワイライトエクスプレス」と違って、時刻表の編成表上は同じでも、異なる車両が使用されるケースもありましたので、そういう収納の仕方もあるかもしれませんね。
こちらのセットは、上から
・オハネ25-560(3号車)
・オハネ25-560(4号車)
・オハネ25-550(5号車)
・オロネ25-500(8号車)
・オロハネ24-550(10号車)
・オハネフ25-200(11号車)
の6両です。
では、こちらも1両ずつ見て行きたいと思います。
オハネ25-560(3号車・4号車)
B個室デュエットの車両です。

次に紹介する4号車もオハネ25-560ですが、別物です。
今回、新規製作とは書かれていないので、北海道仕様のものと同じ金型なのかとは思いますが、こちらは、オハネ25 561、もしくは 562用の車両です。写真右端の便洗面の窓がひとつだけ、です。

こちらが便洗面の窓が上下2つの車両。オハネ25 563~566となる車両です。
北海道仕様のときは、「あぁ、窓の数が違うんだ」という程度にしか考えてなかったんですが、今回、その出所が全然違うことを知ったんですね。オハネ25 563~566は、オハネ25(0番台・100番台)を種車としているのに対して、561、562は、寝台車ですらないオハ14が種車だったんですね。
もはや、何が残ったんだ、というレベルの改造です。
改造で寝台車特有の丸屋根ができるなら、スシ24も、オシ14/オシ24みたいに丸屋根で統一すりゃよかったのに、なんて思ってしまいました。。
オハネ25-550(5号車)
続いてのオハネ25-550は、B個室ソロ。

こちらも写真右端の便洗面の窓が1つということは…。
そう、オハ14が種車なんですね。
560番台と共に、1991(平成3)年に改造されて誕生した車両となります。
今回、いろいろと調べている中で、オハネ14 502→オハネ25 551、オハネ14 532→オハネ25 552、オハネ14 527→オハネ25 561、オハネ14 537→オハネ25 562と紹介していた書籍があってミスリードされてしまったんですが、そりゃこのスタイルを見たら、オハネ14から、と思ってしまいますよね。
正しくは、オハ14 502→オハネ25 551、オハ14 538→オハネ25 552、オハ14 527→オハネ25 561、オハ14 537→オハネ25 562です。
オロネ25-500(8号車)

A個室ツインDXが8室備わった車両で、種車はオハネ25-100だそうです。
実は、2014年6月に「北斗星」に乗車した際に利用したのがツインDXなんですが、よりによってというのか、幸いにもというのか、1両しか無いオロネ24-501だったんですね。
前回の北海道仕様も、今回の混成(JR東日本の車両)も、オハネ25-100を種車としているので寝台側の窓の天地が狭いものです。が、オロネ24-501は、オハネ24を種車としているので窓が大きいんですよね。
なので、乗車する分には窓が大きくてありがたいんですが、希少車ゆえに「北斗星」としては製品化されにくいんですね。かつて、オロネ24-501も製品化されたようですが、再生産されたら、買っちゃうんですかね。。
オロハネ24-550(10号車)

中央にロイヤル2室、車両前後にB個室デュエットが計7室備わった合造車です。
基本セットの中で、格差社会の象徴みたいな表現をしましたが、デュエットは2席で1窓なので、それほど偏った感じは受けないですね。
オハネフ25-200(11号車)
最後は、11号車の開放B寝台。

選択できる車番はオハネフ25-215。なので200番台なんですが。。

200番台の妻面って、もうちょっと折れているのかと思ったんですが、ほぼ切妻ですね。
この車両も、オハネフ24-500と同じく、トレインマークなし(非点灯)、テールライト非点灯です。
というわけで、全12両を写真と共に紹介させて頂きました。
付属品

基本セットの付属品です。
左上から、列車無線アンテナ(取り付けピンありとなしの2種)、アンテナ、カプラーチェーン、カニ24用ステップ、アンテナ用穴開け治具、列車無線アンテナ用取り付け治具、幌枠、オハネフ25用台車枠、カニ24用カプラーなし台車枠、カニ24用TNカプラーです。これと、転写シート2枚が入っています。転写シートについては後で触れます。
列車無線アンテナが2種類あるのは何だろう?と思ったんですが、この写真を見て頂くとお判りの通り、裏にピンがあるのとないのと両方が用意されている、ということです。
従来から、列車無線アンテナは上級者向けのパーツで、治具を使って指定の場所にピンバイスで穴を開け、そこに取り付けるパーツだったんですが、今回は、裏が平らで、両面テープを使用して取り付けるタイプのものも同梱した、ということのようです。取り付けへのハードルが下がる、ということでしょうね。
アンテナの方は、側面に取り付けることもあってか、ピンバイスで穴を開ける必要のあるパーツのみです。
増結セットの方の付属品は、基本セットにも含まれる幌枠が一つ入っているだけです。増結セットの方には転写シートも取扱説明書もありませんので、ご注意ください。
車番を選ぶ
TOMIXのセットの多くは車番を自分で選んで転写できるよう、車番の転写シートが用意されています。

選べる車番は次の通りです。
オハネフ25 0(1号車)
- 2
- 4
- 8
- 15
オハネフ24 500 (2号車)
- 501
- 502
オハネ25 560(3号車)
- 561
- 562
オハネ25 560(4号車)
- 563
- 564
- 565
- 566
オハネ25 550(5号車)
- 551
- 552
スハネ25 500(6号車)
- 502
スシ24 500(7号車)
- 505
- 506
- 507
オロネ25 500(8号車)
- 504
- 505
- 506
オロハネ25 500(9号車)
- 501
- 502
- 503
オロハネ24 550(10号車)
- 551
- 552
- 553
- 554
オハネフ25 200(11号車)
- 215
カニ24 500(電源車)
- 504
- 505
- 506
- 507
- 509
オハネフ25(付録)
- 12
- 13
- 14
- 214
オハネ25(付録)
- 229
- 231
- 238
これらの車番の他に、オハネフ24 500用にJRマークが用意されています。501にはJRマークがありますが、502はありませんので、501を選択する場合には、JRマークを転写する、ということですね。
選べる車番ですが、1号車、11号車のオハネフ25、6号車のスハネ25-500、7号車のスシ24-500以外は、型式・型番・所属(JR東日本)の中で、全ての番号が選択できるようですね。
スハネ25-500は、503が種車が違うので選択できないのは判るんですが、501が無い理由は判りません。
スシ24は、504も他の3両と同じかと思うのですが、候補には無し。アレですかね、埼玉県でレストランとして現役ですし。いや、関係ないか。
それぐらいですかね。思い入れのある車番が比較的自由に選択できると思います。
…と言いながらなんですが、オロネ25のところでも書いた通り、型式・型番そのものが違う車両が編成に組み込まれて運転されることもあったようなので、「あの日に乗車した編成」を、このセットだけで完結させるのは、難しいのかもしれないですね。
そもそも、乗車した車両以外の車番は控えていたわけではないので、こんな感じで割り振ってみました。
| 1号車 | B寝台(コンパートメント) | オハネフ25-15 |
| 2号車 | B寝台(開放2段式) | オハネフ24-502 |
| 3号車 | B寝台(デュエット) | オハネ25-562 |
| 4号車 | B寝台(デュエット) | オハネ25-565 |
| 5号車 | B寝台(ソロ) | オハネ25-551 |
| 6号車 | B寝台(ソロ)・ロビー | スハネ25-502 |
| 7号車 | 食堂車「グランシャリオ」 | スシ24-505 |
| 8号車 | A寝台(ツインDX) | オロネ25-506 |
| 9号車 | A寝台(ロイヤル)・B寝台(ソロ) | オロハネ25-501 |
| 10号車 | A寝台(ロイヤル)・B寝台(デュエット) | オロハネ24-553 |
| 11号車 | B寝台(開放2段式) | オハネフ25-215 |
| 電源車 | カニ24-507 |
唯一こだわったのは、スシ24ですかね。

というわけで、転写します。
同じオハネ25-560(デュエット)でも、車番の位置が異なるのは面白いところです。
そのあたりは、このときにも書いてましたね。
カプラーの交換と幌枠取付
カニ24のTNカプラー化と、それ以外の車間連結器の「密自連形TNカプラー」化については、上記リンクの北海道仕様のときと全く同じですので、省略します。

アーノルドカプラーと違って、いい感じになりました。上り「北斗星」で最後尾にしても、締まりますね。
最後尾にはならないオハネフ25/オハネフ24の緩急室側には、幌枠が用意されています。
ボディは外さずに、下からはめ込むだけです。

中間車っぽくなりました。

右の車両がオハネフ24-502です。幌とTNカプラー化で、いい感じに縮まったかと思います。
最後の仕上げはカプラーチェーン
こちらも北海道仕様のときと同じなので省略しますが、取り付けた写真だけ掲載します。

ちょっとしたパーツなんですが、リアルさは格段に増したと思います。
というわけで、客車側の準備を終えたところで、時間切れとなりました。
EF510の準備と実際の走行は、また今度。
とはいえ、11月は用事が立て込んでいて、実際に手を付けるのは月末になりそうです。それまでは、客車を眺めながら、指をくわえていたいと思います。
最後のあがきじゃないですが、少しだけ写真を撮りましたので上げておきたいと思います。
























