さんふらわあ くれない 就航

フェリーについては、あまり話題として採り上げなかったんですが、NHKのニュースを見て久々にわくわくしたので書いてみたいと思います。

フェリーさんふらわあ

「フェリーさんふらわあ」って何?という方もいらっしゃるかもしれません。

「さんふらわあ」って、あれでしょ?船体に大きな太陽がデザインされた…。というのは間違いでは無いんですが、それは、その太陽のデザインを共有する「さんふらわあ」というフェリー船体のブランド名。

「フェリーさんふらわあ」は、それらの船を運航する会社の名前です。

現在は、大阪-別府、神戸-大分、大阪-鹿児島(志布志)を結ぶ航路を運航しています。

もともとは明治時代に設立された大阪商船(現在の商船三井)から、1942(昭和17)年に分離された会社のひとつ、関西汽船が前身(統合された3社のうちのひとつ)です。

1968(昭和43)年に設立された九四阪神フェリーを前身とするダイヤモンドフェリー、1969(昭和44)年に設立された日本沿海フェリーを前身とするブルーハイウェイライン西日本の3社が、2009(平成21)年に統合されたのが、現在の「株式会社フェリーさんふらわあ」です。(ブルーハイウェイライン西日本は、2007(平成19)年にダイヤモンドフェリーに合併されていますので、フェリーさんふらわあ設立時には2社になっています)

※2社の統合、というとちょっと違うかもしれませんね。商船三井が設立した100%子会社である「フェリーさんふらわあ」に、関西汽船とダイヤモンドフェリーが合併された、というのが正しいでしょうか。

ところで、関西以西の方は、上の記載で納得かも知れませんが、関東以北の方は「さんふらわあ」といえば、商船三井フェリーじゃないの?というところかと思います。

大洗と苫小牧を結ぶ4隻のフェリーは、いずれも「さんふらわあ」の名を冠しています。もっとも、商船三井フェリー株式会社も、株式会社フェリーさんふらわあも、株式会社商船三井が100%出資する子会社ですから、家族みたいなもんですけどね。

ちなみに、フェリーさんふらわあのURLは、 https://www.ferry-sunflower.co.jp/
商船三井フェリーのURLは、 https://www.sunflower.co.jp/
です。

sunflower.co.jp のドメインは 2001年7月に、ferry-sunflower.co.jp のドメインは、2009年10月に登録されているようです。

さんふらわあ くれない・むらさき

2023年1月13日、大阪発別府行として就航したのが「さんふらわあ くれない」。

夜行で運行するフェリーは、上下便で就航する船体が同時に新造されることが多く、この大阪-別府航路も、対になる「さんふらわあ むらさき」が今年4月に就航することが決まっています。

この「さんふらわあ くれない」と「さんふらわあ むらさき」が置き換えるのが「さんふらわあ あいぼり」と「さんふらわあ こばると」。いずれも1997年に就航したフェリーです。

まずは、「あいぼり」が「くれない」で置き換えられたようですね。「さんふらわあ あいぼり」は、1月12日に別府を出港する便が最終となりました。

https://www.ferry-sunflower.co.jp/route/doc/schedule202301.pdf より一部引用

その「さんふらわあ くれない・むらさき」。

公式の紹介ページを引用する形で紹介してみたいと思います。

1.日本初のLNG燃料フェリー

LNG(液化天然ガス)を燃料とすることで、硫黄酸化物(SOx)をほぼ排出せず、
窒素酸化物(NOx)と二酸化炭素(CO2)の排出を大幅に削減。

時代の要請ということですね。環境負荷を抑えたCO2削減、大事なことです。

ただ、一方で、世界各国で生じているLNG争奪戦というのもありますから、気になるところではあります。

2.一人あたりの面積が拡大

定員一人当たりの面積(1人あたりの内装面積)が6.9 m2から10.9 m2へと拡大。
ゆったりとした空間をご提供します。展望大浴場の面積は現行船の2倍、レストランの席数は1.5倍に。

いわゆる「雑魚寝」の2等船室相当(ツーリスト)が無くなり、2等寝台相当(ツーリストベッドから名前を変えたプライベートベッド)が最下位クラスとなります。

プライベートベッド (公式サイトのプレスリリースより引用)

現行の最上位クラス(デラックス)よりも上質のスイートが登場する等、全体的にかなりグレードアップしていますね。

スイート (公式サイトのプレスリリースより引用)

レストランも、大浴場も大きくなっているそうです。

大浴場 (公式サイトのプレスリリースより引用)

それもそのはず、「あいぼり・こばると」が全長153.0m、9,245総トンだったのに対して「くれない・むらさき」は全長199.9m、17,114総トンとかなりの巨体になっています。そのことは、次項にも。

3.静粛性を向上

瀬戸内海を夜間に航行する船舶では最大の大型船(船長199.9 m)であるくれない・むらさき。
最先端の技術やこだわりの設計により静粛性が向上しこれまで以上に快適な旅をお届けします。

瀬戸内海航路の長距離フェリーでは最大となるようですね。

新日本海フェリーの初代「すずらん・すいせん」(1996年-2012年に敦賀-小樽・苫小牧航路で就航)が全長199.5m、17,329総トンですので、ほぼ同じ。

瀬戸内航路では、2021年に就航したフェリー「きょうと・ふくおか」が全長195m、15,400総トンですから、「くれない・むらさき」の大きさを感じます。

4.長距離フェリー初となるコネクティングルームを設置

和室と洋室をコネクトすることで、3世代でご乗船のお客様に大変便利な空間をご提供します。

あるようで無かったんですね。コネクティングルーム。

コネクティング スイート (公式サイトのプレスリリースより引用)

かつて走っていた寝台特急「あけぼの」のシングルデラックス(スロネ24-550番台)でも隣室とを行き来できる仕様だったので、フェリーでもあるのかと思ってましたが…。

5.客船「にっぽん丸」デザイナーを起用

2018年就航船「さんふらわあ さつま・きりしま」の内装デザインや、
客船「にっぽん丸」改装時の内装デザインを手がけた渡辺友之氏(有限会社フラックス・デザイン代表)を起用。
カジュアルクルーズの空間を創造します。

3層吹き抜けのアトリウム(公式サイトのプレスリリースより引用)

関西と大分を結んでいた寝台特急「彗星」が廃止となって、今年で18年。大阪と別府(大分)を、移動手段ではなく移動そのものを楽しめる存在となりそうですね。

その他にも、過去のプレスリリースで記載されていた

■当社初!QRコードによるスマートチェックイン、および客室の施錠が可能に!

乗船のお手続きを簡素化すべく、QRコードによる「スマートチェックイン」機能を当社で初めて導入いたします。ご予約時に発行されるQRコードを使い、そのままチェックイン。客室の鍵としてもご利用できますので、ストレスフリーな乗船・入室が可能となります。

https://www.ferry-sunflower.co.jp/news/article/images/c846671a0a29f1920b4b25b4a75deeec284234a6.pdf

こんなのもあって、面白そうですね。

報道のチカラ?

このNHKニュースを見て、さっそく「フェリーさんふらわあ」を検索すると…。

公式サイトへのアクセスに、503エラーが出ました。

さすがはNHK。。

もちろん、そこまで貧弱じゃないですから、すぐに落ち着きました。

現在は、何事もなく、普通に閲覧できます。

2023年1月14日のキャプチャ画像

全国旅行支援の割引対象になっているとはいえ、ちょっとまだ(個人的に)長距離旅行が出来ない状況ですので、早く感染が落ち着き、自由に旅行できる日を待ちたいと思います。