485系 特急「雷鳥」

2025年3月2日

国鉄時代を代表する特急車両、485系を昨年末に手にして、特急「やまびこ」「白鳥」として走らせました。

最初の「やまびこ」はTOMIXから発売されたセットで標準装備されていたので、まずはそのままで。次の「白鳥」は大阪を起点とした昼行特急として最長距離を走っていた、好きな列車なので走らせてみたかったんですね。

この編成(基本セット＋増結セット＋サロ・サシ単体)では他にも「ひばり」「はつかり」「いなほ」など、青森運転所をベースとする各列車が再現できるんですが、そこはやはり青森。「白鳥」以外は東日本の列車で、好き嫌いで言えば好きではあるんですが、思い入れはそこまで強くないんですよね。

で、これらの車両を使って、馴染みのある列車が出来ないかなぁと考えていたときに、やっぱり大阪で485系と言えばこれだよね、と思いついたのが「雷鳥」です。

特急「雷鳥」小史

いつもなら、列車の小史を記載するところですが、特急「雷鳥」については、半年前の「サンダーバード」の紹介で書いてますので割愛。

ここに書いた通り、1964(昭和39)年12月に大阪－富山間でわずか1往復で走り始めた特急「雷鳥」。増発を重ねて、純粋な「雷鳥」としてはJR移管ダイヤとなる国鉄最後の1986(昭和61)年11月改正で19往復となったのが最高でしょうか。

JRとなってからは、「スーパー雷鳥」化や681・683系の「サンダーバード」への移行で、素の485系「雷鳥」としては徐々に数を減らしていきます。

2011(平成22)年3月改正で「雷鳥」は46年前と同じく1往復に戻りました。

そして2011(平成23)年3月11日。世間的には東日本大震災でそれどころではない状態となっていましたが、この夜に「雷鳥」としての運転が終了しています。

前回、特には書いていなかったのですが、1978(昭和53)年10月のダイヤ改正で、583系が「雷鳥」の運用に入ると同時にトレインマークがイラスト化していました。やっぱり、走らせるならイラスト入りがいいですよね。

特急「雷鳥」の編成

2009年9月の時点では、485系/489系「雷鳥」は10往復ほど残っていたと思いますが、担当は全て京都総合運転所(旧・向日町運転所)。この時点で、運用に当たっていたクハ481は7両で、200番台は1両しかなかったんですね。なので、写真のような300番台、700番台の非貫通の顔を見ることがほとんどだったかと思います。

ネット上でも、晩年の200番台「雷鳥」の写真はあんまり見られないですね。

でも、今回走らせようとしているのは、JNRマークが輝く国鉄時代、ですのでJRでの晩年にこだわる必要は無し。

というわけで、トレインマークが掲示され始めた1978(昭和53)年10月から1987(昭和62)年3月までの編成を…と考えたんですが、1978年頃の「雷鳥」はサロ481が2両連結されているんですね。583系はサロが1両ですが、今回は関係なし。

485系のサロが1両になるのはいつか、と順を追ってみていくと、1985(昭和60)年3月からは食堂車を改造したグリーン個室「和風車だんらん」が編成に加わり、ますます再現が難しくなります。

でも、10両に短縮した編成も同時に走り始めます。これなら行けそう。なんて思ったのも束の間。サハ481も見えます。サハが入るのはそれ以前のサロ2両の時代でも同じですね。

1986(昭和61)年11月には、向日町から新潟(上沼垂)に移管された485系編成が9両となり、大阪－新潟の「雷鳥」として運行を始めます。「白鳥」との共通運用となった編成ですね。

このときに外された1両がサハ481ですので、これなら手持ちのセットで大丈夫、なのですが…。

9020 国鉄電車 サロ481（489）形（AU13搭載車）

買ってしまいました。もう1両。

「白鳥」のサロ2両時代もありましたしね。なんて口実で。

付属品は、この通り。

基本セットに入っていたものと同じですね。

大きなランナーが入っていますが、使用するのはラジオアンテナだけです。それと、トイレ・洗面所流し管×2ですが、こちらは今回も使用しません。

転写シートは入っていません。前回はセットと同時に開封したので違和感は無かったのですが、TOMIXではよくあることですね。車番については後ほど。

さっそく、ラジオアンテナを切り出して屋根上に装着です。

屋根上に取り付け用の穴が開いてますし、取り付けに向きも無いので、問題なしです。というか、何より、二度目ですしね。

9019 国鉄電車 サハ481（489）形（AU13搭載車）

結局、買ったんかい！ と言われそうですが。。

サハ481です。

こちらの付属品はシンプルです。

トイレ・洗面所流し管とコンプレッサー。

床下にコンプレッサーを取り付けることで、サハ489として使用することもできます。が、今回はサハ481ですので、使用しません。

ですので、付属品はいずれも未使用となります。こちらもサロ481と同様に転写シートは入っていません。

車番を決める

その前に、編成のおさらいです。

サロ481を追加で1両とサハ481を購入したのは、もちろん、この12両編成で走らせるため。

当時の「雷鳥」の所属は485系と583系が向日町運転所、489系が金沢運転所でした。ですので、基本・増結セットで青森運転所所属車両の車番にこだわったのとは相容れないんですが、そこはあまり気にしません。

とはいえ、せっかくなので増備するサロ481とサハ481は向日町にいた車両をつけてあげたいな、と。

基本セットに含まれている転写シートに、サロ481の車番が8つ用意されています。
　サロ481-52
　サロ481-64
　サロ481-67
　サロ481-72
　サロ481-81
　サロ481-99
　サロ481-103
　サロ481-109

ところが、これらの番号、うまく1978年10月時点の向日町所属車両を外しているんですね。

4年後の1982(昭和57)年11月に金沢運転所から転入したのがサロ481-109。というわけで109に決定です。

サハ481の方は、
　サハ481-16
　サハ481-18

の2両のみが選択候補。こちらの方は、いずれも「雷鳥」「北越」用に金沢運転所から1978(昭和53)年に転入してきた車両ですので、16を選びました。

…が。見落としてました。

増結セットの方にも異なる車番の転写シートがあったんですね。

　サロ481-60
　サロ481-75
　サロ481-83
　サロ481-91
　サロ481-100
　サロ481-101

　サハ481-15
　サハ481-17

サロ481の方は、60、75が1978年から向日町でした。まぁ、時代は違えども期待した車番を付けることが出来ましたので、問題なしです。

トレインマークの付け替え

これが、今回の「顔」。

0840「トレインマーク（485-200系用・イラスト・A）」です。

写真の通り、「はつかり」「ひばり」「にちりん」「雷鳥」がセットになっています。

ランナーからの切り出しや、トレインマークの取り外し、取り付け方法は、「白鳥」のときと全く同じですので、こちらをご覧ください。

ランナーとの境にカッターナイフを当てて、一気に力を入れると、結構きれいに切り出せました。

いい感じです。

室内灯の取り付け

前回、「白鳥」の整備の際に室内灯を、サロとサシの2両に取り付けましたので、同じように今回も増備のサロとサハに取り付けてみたいと思います。

取り付けは、まず、付属の遮光シールを…。

こんな感じで巻き付けます。と…。

あー。前回、「白鳥」のとき、これを忘れてました。。

なので、これが正しい姿です。

サハ481にも同じように取り付けて完了です。

編成と流用元の再確認

見ての通り、モハ484-600の増結セットは使用しません。

というわけで、走らせてみたいと思います。

走行の様子

まずはいつものように、駅の風景から。

グリーン車2両に食堂車がある編成は、京阪神発着の特急としてもグレードの高い部類に入っていたと思います。

サシと2両目のサロの室内灯にムラがあるのは、遮光シールを貼っていないから、でしょうね。。

最後のシーンに現れるキハ58系車両は、福井から敦賀まで北陸本線を走り、小浜線に入る急行「わかさ」東舞鶴行、急行「はしだて」天橋立行をイメージしています。

実際に、今庄駅や武生駅で「雷鳥」を退避するダイヤがあったようです。

駅での写真を何枚か。

JNRマークのある485系とキハ58系の並びは、いかにも国鉄時代と感じさせます。

今では、観光列車や2編成併結列車を除けば2両のグリーン車を連結した在来線特急は無かったと思いますので、昔は需要があった、ということなんでしょうね。

そう考えると東海道・山陽新幹線がいまでも16両中3両ものグリーン車をつないでいるのは、さすがは日本を代表する列車だと思います。

今回、写真を撮ってなかったですが、「雷鳥」の食堂車には思い出があります。

子供の頃、家族旅行で富山から大阪まで乗車した「雷鳥」で、食堂車で早めの夕食をとりました。写真は無いんですが、昼行の在来線特急で食堂車を利用したのは最初で最後のことだったと思います。1984(昭和59)年の夏だったでしょうか。「雷鳥」から食堂車がなくなる少し前のことでした。

続いては、カーブでの走行シーン。

いろいろな角度から撮影してみました。

キハ58系4両編成との絡みも面白いと思います。

写真をいくつか。

S字カーブを高速で駆け抜ける電車特急らしさが出ているのではないでしょうか。

ちょっと影が入ってしまいましたが、迫力はあります。

ちなみに、当時の急行「はしだて」「わかさ」の編成は、

恐らくは2号車・3号車間で先頭車同士が連結されていたものと思います。

急行「はしだて」は1982(昭和57)年11月のダイヤ改正で、それまでの急行「大社」（名古屋・福井－大社/出雲市）が区間変更れされる形で誕生した列車です。名古屋を出て米原から北陸本線に入り、敦賀で福井からの編成を連結し、小浜線・宮津線と走って豊岡から山陰本線を大社まで走るという全区間乗り通す人はいないだろうというような変わった経路の列車でした。

というわけで、485系を使用した特急列車の第三弾として「雷鳥」を走らせました。その他の485系列車(国鉄時代)は関西とは馴染みが薄いんですが、そのうちに展開してみたいと思います。

最後に、特急「雷鳥」のこの編成が走っていた頃の時刻表を「時刻表 1978年10月号」から引用して掲載しておきたいと思います。

【参考】特急「雷鳥」時刻表

【下り】

【上り】