クロッシングレールと島式ホーム

2023年5月7日

「クロッシングレールの使いどころ」と題して、ループ状の周回レールに設置した駅部を、クロッシングレールを使用して「方向別複々線」に見えるように設置した話を書きました。

前回は、手元にあったクロッシングレールを使って思い付きで(即興で)組んだため、無理やり感があったんですが、それを解消しようと第二弾を考えてみました。

意味なくポイントを組み込んでみる

主題はもちろん「方向別複々線に見えるようにすること」ですが、それに加えて、全景でも「ありそう」と思わせるものにすること、です。

前回の配線はこんな感じです(写真再掲)。

全体的にスカスカで、クロッシングレールの無理やり感がハンパないです。

なので、こだわったのが、複線間隔37mmを、C605のカーブレールを使用して正しく55.5mm(島式ホーム設置間隔)にすること、入口側・出口側で(できるだけ)点対称になるようにすること、何より見た目の不自然さを減らすこと、です。

クロッシングレールだけが存在すると、どうしても不自然に見えるので、無駄にポイントを設置してみました。ポイントを加えると、クロッシングレールが目立たなくなったような気がします。

それがこちら。

仮に、島式ホームを写真の上側から1番のりば、2番のりば…、とすると、写真底辺の内側ループ線を上に向かって走る列車は、クロッシングレールとポイントを渡って、2番のりばへ。

その後、クロッシングレールとポイントを渡って写真右辺の内側ループ線へと戻ります。

周回して写真上辺の右側のレールを下って来ますので、クロッシングレールとポイントを渡って、3番のりばへと入ります。その後、再びクロッシングレールとポイントを渡って写真左辺の内側ループ線へと戻ります。

この配線の面白いところは、ポイントが4ヶ所あるものの、「全て分岐側から入る」という点です。

つまりは、ポイントをC541カーブレールに置換えても成り立ってしまう、ということ。ただ、そうすると違和感だけが残るんですよね。この「無駄なポイント」が良い働きをしてくれています。

こちらが全体写真の左側。

こちらが全体写真の右側を「反対側」から見たもの。

ヤードへのポイントと外側ループ線のダブルスリップを除けば点対称になっていることが判ると思います。

ちなみに、電動ポイントのコードを処理していますが、ポイントコントロールボックスにはつなげていません。分岐側固定です。

なので駆動ユニットを外してしまってもいいのかもしれませんが、以前に(たまたまなのかもしれませんが)、駆動ユニットを外して走行させていると、走行時の振動から勝手にポイントが動く(切り替わるまでは行かない)という事象があったため、あえて付けたままにしています。

なんせ、D.C.フィーダーは1箇所のみのため、ポイントが直線側に切り替わると、その先に電力が供給されなくなってしまいますので。

2023/5/7 追記

本文で「無駄」と称したポイント4ヶ所の「駆動ユニット」を外してみました。

コードが無くなり、見た目がスッキリしています。

この状態で何周も周回させましたが、特に不安定になることも無く(ポイント部分で停止するようなことも無く)、走り続けたことを報告しておきます。

走行の様子

まずは、駅を出発し、2番のりばから内側ループ線に転線するところと、そのまま周回し、3番のりばに進入する様子です。

クロッシングレールとポイントの通過時の速度低下などは全くなく、至ってスムーズです。

動力車が2両もある583系「きたぐに」だから、のようにも思えますが、機関車+客車の編成でも同様です。

反対側のクロッシングレール設置個所を、駅ホームと合わせて望遠で見ると、クネクネ感がいい味を出しています。

なかなかいい感じです。

列車に乗っていても、乗り心地はともかく、始発・終着となる主要駅でのポイント通過時の転線は、フランジ音が相俟って旅情をかきたてますよね。

というわけで、列車に乗ってみましょう。

カメラを積んだコキ107をDD51で押しています。

こんな感じですね。

外側ループ線を走っているのは、14系の「出雲」。

この記事の中で「出雲」単独走行の映像が無い、と書きましたが、録った気になっていたのは、この動画だったため。この記事で使いたかったので割愛しました。

ところで、この動画。思いっきりマンションの玄関だと判る映像ですが、今さらモザイクを入れたりボカしたりするのも何なんで、修正なしです。。

問題点を発見

これで完璧!と思ったんですね。

が、思わぬ問題が発生していました。

というのも、内外ループそれぞれの列車は、駅部以外ですれ違うことを想定して、下り向き・上り向きで線路にセットしています。

具体的に言うと、24系25形の「出雲1号」(東京発浜田行)と14系14形の「出雲2号」(出雲市発東京行)の、それぞれ東京方となる車両、出雲1号がオハネフ25(12号車)、出雲2号はオシ14寄りのスハネフ14(8号車)を、同じ方向になるよう、線路にセットした、ということです。

なので、駅以外ですれ違うと

このように、スハネフ25(12号車)とオシ14寄りのスハネフ14(8号車)を牽くDD51とが並んでいます。

駅部分だとしても、

これが、「本来のすれ違い」の状態。

出雲1号(手前・DD51+カニ24)の浜田側と、出雲2号(奥・8号車スハネフ14)の出雲市側の向きが揃っています。

ですが、島式ホームを挟んで並んでしまうと、

実はこれ、「出雲1号」浜田行と「出雲2号」東京行が、同じ方向を向いて停車している状態だったんです。

こちらの写真も、実は浜田行「出雲1号」と東京行「出雲2号」が並んでいる状態。

実は、次の写真を撮った時に、「あれ?」となったんです。

「出雲1号」のオシ24と、「出雲2号」のオシ14。

食堂車のドア側(厨房側)が逆だ、と。オシ14、オシ24とも、厨房は東京寄りのため、どちらかの「編成全体が逆向き」なわけです。まぁ、どう考えてもクロッシングレールで転線した側が逆向きになっているのは疑いようがないんですけどね。

あちらが立てばこちらが立たず。どこかに妥協が必要ということですね。

リアルさの追求と妥協、鉄道模型を楽しむために、どこに主点を置くか、ということでしょうか。一番は、本人が楽しむ、でいいんじゃないかなと思います。