リバース線は怖くない?(TOMIXポイントの話)
先日、TOMIX製のポイントを、旧製品の片側選択式のものから完全選択式のものに置き換えた話を書きました。
この仕様なら、もっと楽しいことが出来るんじゃないか、と、リバース線を組み込んでみました。
リバース線は面倒で怖いという思い込み
単線のループ線や、複線のループ線だけだと、電気的にショートする等の問題は全くありません。
それが、複線のループ線で、内側線・外側線で共通のヤードを作ろうとすると、前回記載したような問題が出てきます。場合によっては動力車のモーターに想定外の負荷をかけることになるので、避けたいところです。
共通のヤードは気を付ければショートを防げることは、前回の通り。
が、リバース線は、どう考えても危険だらけ。
まっすぐ走るだけで、レールに流れる+-が逆転するわけですから、ちょっと敬遠していたわけです。
レールに、電気的に遮断するギャップを入れたり、複数のD.C.フィーダーを設置したり、リバーススイッチボックスを導入したり、と、考えただけでも面倒そう。
ところが、完全選択式ポイントの仕様を考えたら、「リバース線も問題ないんじゃないの?」と思えるようになりました。
というわけで、さっそく、お座敷レイアウトに取り込んでみます。
リバース線の目的
前回の記事で、内側線・外側線の列車を入れ替えるためヤードを作った、と書きましたが、実はやりたいことの30%くらいの達成率でしか無いんです。
というのが、「編成の向きを変えないと走れない列車」の存在です。
その筆頭が、TOMIXの「JR 12-3000系・14系15形客車(だいせん・ちくま)セット」。
12系3000番台のスハフ12にトレインマーク表示器が設置されたものですから、この車両を最後尾にする思惑からか、ダミーカプラーが付いてます。
見栄えはいいですよ。
でも、機関車を連結できない。。
つまりは、内側線・外側線の間を転線させても逆走しかできないという興ざめ状態になります。
もう一つの例が、(通称)急行「ちくま」「さんべ」のような列車。
20系と12系の混結列車です。12系側のスハフ12はテールライトが点いてますが、20系のナハネフ22に見立てたナハフ20は、かなりの旧製品なので、20系独特の形状のバックサインも、テールライトも点灯しません。なので、こちらを最後尾としてはあまり走らせたくないという思いがあります。
トワイライトエクスプレスも、「札幌」の方向幕を掲げているので、できればスロネフ25を最後尾にしたいところ。
そんなわけで、転線+方向転換のできる線路配置を考えてみました。
方向転換のための線路配置
それが、こちら。
この下は、単純にループで折り返しです。
ヤードへの出入り口はこのように。
左分岐のポイントを買い足したので、前回よりもスマートになっています。
右分岐のポイントだと、レールの長さに端数が出て、クロッシングレールに並行の直線を並べる必要があったので、ヤードが本線よりもかなり遠くになっています。
一部に旧式(片側選択式)のポイントも残っていますが、電気的に遮断が必要な個所は、完全選択式に置き換えています。
注目すべきポイントは、こちら。(再掲)
ヤード内の一番本線寄りの線路が、写真下部で折り返してきた本線内側線とつながっています。
写真下側からヤードに入れば、「そのままの向きで」外側線に転線できる構造です。
外側線からは順方向ではダイレクトにヤードには入れないので、本線上をヤード入口(以降、上側ポイント)を行き過ぎ、バック走行でヤード内へ。さらにそのまま内側線へと出るポイント(以降、下側ポイント)を直進。全車両が行き過ぎた後、下側ポイントを切り替えれば、内側線に順方向で走り出すことができる、というわけです。
この運用での必須のルールは一つだけ。
「本線とヤードをつなぐ3ヶ所のポイントは、同時に2つ以上、ヤード側に切り替えない」
これだけです。
これさえ守れば、リバーススイッチボックスや、追加のD.C.フィーダーを用意しなくても、多彩な運転を楽しむことが出来ます。
編成の反転と内外線の入替
では、実際に進行方向をそのままに、内外線の列車を入れ替えてみます。
走らせているのは、内側線(反時計回り)に、晩年の普通列車「山陰」風の列車。DD51+12系+10系寝台車1両。最後尾がオハネフ12です。(以降、12系普通列車と表記)
対する外側線(時計回り)はEF81牽引のトワイライトエクスプレス。先述の通り、スロネフ25が最後尾です。
まずは、12系普通列車の周回走行シーンから。
ヤード入口の上側ポイントを直進し、本線を走行するシーンと、ループを半周して反対側のヤード入口になる下側ポイントを本線側(駅側)に進路を取る様子です。
12系普通列車の最後尾視点での映像です。
続いては、方向転換のため、下側ポイントからヤードへと進入する様子です。
駅(本線)を右手に、ヤードへと入っていきます。外側線を走行するトワイライトエクスプレスとの並走となりました。
ヤード内で一旦停止し、下側ポイントを本線側に、内側線の上側ポイントをヤード側に切り替えます。
これで、ヤード内の極性が反転します。
ですので、パワーパックの進行方向を切り替えて、前進を続けます。
内側線をわずかに逆走し、停止。
ヤード内の引き込み線に、12系普通列車を押し込めるためです。
引き込み線へのポイントを切り替えて、再度、パワーパックの極性を入れ替えます。
推進運転でヤードへと進入します。
外側線は、見ての通り、運転を継続中。ここまで、内側線列車の方向転換とヤード引き込み線への移動は、外側線に影響を与えていません。
ここから、外側線列車の転線となります。
先ほど外側線を走行していたトワイライトエクスプレスは、外側線上側ポイントを過ぎたところで停止。
そこから、推進運転でヤード(リバース用)線へと入ってきます。
ここで、外側線上側ポイントを本線側に、「内側線」下側ポイントをヤード側に切り替えます。
外側線用パワーパックの配下には誰もいなくなった状態です。
今度は、内側線用のパワーパックでトワイライトエクスプレスを内側本線へと移動させます。
トワイライトエクスプレスが下側ポイントを通り過ぎたところで、一旦停止。
内側線下側ポイントを本線に切り替えて、前進。これで、トワイライトエクスプレスがスロネフ25を最後尾にしたまま、内側線を走り始めます。
が、これから、12系普通列車をヤードから外側線へと送り出すので、トワイライトエクスプレスは駅に停めておきました。タイミングが悪いと、クロッシングレールで正面衝突ですからね。
では、12系普通列車を外側線に出すため、外側線上側ポイントをヤード側に切り替えます。もちろん、ヤード内のポイントも外側線向きに。
下側ポイントは内側線本線側なので、ヤード内は外側線と導通している状態です。
この状態で、前進。
ヤードから高速で飛び出す映像しか撮れてなかったので映像を加工してますが、無事に12系普通列車はオハネフ12を最後尾にしたまま、外側線を走り出しました。
トワイライトエクスプレスはスロネフ25を最後尾に内側線を走っていますので、目的達成です。
ポイントは、内側線の列車を「反転後にヤード内引き込み線に留置すること」。
最初、内側線から直接ヤードの引き込み線に留置させて、外側線の列車を内側線に転線させたんです。そしたら、元内側線の列車が反転できないんですね。
外側線走行列車を先にヤード内に留置させて、内側線を反転&外側線に転線させた後、元外側線列車を内側線へ転線してヤードを使って反転させる、というのはアリですね。いずれにしても、考えてから実行しないとパズルのようで、わけがわからなくなります。
いずれにしても、ポイント切り替えのルールを守れば、意外と「なんでもあり」の運転ができますので、これからもいろいろと楽しんでみたいと思います。