Haswell世代 Core i7(4610M)CPUのPC で VMware vSphere Hypervisor 7.0 環境を構築する(3)
ESXi 7.0をEPSONの小型デスクトップPC ST170Eにインストールしました。
仮想マシンの移動
旧ESXi7.0マシン上で稼働しているいくつかの仮想マシンを、新たに作成したESXi7.0マシンに移します。
最初、勘違いしていて、旧ESXi7.0マシン上に「エクスポート用」のファイルが生成されて、それを新マシンに移すのかと思っていたのですが、管理画面を表示させているPCにダウンロードすることになるんですね。
というわけで、旧ESXi7.0の管理画面で、対象の仮想マシン上で右クリック。
「エクスポート」を選びます。
※ここから先、少し遠回りした話を記載します。成功したやり方は、次の見出しまで飛んでください。
最初、この画面上に、もう一つ、「WinSvr2019Essentials-1.vmdk」というファイルが選択候補として挙がっていました。拡張子nvramとを合わせて、3ファイルにチェックを付けて「エクスポート」。
ところが、待てども待てども終わりません(いずれは終わるのですが…)。で、考えたのが[.vmdk]は、ディスクイメージのはずなので、WindowsServer2019で稼働させているEドライブも、イメージとしてダウンロードしているんじゃないか、と。
OSのCドライブはともかく、EドライブはWSUSのアップデートファイルが入っているだけですので、ネットワーク上の他のマシンに退避させ、Eドライブ(ハードディスク2)を仮想ハードウェアから削除しました。
その状態で、もう一度エクスポート。その時のキャプチャが上の画像です。
想定通り、WinSvr2019Essentials-0.vmdk だけになってました。
14GBほどのWinSvr2019Essentials-0.vmdkファイルと、数KB程度のovfファイル、nvramファイルが、WindowsPCにダウンロードされました。そこそこ時間がかかります。これに100GB超のEドライブをダウンロードしていたら、と思うとぞっとします。
で、新ESXi7.0マシンでの操作に移ります。
仮想マシンの画面から「仮想マシンの作成/登録」をクリックします。
「OVFファイルまたはOVAファイルから仮想マシンをデプロイ」を選びます。
仮想マシンの名前には、旧マシンと同じ名前(新たに設定できると思いますが、そのままで)を入力し、ダウンロードしたファイルを下のエリアにドラッグ&ドロップします。nvramファイルは対象から外されるようです。
datastore1(今のところそれだけ)を選択します。
デプロイのオプションは、旧環境と同じく、ディスクプロビジョニングに「シック」を選択。
で、「次へ」をクリックすると…。
「必要なディスクイメージが見つかりませんでした。」で、終わり。「完了」をクリックしても、当然デプロイは始まりません。
何が悪いのかと、エクスポート時のファイル選択を変えてみたり、デプロイオプションを変えてみたりしても状況は変わらず。
で、ネット上で調べて見つけた答えが「管理画面のエクスポートは使わない」という、「?」な結果でした。
VMware OVF toolの導入
VMwareのダウンロードサイトから、VMware OVF toolをダウンロードします。
msiファイルがダウンロードできますので、インストール。
といっても、ウインドウのあるアプリがインストールされるわけではないようです。コマンドラインで使用するツールです。
まずは、インストールしたディレクトリに移動します。
>cd C:\Program Files\VMware\VMware OVF Tool\
次いで、エクスポートを実行します。
>ovftool -ds=datastore1 -dm=thin vi://root@192.168.11.3/WinSvr2019Essentials D:\
もちろん、 192.168.11.3
の部分は、ESXi 7.0 のIPアドレス、 WinSvr2019Essentials
は、エクスポートしたい仮想マシンの名前です。最後の
D:\
は、ファイルを出力したい場所を指定します。実際には、仮想マシン名のディレクトリが作成されますので、D:\ のような大雑把な名前の付け方で問題ありません。
Accept SSL fingerprint (F9:~略~:F6) for host 192.168.11.3 as source type.
Fingerprint will be added to the known host file
Write 'yes' or 'no'
SSLフィンガープリントを追加する許可を与えます。yes
を入力。
Enter login information for source vi://192.168.11.3/
Username: root
Password:
管理画面に入るためのパスワードを入力。
Opening VI source: vi://root@192.168.11.3:443/WinSvr2019Essentials
Opening OVF target: D:\
Writing OVF package: D:\WinSvr2019Essentials\WinSvr2019Essentials.ovf
Transfer Completed
Completed successfully
当然ながら、大きなファイルをPCにダウンロードしますので、終了までには結構な時間がかかります。
パーセントで進捗が更新されますので、それほど不安は感じません。
WinSvr2019Essentials.mf
WinSvr2019Essentials.ovf
WinSvr2019Essentials-disk1.vmdk
WinSvr2019Essentials-file1.nvram
これらの4ファイルが D:\WinSvr2019Essentials
にダウンロードされました。
デプロイを行う
仮想マシンの画面から「仮想マシンの作成/登録」をクリックした後の流れは、前述のとおりです。デプロイに使用するファイル名が若干変わるくらいですね。ダウンロードされた4ファイルを選択しても、 .mf ファイルは表示されません。
同じように進めていきます。
先ほどとは違い、先に進めそうです。「完了」をクリックします。
ダイアログが消え、管理画面の「最近のタスク」に、「ディスクのアップロード」と「Import VApp」が表示され、結果・完了日時に進捗状況が表示されます。
すべて完了すると、
仮想マシンの完成です。旧 ESXi7.0上では停止させているはずですので問題はありませんが、サーバマシンのIPアドレス等々を含め、完全に同じ状態で起動します。ツールを使用するまでは手こずりましたが、使用してからは案外スムーズにいったな、というのが感想です。