24系25形「出雲」降臨
1週間前に、KATOの 10-855「24系25形寝台特急「富士」 7両基本セット 」と 10-856「24系25形寝台特急「富士」 7両増結セット 」を手に入れた話を書きました。
このセットで、子供の頃に憧れだった「ブルートレイン」の代表格、寝台特急「はやぶさ」を走らせることが出来ました。
その記事の末に、こんなことを書いてます。
今回のKATOの方は、なんとか「出雲」に出来ないか、と画策中です。
先に買った米子運転所のDD51-1000に付属のヘッドマーク「出雲」を活かしたい、と。
今回は、その「出雲」化について、書いてみたいと思います。
「出雲」化に向けて
東京から日豊本線経由で西鹿児島まで、日本の最長距離特急として走っていた寝台特急「富士」。その「富士」が宮崎止まりとなってからは鹿児島本線経由で西鹿児島まで、最長距離特急として走っていた寝台特急「はやぶさ」が、このセットのモデルとなっています。
いわゆる1970年代後半にあった「ブルートレインブーム」の頃、東京駅から東海道本線を西へと走る数々の寝台特急の中でも、A個室と食堂車を備えた24系25形のこの編成が憧れの的でしたよね。
関西~九州の「あかつき」や「明星」「彗星」などは、食堂車や個室はもちろん、A寝台すら連結してなかったですから。なので、東京~九州のブルートレインは格が違ったんです。関西ではなかなか目にできない時間帯に通り過ぎちゃうんですけどね。
この24系25形。全く同じ編成で「あさかぜ」でも使用されていました。
それと、忘れてはならないのが「出雲」。付属編成の車両数こそ2両少ないですが、先頭のカニ24から11号車のオハネフ25まで、全く同じです。
「はやぶさ」「富士」「あさかぜ」には、12号車オハネ25、13号車オハネフ25が追加されます。要は「出雲」編成にオハネ25、オハネフ25を足したのが「富士」「はやぶさ」。
逆に言うと、「富士」「はやぶさ」から12号車・13号車を落としたのが「出雲」ということです。
なので、この編成の「出雲」化は、何とかなりそうです。
牽引機関車 DD51
「出雲」の牽引機関車は、もちろんDD51。関東の方からするとEF65-1000なんでしょうが、関西人からすれば、「出雲」といえば原色のDD51。
しかも、おあつらえ向きに4月末に、米子運転所のDD51-1000番台を手に入れたばかりです。
この時は写真では紹介していませんが、2246「JR DD51-1000形ディーゼル機関車(米子運転所)」には、「出雲」のヘッドマークが付属品として付いています。
コンセプトはJR時代のDD51ですが、車体にJRロゴはありませんから、国鉄時代の客車を牽くのに何の支障もなさそうです。
いや、嘘です。大いなる支障があります。
TOMIXの急行「だいせん」を牽引させるために、両サイドとも、TNカプラーに交換しているんでした。
一方、牽引される側、カニ24は、KATOのナックルカプラー。
基本的には、相容れません。
ナックルカプラーの加工
とはいえ、ネット上にはTOMIXのTNカプラー装着機関車で、KATOのナックルカプラー装着客車を牽引するという話題がたくさん検索できます。
これだけの実績があるのだから、とチャレンジしてみました。
用意するのはニッパー等と、0.5mmと0.8mmのピンバイスです。
まずは、念のため、DD51とカニ24の顔合わせ。
高さは問題なさそうですね。
お互い嚙み合いそうな形状なのに、何が問題なのかというと、
まずは、KATOナックルカプラーの、この出っ張り(○部分)。
ナックルカプラーどうしでは、この出っ張りは機能的には影響しないため、カットします。
ナックルカプラーの出っ張りをカットすると、今度はDD51側(TNカプラー)の突起が邪魔します。
が、これを単純にカットしてしまうと、連結性能に影響しそうです。
TNカプラーを右手とすると、第2関節と第3関節(指の付け根)の間に付けられたくぼみに、対向車両の親指にあたる部分の突起が噛み合って、がっちりと連結できるわけです。
なので、TNカプラーと同じように、ナックルカプラーにもくぼみを作ってあげます。
0.5mmのピンバイスできちっと位置決めして、0.8mmでくぼみを広げる、というようなことが書かれることが多いのですが、位置がブレなければ、0.8mm一発で大丈夫かと思います。
とはいえ、くぼみだけで止めるのが難しく、貫通させてしまいました。機能的にはくぼみでも貫通でも問題なさそうです。
DD51(TNカプラー)の突起が、カニ24(ナックルカプラー)のくぼみに収まってます。ともかく、これで走行させてみて、途中で開放されなければOKということにしたいと思います。
ヘッドマーク
TOMIX 2246「JR DD51-1000形ディーゼル機関車(米子運転所)」に付属のヘッドマークを装着するだけです。
ヘッドマークの裏側は、こうなってます。
引っ掛けるようになってるんですね。
この根本部分で切断して、DD51の鎖部分に引っ掛けるだけです。
とりあえず引っ掛けただけの状態です。
手すり部分が、きれいに左右対称では無いのでヘッドマークが歪んで見えますね。こだわるなら調整が必要な感じです。
オハネフ25のトレインマーク
機関車と客車の連結部分が最大の心配事でしたが、何とかなりそうなので、次に「見た目」の最大の問題、最後尾のトレインマークを対応します。
頑張ったところでオハネフ25を最後尾にすると、トレインマークは白飛びしてしまうのが目に見えてるんですが、「出雲」だ、と言い切るには、トレインマークを「出雲」にしたいところ。
「24系25形寝台特急「富士」 7両基本セット 」「24系25形寝台特急「富士」 7両増結セット 」のうち、カニ24と、オハネフ25のうち、6号車・7号車・13号車の計4両に、「トレインマーク変換装置」が装備されています。
もちろん、選択できるのは「富士(文字版)」「富士(イラスト版)」「はやぶさ(イラスト版)」「はやぶさ(文字版)」。「白のみ」があることを期待していたのですが、それは無し。
というのも、「出雲」化にあたって、愛称板ガラスに、直接「出雲」を貼ってしまおうと考えているからです。
用意したのは、TOMIXの9525「国鉄客車 オハネフ25-0形(前期型・A)」。以前に、「何かに使えるかも」と思って購入していた車両です。
使用するのは、その付属品。
ここに「出雲」があります。見ての通り、全て反転した状態で印刷されています。要は、愛称板ガラスの内側から貼り付けると、外側からは正常に見えるわけです。
先に、「出雲」は「富士」「はやぶさ」から12号車・13号車を落としただけ、と書きましたが、この模型編成では、11号車のオハネフ25は他のオハネ25と同様、点灯設備はありませんし、緩急室側も密自連形カプラーですから、中間車としての扱いとなっています。
ですので、落とすなら11号車と12号車か、10号車と11号車になります。号車番号は最後尾11号車が「13」となるのですが、そこは目をつぶりましょう。というか、走行時は、ほぼ気になりません。
で、13号車のオハネフ25-113に、トレインマークを貼り付け。
こうなりそうな予感はしてたんですが…。
フチが赤いのが救いですね。「出雲」か「ゆうづる」か、という感じで。。
ちなみに、トレインマーク変換装置は、文字版の「富士」を設定してます。点灯させて「富士」文字色が邪魔してなさそうなので、これで行きます。
変換装置の文字色(黒)が邪魔をすれば、変換装置を取り外す、ということも考えていたので、手間は省けました。(と思ってましたが、後に続きます)
同じようにカニ24と、6号車のオハネフ25にも貼り付けておきました。トレインマークのシールが3枚なので7号車のオハネフ25-206は、文字版「富士」のまま。点灯しませんし、まず気付くことはないでしょうね。
というわけで、ほぼ「出雲」の完成です。
「ちくま」「さんべ」のようなもの、とは違い、こちらは車両の型番も完璧ですし、上で書いたように号車札の違いと、トレインマークの下に「富士」が隠れていることくらい。
いつかは「出雲」を、と思っていましたが、意外と早く実現できて、嬉しい限りです。
EF65-1000も忘れずに
牽引機関車はDD51一択、なんて豪語しておきながら、せっかく買ったEF65-1000を眠らせておくのはもったいないです。なんたって、東京-京都間は、EF65-1000が牽いてたんですからね。
この「出雲」化計画に合わせて購入したのが、「ヘッドマークセット EF65-1000用(国鉄)」。
かつてEF65-1000が牽いたブルートレインの懐かしいヘッドマークが揃っています。
マグネット式なので、KATOのEF65-1000なら、取替も容易に出来ます。
装着した写真は後ほど。
走行シーンを撮影
まずは、駅ホームからの撮影。
今回は久しぶりに駅を2面4線の構成にしてみました。長さのある駅ホームもいいですが、2面4線の路線別複々線もいい感じです。
DD51の「出雲」ヘッドマークが誇らしげです。赤いボディに赤いヘッドマークなので、目立ちにくいと言えば目立ちにくいのですが。。
アクセントとして山陰本線らしく、対向車線にキハ58系の急行列車を走らせてみました。
次に、テール側。
やっぱりトレインマークが白飛びしてしまいますが、心持ち赤いのが「出雲」っぽくていいです。
原色のDD51が牽いていて、カニ24を含めて12両で、トレインマークが赤っぽかったら、十二分に「出雲」です。
駅に向かってくるカーブを走行中の様子も。
駅ホームの安全柵近くで、やってくる列車にカメラを向けていた頃を思い出しました。
ちなみに、動画開始7秒くらいでパチンと大きな音が鳴るのは、ポイントコントロールボックスの切替音。キハ58をヤードに入れた後、本線のポイントを本線側(直進側)に切り替えたときの音です。
ここまで見て頂いてお分かりの通り、TOMIXのレール、最小半径は280mm、最大は605mmで、S字カーブ等もありますが、DD51のTNカプラーと、カニ24のナックルカプラーは、一度も自然開放はありませんでした。
この加工で、走行には問題ないようです。
動画の最後は、EF65-1000。
やっぱり、クリーム色に赤い「出雲」のヘッドマークは映えますね。
駅での写真
続いては、静止画を何枚か。
PWM制御パワーパックの出力を最小限に絞って、駅に停車中のオハネフ25を撮影しました。
絞ると何とかトレインマークが写りましたね。
まぁ、写ったら写ったで、下の「富士」が見えちゃったわけですが。。
やっぱり、トレインマーク変換装置を外さないと、完璧にはならなさそうです。
こうしてみると、DD51が好きなのか、「出雲」が好きなのか、判らなくなるくらい、EF65-1000も存在感があります。
ちなみに、下の写真は2003年3月に東京駅で撮影した「出雲」。こちらもたまたまですが、EF65-1100でした。
最後に、カニ24が最後尾となる状態も。
上り「出雲4号」ですね。オハネフ25と同じく、テールに明かりが灯ると「富士」が透けますので、消した状態で撮影しました。
「富士」「はやぶさ」として走らせて欲しい、というのがメーカー(KATO)の思いなのでしょうが、好きな「出雲」として走らせる、というのも楽しみ方の一つでしょうね。
というわけで、神の国「出雲」を走る寝台特急「出雲」降臨のお話でした。